ファンキーなサウンドと対照的な歌詞
キャッチーでいろんなアイデアが満載なtofubeats(トーフビーツ)の「WHAT YOU GOT」。
2017年5月にリリースされたメジャー3rdアルバム『FANTASY CLUB』の収録曲です。
とにかくファンキーなダンスミュージックなのでクラブのフロア最前で踊り明かしたくなる感じ。
でも歌詞に登場する恋人はイマイチ元気がないみたい……。
おもしろいMV♪
中毒性のある反復
tofubeats「WHAT YOU GOT」のMVに登場する人物はすべて外国人です。
チノパンにシャツインという地味めなメガネ男子はくねくねと美しい?ダンスを展開。
ネクタイ姿のサラリーマンは同僚に囲まれゴキゲンな笑顔で腕をシェイク。
往年のディスコダンスでしょうか。
1番はこの2パターンの繰り返しで終わってしまいます。
2番に入るとノリノリで踊るスーツ姿の男性と女性の2ショットが混ざります。
それにしても合計3パターンだけ。
2パターン目のサラリーマンが最後にロボットダンスを披露するという進化?はありますが。
中毒性のある反復がシュールですね。
繰り返される1番
よく聴くと実は1番が何度も繰り返されていることがわかります。
一般的なJ-POPでは考えられない曲の構成です。
しかもビートもミニマルにリピートされるというゴキゲンなハウスミュージック。
こうした反復によってサウンドにグルーヴ(ノリ)が生まれ、結果としてファンキーに!
サウンドに伴って必然的にリピートされるのが1番の歌詞です。
この楽曲の意味を紐解くには重要なポイントになってきますので、じっくり深掘りしていきます。
土曜日の夜、元気のない恋人
Saturday night 土曜日 Funkyな
友達連れて party time
どうしてる? 電話越し君は元気ないね
でもそんなの気にしないで
でもそんなの気にしない
出典: WHAT YOU GOT/作詞:tofubeats 作曲:tofubeats
土曜日の夜
「WHAT YOU GOT」のベースとなるキャッチーなイントロから始まります。
続く歌詞の冒頭でわかるのは時間設定が土曜日の夜だということ。
しかもサタデーナイト、ファンキー、パーティータイムというキーワードが連打されます。
膨らむイメージはアメリカの映画『サタデー・ナイト・フィーバー』。
70年代ディスコブームのきっかけとなった作品です。
主演のジョン・トラボルタの決めポーズがフィーバーしました。
トーフさん自身のディスコミュージックそのものに対するリスペクトが感じられます。
元気ない君
休日前夜、土曜日の夜。
友達とワイワイ騒ぐ楽しい時間の始まりかと思いきや、電話越しの恋人は元気がないみたい。
いったい何があったのか気になりますよね。
でも「気にしないで」と畳みかけられてしまいます。
恋人に対して「悩みがあっても気にしないで踊ろうよ」と元気づけているのでしょうか。
この解釈なら純粋に彼女のことを心から愛する優しい彼氏ということになります。
しかし「悩みを抱える彼女のことなんて自分は気にしないよ」という意味に受けとることも。
「気にしないで」と「気にしない」という2つの言葉。
この「で」があるかないかだけで「誰が何を気にしないのか?」あいまいになってしまいます。
ただここでは「~気にしないで」と「でも~」の間にしっかり「で」が入っていることに注目。
恋人に対する優しい気づかいはベースにあると解釈しておきましょう。