はじめに

濃厚で甘い「Nectar」(ネクター)

【Nectar/まふまふ feat.nqrse】超美麗MVを公開!歌詞のパート割と解釈も公開!の画像

「Nectar」(ネクター)と言えばピーチネクターは有名ですね。皆さんは飲んだことがありますか?

そもそもネクターとはすり潰した果物を使った飲み物のこと。

トロっとした甘い飲み物のネクターはすり潰してピューレ状にした果肉が含まれているから、普通のジュースよりも濃厚なんです。しかも相当量の砂糖が使われていて、かなり甘い

暑さに喉の渇きを覚えたとき、キンキンに冷やしたネクターを一気に飲むのは最高!

だけど……実は渇きが癒されるのは一瞬だけ。またすぐに喉が渇いてしまう。そんな体験をしたことはありませんか?

飲んでも飲んでも"渇き"が満たされない、甘くて濃厚な飲み物「Nectar」(ネクター)。まふまふさんは、この曲名と歌詞にどんな意味を込めたのでしょうか?

「Nectar」の超美麗MVをチェック

絵師・RAHWIAのイラストが美麗

歌詞解釈の前に実際に「Nectar」を聴いてみることにしましょう。こちらの動画が2018年4月14日に公開された「Nectar」のMVです。

全身に絡んだ赤い糸であやとりをしている女の子がメインに描かれており、アダルトな雰囲気と意味深さを感じさせられますね。

赤紫を基調としたイラストの色味が全体的に暗めになっている点にも注目です。

女の子がうつ伏せになっている水面にはオレンジやブルーベリーなどの果物が見て取れます。甘くて濃厚ですぐに喉が渇いてしまう「Nectar」に反映されているのは、イラストの彼女の気持ちなんでしょうか……。

詳しい解釈は歌詞解釈のコーナーでじっくり見ていくことにしましょう。

「Nectar」のイラストを担当したのは、絵師として活躍中のRAHWIA(ラフィア)さんです。

RAHWIAさんは、まふまふさんと同じく歌い手として活躍しているluz(ルス)さんのグッズデザインなども担当しているので、どこかでイラストを見たことがある人も多いかもしれませんね。

【パート割あり】「Nectar」の歌詞を徹底解釈

2人は大人の関係

【nqrse(以下、n)】
Round'n round
呆れるほどフランク
とっ散らかったシーツは今日と同じ
同じ欠けたピースが教える
くすんだブループリント
Can you prove it
取り繕っていて
噤んだ口が残酷なんて
それがブラフかつベター
目覚めるまでCount to ten

出典: Nectar/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ

「Nectar」に描かれているのは1組の男女の姿です。2人は恋人同士ではなく、友人同士でもない大人の関係

歌詞の<とっ散らかったシーツ>に聴き手としてはドキッとさせられますね。

だけど「ぐるぐる回る」という意味の< Round'n round >や<呆れるほどフランク>、<今日と同じ>という歌詞に注目。

この歌詞から、乱れたシーツの光景は2人にとってはもはや何の刺激も刺激も無い光景なんだろうな、ということが想像されます。

<Can you prove it>は「証明してよ」という意味。

大人の関係にもいろいろありますが、将来性の無いセフレといった関係であれば本心なんて言いませんよね。それはきっとお互い様で。

だから<取り繕っていて 噤んだ口>というのはある意味当たり前かと思えます。歌詞からは『本心を表現しないことが残酷だなんて誰が言えるの?』という問いが聴こえてきそう。

だけど眠っている間に< Count to ten >、つまり10カウント取られてしまったら"試合終了"なのでしょうか。

この歌詞から、歌詞の語り手であるボクは2人の関係がもう打ち止め状態なんじゃないかと感じているように思えてなりません。

【まふまふ(以下、ま)】
感触以上 君を知りすぎてしまわないよう
明け方までは言葉を
交わさずいよう
心の距離 よりも
近づいた唇は
嘘を吐き慣れたままで 優しいままで

生ぬるい指先の
糸引くもので全て
拭えない悦びまで
重ねていく

結んで開いて 揺らいだ方へ
寄りかかって心地よかった方へ
愛してるなんて言葉に
それ以上の意味はない
絡まる糸は解かずに
絡みつくして切って離して御相子
明日の君から ボクは君を知らない

出典: Nectar/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ

2人の心はキスをする互いの唇よりも遠いし、ボクは今以上に近づかないように細心の注意を払っています。

というのも、自分と同様に相手だって自分に心開くことがないと思っているからなんでしょう。

行為の時には「好き」や「愛してる」だなんて吐き慣れた嘘を吐き、体は快感に抗えない

<御相子>=おあいこは勝ち負けの無い状況や引き分けのこと。『それもこれもお互い様だ』というニュアンスを感じます。

<明日の君から ボクは君を知らない>という歌詞から読み取れるのは『明日はボクの部屋に君がきて、いつものように体を重ねるかもわからない』といった状況

表向きは『それでもいい、お互い様だから』という気持ちを感じますが、その奥で2人の関係の虚しさを歌っているようです。

求めてしまうボク

【n】
詰まる言葉待っていたって
明解なんてなくて
振り出しへ
見透かす虚像までを愛して
Love affair
もういいかい もういいよ
掠れる Breath
張り裂けそうで Lala
背負い込んだ
I’m still the one

出典: Nectar/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ

そもそも体だけの関係で満足しているなら、前項で述べたような「細心の注意」なんて払う必要はないんですよね。

ボクが君に求めているのは体の関係だけではないのでしょう。

<詰まる言葉>の続きを期待したって君から本心なんか出てこない。だけど待ってしまうボクにある<張り裂けそう>な気持ち

それは「孤独感」「孤独感から解放されたい気持ち」であると筆者は推測します。<I’m still the one>=まだ僕はただ一人だ、という歌詞からも想像されますから。