『人生一路』とは

美空ひばり「人生一路」は本人が特に好んで歌った曲!?石本美由起作詞の歌詞に込められた意味とは...!の画像

まず、美空ひばりの『人生一路』の収録作品など、概要について紹介します。

映画『美空ひばり・森進一の花と涙と炎』の主題歌

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美空ひばりは若干12歳でデビューし、音楽・映画・舞台と幅広い世界で活躍した日本の音楽界を代表する歌手の1人です。

「歌謡界の女王」として現代でも語り継がれる伝説の存在とも言えるでしょう。

そんな美空ひばり1970年1月に発売されたシングル『花と炎/人生一路』に収録されているのが、今回紹介する『人生一路』です。

このシングルに収められている2曲は、どちらも映画『美空ひばり・森進一の花と涙と炎』の主題歌として制作されました。

『人生一路』の歌詞は昭和を代表する偉大な作詞家である石本美由起が手がけています。

彼女は島倉千代子・都はるみ・五木ひろしちあきなおみ・森昌子・細川たかしなど、そうそうたる方々の楽曲に関わってきました。

美空ひばりの伝説に大きな役割を担った人物としても知られており、『人生一路』だけでなく『ひばりのマドロスさん』『悲しい酒』などヒット曲の作詞を担当しています。

美空ひばりの思い入れが強い曲

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美空ひばりにとって『人生一路』はとても思い入れが強い曲です。

まず、1969年に日本レコード大賞にゲスト主演した際にこの曲を歌っています。

数あるヒット曲の中からこの曲を選ぶことから、好んで歌っていたことが感じられるのではないでしょうか。

また、体調が優れない中で行われた伝説のコンサート「不死鳥/美空ひばり in TOKYO DOME 翔ぶ!! 新しき空に向かって」において、この曲をフィナーレで披露しています。

普通の人であれば立つことも難しく、まして歌うことなどできない状態でステージに立ったそうです。

苦しみがあってもまっすぐに進むことを歌った前向きな歌詞は、美空ひばり自身にも力を与えていたのかもしれませんね。

歌詞の意味を解説

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次に、美空ひばりの代表曲『人生一路』の勇気が出る歌詞の意味を解釈していきたいと思います。

1番

一度決めたら 二度とは変えぬ
これが自分の 生きる道
泣くな迷うな 苦しみ抜いて
人は望みを はたすのさ

出典: 人生一路/作詞:石本美由起 作曲:かとう哲也

1度やると決めたら、何があっても変えることなく「自分の生きる道」として貫くという気持ちが感じられます。

その道を進む中でどうすれば良いのか迷うことや、泣きたくなることもあるでしょう。

しかし、そのようなつらい出来事を苦しくても乗り越えることで「一度決めた」夢を叶えることができるのです。

2番

雪の深さに 埋もれて耐えて
麦は芽を出す 春を待つ
生きる試練に 身をさらすとも
意地をつらぬく 人になれ

出典: 人生一路/作詞:石本美由起 作曲:かとう哲也

「雪の深さ」は冷たく暗い雪の下をあらわしていて、つらく先が見えない状況という意味です。

それに耐えながらあたたかく明るい「春を待つ」ことで、大きな成功という穂を実らせることができるのでしょう。

「生きる試練」とは、必死で夢を叶えようとするからこそぶつかる挫折や苦難をあらわしています。

そのような試練に身をさらされても、負けることなく意地をつらぬける人になれとエールを贈っています。

3番

胸に根性の 炎を抱いて
決めたこの道 まっしぐら
明日にかけよう 人生一路
花は苦労の 風に咲け

出典: 人生一路/作詞:石本美由起 作曲:かとう哲也