君は何か言ったよ。

だけどその言葉は僕の心を揺さぶる。

愛する女性に「まだそこにいるの?」と言われたことが、あまりにもショックだったのでしょう。

男性は混乱したせいで口数が多くなり、意味不明なことをたくさん喋ってしまったようです。

せっかく話しかけられたのだから会話を続けなければと思うほど、よけいなことを言いがち。

その結果、不快感を覚えた女性はどこかへ行ってしまったようです。

君は「ここ」にとどまるつもりがない

一緒にいる方法

the engy【Still there?】歌詞を和訳して意味を解釈!「そこ」にとどまる理由を紐解くの画像

I think.
I guess.
Nothing makes you laugh.
'Cause you know
I'm just trying
to buy some time.
To change your mind.

出典: Still there?/作詞:山路洸至 作曲:山路洸至

僕は思う。

君を笑わせることはできないだろう。

だって君にはお見通し。

僕が時間を買おうとしていることを。

君の気持ちを変える為に。

話し下手の男性が、女性を笑わせることができないと悩む気持ちは理解しやすいでしょう。

ただ、その先が少々難解。

何やら男性は、女性と一緒にいる時間に対してお金を払っているようです。

具体的な方法はわかりません。

とにかく時間を買えば、女性と一緒に過ごすことができる為、その間に愛してくれるようになるかもしれない。

そういう目論見であることは女性に見透かされているという話です。

例えば女性はレストランで働いていて、男性がお金を払って食事をすると注文をする際などに会話ができる。

そんなシチュエーションでしょうか。

お金では買えないもの

I find the way
to have you here.
But you don't like that.
You're not going to stay here.

出典: Still there?/作詞:山路洸至 作曲:山路洸至

僕は君がここにいる方法を見つけた。

だけど君はその方法が好きじゃない。

君はここにとどまるつもりはない。

恐らくあれこれ想像を膨らませてほしいという意図で、場所が特定されていないのではないでしょうか。

その為、レストランに限らず、自由にイメージしてもらいたいところです。

いずれにしても男性は、女性が「ここ」にとどまる方法を見つけたとか。

場所が判明しない以上、「そこ」と「ここ」は別なのか、同一なのかもわかりません。

あえて場所にはこだわらず、とにかく女性と一緒にいることと解釈しても、女性は男性の近くにとどまりません。

男性はお金さえ払えば女性と一緒にいられると考えたものの、女性はそのやり方が嫌なので「ここ」にはいない。

そんな流れです。

愛はお金では買えない。

それだけの話という雰囲気も漂いますが、何しろ男性はコミュニケーション能力に問題ありという設定です。

せっかく見つけた、女性と一緒にいる方法もまるで役に立ちませんでした。

それでも僕が「そこ」にとどまる理由とは?

男性が感じるもの

the engy【Still there?】歌詞を和訳して意味を解釈!「そこ」にとどまる理由を紐解くの画像

I'm feeling this.
Feeling this.
I don't know.
Are you feeling a same shit
as me?
Feeling this.
Feeling this
You've got me wrong.
But I don't blame it on you.

出典: Still there?/作詞:山路洸至 作曲:山路洸至

僕は「これ」を感じる。

「これ」を感じるんだ。

わからない。

君は僕と同じものを感じるかい?

「これ」を感じる。

「これ」を感じるんだ。

君は僕のことを誤解しているよ。

だけど僕は君を責めない。

切ない恋心といっても、男性はそもそも女性に相手にされていません。

そのうえ嫌がられているのにたくさん話しかけたり、お金の話を持ち出したりしています。

この男性主人公にはなかなか感情移入しにくいかもしれません。

なぜか憎めないろくでなしというより、何やら不気味な存在です。

それでも、どうしようもない人物になりきっているところがブルースの醍醐味とも考えられます。

もちろんサウンドはブルージーではなく、ファンキーです。そこへ悲哀に満ちた歌詞を重ねるというギャップ。

もしかしたら男性主人公が感じている「これ」には、音楽的なギャップも含まれるかもしれません。

歌物語としては「」と解釈するのが妥当ですが、ファンクのリズムとブルース調の歌詞によるギャップ萌え。

ブラックミュージックに対する愛、音楽愛、「これ」を感じてほしいという話こそが本音とも受け取れます。

さて、どちらが誤解でしょうか。

話し合いたい相手

And I'm talking about just...
I'm talking about just...
I'm talking about the way
you talk to me.
It's like you don't love me.
It's like you going
to leave me.
I wish I could tell you
“Baby, there's nothing
to worry about now”

出典: Still there?/作詞:山路洸至 作曲:山路洸至

だから僕が言いたいことは…。

ただ言いたいことは…。

君が僕と話す方法について。

君は僕のことを愛していないみたい。

僕から離れようとしているみたいだ。

僕は君に言いたい。

「今、心配することはないよ」と。

恐らくこの曲の歌詞にじっくり耳を傾けた方は、登場人物の女性のように男性から離れたくなったことでしょう。

それでもこの曲を作詞作曲したthe engyの山路洸至さんは、どうにかあなたと話し合いたいと考えている。

そう解釈してみます。

どれほど相手にされなくても、英語ばかりで何を歌っているのかわからなくても、音楽として楽しめば大丈夫!

「そこ」にも「ここ」にもthe engyらしい音楽スタイルで居続ける。そんなメッセージと受け取りました。

つまり、僕が「そこ」にとどまる理由は、これがthe engyらしさだから。

主人公の男性が不気味であるほど、ブルースとファンクの融合が際立つという解釈でした。

そう考えると、確かに心配はなくなったのではないでしょうか。

最後に