tazunaとは
「tazuna/RADWIMPS」は、「ANTI ANTI GENERATION」の2曲目に収録されている楽曲。
アルバム中の歌曲としては1番目なので、アルバムの印象を決める大切な役割を果たしています。
流れるようなピアノの旋律と優しい歌声に冒頭から聴き入った方も多いのではないでしょうか。
そして歌詞を読んでみて「何の話だろう」と思った方もいるでしょう。
RADWIMPSの曲はいつの間にか考えさせられてしまう作品が多いです。
この曲も意味が深そうで引き込まれる曲。
それでは歌詞考察に移る前に、タイトルの意味を少し紐解いていきましょう。
タイトルからテーマ考察
タイトルは言葉通り考えると大まかに二通りの意味があります。
一つ目は人が馬を操るために扱う綱。
そして「人や物事を制限する加減」です。
よく「〜の手綱を握る」なんて表現を聞いたりします。
これは一つ目の意味から派生した比喩表現ですが、この曲の意味も後者。
では誰が何の手綱を握っているのか。
今回はそんなテーマに触れながら歌詞の考察を進めていきます。
キーワードは時間
さて、先に述べた手綱が意味するテーマを考えるにあたりもう一つ欠かせないものがあります。
それは時間。
RADWIMPSが歌詞で触れる頻度の多い要素です。
例えば4thアルバムに収録されている「夢番地/RADWIMPS」。
歌詞中に「昨日」「明日」「今日」という時を表すワードが目立つ曲です。
一例ですが、RADWIMPSの曲ではこのワードが多用されていることがあります。
そして、今回ご紹介していく「tazuna/RADWIMPS」もその一つ。
同様の言葉がキーワードになっているのです。
それでは、そんな哲学についても解釈しつつテーマを考察していきます。
ストーリー
世の中にある曲の中では時折、歌詞の内容が物語のように進むことがあります。
「tazuna/RADWIMPS」も紐解くと一種のストーリー仕立てのようです。
まずは冒頭の歌詞から物語を見ていきましょう。
あぁ 僕らは
どこからこんなとこに来たのかな
間違わぬように
毎日明日に
相談して今日まで来たのに
出典: tazuna/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
綺麗なピアノのサウンドのサビから入る素敵な構成。
野田洋次郎さんの弾き語りは自然と人をその物語の中に引き込みます。
そして早速「明日」「今日」というワードが出てきましたね。
主語を「僕ら」と、聴き手を巻き込んでいるのもポイントです。
物語の主人公は人間。
自分の生きる道、選択が正しいものと信じて今まで何とかやってきた。
しかしふと「そもそも何が始まりだったんだ?」と生を振り返ることってありませんか?
それって人間ならではの思考ですよね。
そんな哲学的な主題から始まり、物語の序章へと繋がります。
序章
とある日の夜の細い穴から
僕のすべてが零れ落ちたら
君も一緒に拾ってくれるかい
恥ずかしいのも
ちゃんと笑ってくれるかい
出典: tazuna/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
RADWIMPSの歌詞は語感のリズムが心地よいのが魅力。
歌詞だけでも読んでいて心地よいです。
直接的に物事を説明しないのも特徴。
情景は浮かぶけれどもはっきりとは分からない。
作詞作曲を担当するボーカルの野田洋次郎さんの感性が生む不思議な表現力です。
さて、ではこのAメロで謳っているのは何か。
それは人の誕生です。
いくつかの観点から考察理由を説明していきます。
「細い穴」とは?
まず歌詞1行目の「穴」とは何なのか。
それは夜の情景を想像すると見えてきます。
答えは空に浮かぶ星です。
2行目の一節はまるで降ってくるイメージですよね。
しかし実際に落ちてくるというよりは地球に生を授かると考えるべきでしょうか。
何しろ一つの始まりを謳っていると推察します。