楽曲「第3ボタン」

アルバム『卒業制作』収録

SHISHAMO【第3ボタン】歌詞を徹底解説!「第3」の意味って?声すらかけられない恋の行方は?の画像

SHISHAMO楽曲「第3ボタン」は2013年に発売されたアルバム『卒業制作』に収録されています。

当時まだ現役高校生だったSHISHAMOリアルな感情が込められた楽曲です。

在学中の時から既に音楽業界をざわつかせていたSHISHAMO

『卒業制作』の収録曲「宿題が終わらない」では、アマチュアバンドコンテストの優秀賞を獲得しています。

高校生ならではの感性等身大の言葉が若い世代を中心に話題を呼びました。

このアルバムのラストを飾る楽曲が今回紹介する「第3ボタン」なのです。

卒業式に好きな人から貰うのは"第2ボタン"ですが、ここでは"第3ボタン"がクローズアップされています。

勘のいい方はお気づきかもしれませんが、この楽曲は甘酸っぱい青春の切ない恋の歌なのです。

"第2ボタン"は良く聞くけれど、そもそも"第3ボタン"に意味はあるのでしょうか?

楽曲の内容をより深く知るために、まずボタンにまつわるエピソードについてお伝えします。

第3ボタンの意味

"第2ボタン"には"大切な人"という意味が込められています。

なぜ第2ボタンかというのは諸説ありますが、心臓に近いことから自分のハートを渡すという意味があるそうです。

そして今回の主役である"第3ボタン"には"友達"という意味が込められています。

第4ボタンは家族、第5ボタンは他人という説もありました。

その中で第3ボタンを貰った女の子。

第2ボタンはもう既に誰かの手に渡っていることがタイトルから読み取れます。

自分自身の叶わなかった恋を第3ボタンという言葉を使って表しているのでしょう。

これから大人になってステキな人に出会って恋をするかもしれないけれど、高校時代の恋は特別な存在です。

きっといつか彼のことを思い出して懐かしく思うのでしょう。

「第3ボタンの歌詞」

いつも遠くから見ているだけ

君の匂いを知らないよ
だから忘れることないよ
すぐにどこかに行ってしまう君を
この手で引き留められたなら
何もいらない
何もいらない

出典: 第3ボタン/作詞:宮崎朝子 作曲:宮崎朝子

匂いは記憶に残るとよく言いますが、ここでは匂いすら知らない様子が分かります。

そもそも彼の匂いが分かるくらいの距離にいたことがないのです。

人気者の彼はいつ見てもたくさんの友達に囲まれて楽しそうに笑っています。

いつも遠くから眺めているだけの彼女は"こうだったらいいのにな〜"と妄想することしかできません。

知らないから忘れることはない!ということは裏を返せばいつまでも忘れられないことを表しています。

いっそのことちゃんと振られた方があっさり忘れられるのに、告白どころか話しかけることもできないのです。

彼の姿を見られるだけで幸せ

下駄箱でいつもトロトロ
靴ひも結んでる
理由考えたこともないのでしょう

出典: 第3ボタン/作詞:宮崎朝子 作曲:宮崎朝子

下駄箱で偶然彼に会えたら嬉しいなという可愛らしい気持ち。

1日1回姿を見ることができるだけで幸せになれるのです。

本来ならば10秒くらいあれば履ける靴でも、あえてゆっくり靴ひもを結んだりして時間を稼ぎます。

その間に彼が下駄箱に来たとしてもきっと嬉しいのは自分だけ…。

彼は友達と笑い合いながらスッとその場から立ち去ってしまいます。

全く想いが届いていないと知りながらも、背中を見てキュンとしてしまうのが乙女心なのです。

心に鍵をかけようか

君は何も知らなくていい
知らないままサヨナラでいいの
こんな惨めな私の気持ち
どこにも行けないまま腐ってけばいい
明日になったって迷子のままだよ

出典: 第3ボタン/作詞:宮崎朝子 作曲:宮崎朝子

彼女が彼と唯一会える場所…それが学校だったのです。

つまり卒業してしまったらもう学校に来ることはありません。

卒業式が彼に会える最後の日であり、気持ちを伝えるチャンスでもあります。

最後だと分かっているのに彼の元に駆け寄る覚悟はできないのです。

挨拶を交わすことすらできない自分が惨めで悲しくなります。

チャンスはあったけれど…