「人生楽あれば苦あり」とはよく言ったものです。

結局のところ「生きる」ことにおいてなにが正しいのかは何度人生を試してみたとしてもわかりません。

何を信じたらいいのかわからないまま半信半疑の中で生きることになり、もがき苦しむのです。

その中途半端な生き方自体が、やるせ無い気持ちを生み出します。

インドのマハトマ・ガンジーは、インド独立の父といわれた、20世紀の最も偉大な精神的指導者のひとりです。

インドがイギリスから独立する際に、非暴力運動を唱えた指導者・政治家ですね。

その非暴力を唱えたガンジーではない「獣=社会」は生きる上で何を正解として選ぶのでしょう。

化けの皮を剥がした姿とは?

乾杯 Let’s shake handsして
とりとめない会話で溶け合って
「わかるわかる」で紡いだって
化けの皮剥がせばお互い獣

出典: Beast/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平

ここに描かれているのは本音と建前の世界のことでしょう。

乾杯したり、握手をしてとりとめない会話をしながらお互いに理解し合っている振りをする世界…。

わかっている振りをしたところで、結局腹の中は真っ黒かもしれません。

正解がわからないまま中途半端に生きている多くの人たちは、化けの皮を被り自分を防御して生きているということでしょう。

フェイクニュースや横柄な態度がまかり通るこの世の中で、防御服をきて、わかった振りをして生きている人間たち…。

彼らが全てを脱ぎ去った素顔はとても繊細で弱い姿なのでしょう。

防御のない彼らはこの後、どういう生き方を選んでいくのでしょうか。

賛成多数

反対の人追い出して
かたや賛成の人引っ張って
わからないでもないかもね
人の性丸出せばそんなもんだし

出典: Beast/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平

自分の意見を尊重してくれる人をとにかく集めて、票稼ぎをすることに必死な様子が浮かぶフレーズです。

意見の違う人とは反発してしまい、自分の野望は叶いづらくなります。

だからこそ追放するという道を選ぶのです。

人間の本性がよくわかる一節になってますね。

ドクター・デスのやってることが正義か悪か、そんなことは関係ないのです。

賛成を多く集めることで賛成多数の意見が正義になるのです。

中にはサイレントマジョリティーも存在するかもしれません。

でも反発さえ起きなければそれでいいのでしょう。

共存しよう

一心同体
それでも欲望は一杯
でもなるべく争い反対
握手はなくたっていいけど
手と手を取り合いたい
誰しも人生一回
だからご一緒に一心同体
いつまでも仲違いしないで Say"Hi!"

出典: Beast/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平

人間の欲望は何があっても消えないものです。

こんな世の中ではあるけれども争ってでもなるべく反対意見(正しいと思う意見)を言うことで何かが変わるでしょうか。

フェイクな握手ではなく、お互い支えあって正義の道を選んで進んでいきましょうという前向きさがうかがえる歌詞です。

反発せずに仲良く共存しましょうというメッセージですね。

善と悪にこだわるのではなく尊重し合っていけるようにお互いの心がだんだん変わっていきます。

間違ってもいいんじゃない

何回人生試したって 何が正解かわからないよ
なら“間違って”もいいんじゃない?
やぶれ、かぶれ、はぐれかけても
半信半疑で挑んだって 中途半端でやるせないよ
ならなりふり構わずに
やぶれ、かぶれ、マト外れていこう
何回人生試したって 何が正解かわからないよ
肝心要の己は
今も、今も、今も、今も、今も、今も
今もったいぶんなよ
半信半疑で挑んだって 中途半端でやるせないよ
己ん中の獣と
何を、何を、何を描こう

出典: Beast/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平

人生を1からやり直してみたところで、本当の正解はわからないかもしれません。

ときには間違えることもあるでしょう。

それでもいい、その繰り返しで人生が構築されていくことをこの歌詞は教えてくれます。

大事なのは選んだ道を信じて突き進む心です。

対立していたものが歩み寄るように、自分の考えは様々な出来事を境に変化していきます。

影響を与えてくれるのは他人だったり社会だったり…人それぞれでしょう。

それでも最後にその想いを貫くのは自分以外いません。

自分の決めたことに責任を持ち、自分が信じた「正義」を貫くという大切なメッセージが込められています。

結局のところ

どっちも間違いで正しいよ
So let’s go hand in hand
There’s no need to shake our hands
In all respects
どっちも間違いで正しいよ
So let’s go hand in hand
There’s no need to shake our hands
In all respects
That’s the only way to tame your own beast

出典: Beast/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平