順調そうに思えていた2人の恋。
突如として嵐が到来します。
2人の間の雲行きがなんだか怪しくて。
主人公の彼に対する気持ちは十分あるのに、もう彼は冷めてしまったのでしょうか。
なんとなく2人の間に距離を感じます。
愛の形は色々です。
それはカップルごとに違うでしょう。
でも誰かが一絡げに「愛」と名付けてしまった。
それが良くもあり悪くもあり。
言い表せないこの気持ちを「愛」と呼んでしまうことに違和感を覚える主人公。
言葉は便利だけど時に制限を感じさせてしまうことがあります。
主人公が持つ彼への想いは一言では言い表せないくらいに深いものなのかもしれません。
だからこそ愛という言葉に窮屈さを感じているのです。
重苦しい空気に思わず言葉が出なくなる2人。
沈黙が流れます。
どうしてしまったというのでしょう?
あんなに愛し合っていたというのに。
人の心はずっと同じなわけではありません。
ちょっとしたことで変わってしまうことは十分にあり得るのです。
この2人にもそのちょっとしたことが起こったのでしょうか。
悲しみにも似た気持ちが主人公を支配します。
無償の愛が欲しいの
サビ
もしも明日
私たちが何もかもを失くして
ただの心しか持たない
やせた猫になっても
もしも明日
あなたのため何の得もなくても
言えるならその時 愛を聞かせて
出典: あした/作詞:中島みゆき 作曲:中島みゆき
全てを無くしたとしても
もし突如として全てを無くしてしまったとしても。
あなたも私に無償の愛を向けて欲しい。
ちょっと欲しがりな主人公。
彼の愛を貪欲に欲します。
持っているお金や物が全てなくなってしまっても。
愛だけは誰にも奪うことができません。
主人公は2人の絆を信じているのでしょう。
どんなことがあったとしても、2人はいつも一緒に。
そしてお互いに愛を伝えあっている。
そんな関係が理想なのではないでしょうか。
確かに究極の愛とはこんな形をしているのかもしれません。
主人公が持つ願いとは裏腹に状況はあまり良いとはいえないよう。
幸せな時ならこのサビの歌詞は甘い響きを奏でます。
でもそうじゃない時は主人公の彼へのすがりつきとも取れるのです。
手を離したくない一心ですがりつく。
そんな様子が見て取れます。
一生一緒にいると決めたほどの相手。
そう簡単に手離せるものではないでしょう。
そんな痛々しさにも似た感情が溢れ出て。
主人公はこの先どうして行くのでしょう?
すれ違う2人
2番Aメロ1
抱きしめれば2人は
なお遠くなるみたい
許し合えば2人は
なおわからなくなるみたいだ
出典: あした/作詞:中島みゆき 作曲:中島みゆき
愛しているのに
愛しているのに、なぜだかすれ違ってしまう。
抱きしめているのに心が通じなくて。
許しているのにお互いの気持ちが分からなくなる。
どうしてこんなことになってしまったのでしょうか。
男女間の関係は非常に微妙で繊細です。
ちょっとしたすれ違いが大きな亀裂へと発展してしまうことも多々あります。
どうしたら以前のように戻れるのだろう?
そんな主人公の嘆きが聞こえてきそうです。
一緒にいるのに気持ちが通じないほど悲しいことはありません。
どちらか一方が冷めてしまうともうダメ、ということも。
そうなればどんなに抱き合ったとしても愛が戻ってくることは困難になります。
主人公が一方的に彼に近づいたとしても頑なになるだけ。
益々心が離れて行ってしまいます。
この2人に果たして、明日はあるのでしょうか。
少なくとも主人公はずっと彼といられることを信じています。
いや、それは切ない願望かもしれません。
もし叶わないのなら。
主人公はどうするつもりなのでしょう。
壊れてしまいたい
2番Aメロ2
ガラスなら
あなたの手の中で壊れたい
ナイフならあなたを傷つけながら
折れてしまいたい
出典: あした/作詞:中島みゆき 作曲:中島みゆき