『水星 feat. オノマトペ大臣』について
1stアルバム『lost decade』収録
「tofubeats」(トーフビーツ)は、歌手・音楽プロデューサー・トラックメーカー・DJとして幅広く活躍しています。本名は河合 佑亮(かわい ゆうすけ)です。
インターネットを駆使した楽曲制作活動が高く評価され、WIREなどの有名フェスへの出演も果たしています。
彼の森高千里・藤井隆・の子(神聖かまってちゃん)とのコラボレーションは話題を集めました。
その他にもPUNPEE・Dream Ami・G.RINA・仮谷せいらなど幅広いジャンルの優れたアーティストとの共演にも意欲的に取り組んでいます。
彼の活動スタイルは「平成のトラックメーカー」と称され、耳の早い音楽好きから注目される存在です。
そんなtofubeatsの代表曲の1つが『水星 feat. オノマトペ大臣』です。
彼の人気を確かなものにしたこの曲は、2013年4月リリースの1stアルバム『lost decade』に収録されています。
アルバムには1stシングル『夢の中まで feat.ERA』、人気曲『NO.1 feat.G.RINA』など素晴らしい曲ばかりが収められています。
まだ聴いたことがないという方は、この機会にぜひチェックしてみてください。
それまで、フリーダウンロードやリミックスワークを行ってきた彼の集大成とも言える作品に仕上がっています。
オノマトペ大臣とは?
この曲でフィーチャリングしているオノマトペ大臣が誰なのか気になりますよね。
オノマトペ大臣はラッパーとして、thamesbeatと結成したユニット「PR0P0SE」やソロでも活動している人物です。
インターネット上での活動を中心に作品をリリースしています。彼は自称「会社員ラッパー」で、いつもは会社員として勤務しています。
このような素晴らしい音楽が作れるのに、なぜサラリーマンとして会社に勤めているか気になりますよね。
彼にとって「大学を卒業して、普通に企業に勤めること」が真のハードコアな活動なのだそうです。その生き方を全うしているわけですね。
確かに、奇抜なことや新しいと思われることだけがクリエイティブではないと思います。また、自分の「普通」が誰かの「異常」であることはよくあります。
そこから逆説的に考えると、より多くの人にとっての「普通」こそ、「クリエイティブ」と言えるのではないでしょうか。
オノマトペ大臣のユニークなハードコア観はtofubeatsにも影響を与えたと言われています。
tofubeatsがテクノやヒップホップだけでなく、J-POPと呼ばれる音楽を手がけるようになったのは彼の影響なのだとか。
MVがおしゃれ
オープニングの明るいトーンの映像とメロウなサウンドはファッションブランドのCMのようでとてもおしゃれです。
その後に、tofubeatsの活動拠点である神戸の数々の名所を女の子が楽しそうに遊び歩きます。この女の子は仮谷せいらですね。
終盤には夜景がきれいなハーバーランドでミラーボールを持ったtofubeatsとオノマトペ大臣が現れて、みんなで一緒に唄って踊りながら歩きだします。
このシーンは穏やかで楽しい気持ちになり、思わず笑顔になってしまいます。
歌詞の要である「踊らな死ぬ」「止まってないで転がって踊れ」のメッセージを表しているのではないでしょうか。
複雑な狙った演出はされていないのに、とてもおしゃれな雰囲気に満ちた映像に仕上がっています。
元ネタはあの曲?
「元ネタがある?」という煽り文句はよく見ますが、この曲には確かに元ネタがあります。その詳細について紹介します。
KOJI1200『ブロウ ヤ マインド ~ アメリカ大好き』が元ネタ
ずばり、「KOJI1200」(コージ・トゥウェルブ・ハンドレッド)の『ブロウ ヤ マインド 〜アメリカ大好き』が元ネタです。
この曲は1996年1月に発売されたアルバム『I LOVE AMERICA』に収録されています。
ジャンルはハウス・テクノ・ヒップホップで、テイ・トウワのプロデュースよる本格的でクールなサウンドとKOJI1200のユニークな歌詞がたまらない名曲です。
tofubeatsはこの曲が大好きで、カラオケボックスでバックで流しながら2時間程で曲を作ってしまったそうです。
聴いてみるとすぐ分かるほど、サウンドやリリックの乗せ方が似ています。正直、権利関係がどうなっているのか気になります。
それでは、下記の動画で実際に聴き比べてみてください。
今田耕司が歌う名曲
お気づきの方も多いと思いますが、KOJI1200は今田耕司です。
ダウンタウンの浜田雅功が小室哲哉とH Jungle with tを結成したことが、KOJI1200をはじめたきっかけなのだとか。
『ブロウ ヤ マインド - アメリカ大好き』はH Jungle wit tの楽曲に勝るとも劣らない名曲だと思います。
今田耕司はテイ・トウワのプロデュースで『ナウ ロマンティック』『I LOVE AMERICA』『DUET!!』『DISGUSTING』などのアルバムをリリースしています。
90年代のエンターテインメントと本気の遊び心を感じてみたい方は必聴です。