2人の関係は?
まずは2人の関係から見ていきましょう。この楽曲のテーマは「別れ」です。
そのことから、2人は親しい関係であること分かります。
一緒に住んでいた
あなた宛ての郵便がまだ
ぽつりぽつりと届きます
出典: ただいま/作詞:いしわたり淳治 作曲:松村崇継
冒頭の歌詞から、2人は一緒に住んでいたと考えることができます。
彼宛ての郵便物が届いていることから、彼は彼女の家に住所を移していたのでしょう。
一時的な同棲なら、家の住所は移さないはずです。
住所を移しているので、結婚を前提として同棲を始めたもしくは同棲期間が長いと推察することができます。
歌詞の2行目からは、彼が家を出てそんなに日は経っていないことが分かります。
2人は結婚を考えていた
去年一緒に旅行に行った
長い休みがまた来ます
「次は君の生まれた町が見たい」と
約束してたのに
出典: ただいま/作詞:いしわたり淳治 作曲:松村崇継
一緒に住んでいることから、2人は夫婦ではないかと考えることもできるでしょう。
しかしこの歌詞から、2人は結婚していないことが分かります。
夫婦なら、結婚の挨拶をするためにお互いの実家へ行っているはずです。
歌詞の3行目にある「見たい」というワードがあるので、彼は彼女の生まれ育った町を知らないのでしょう。
もしかしたら、2人は結婚の約束をしていたのかもしれません。
歌詞の1行目にある「去年」というワードから、2人の交際期間が1年以上であることも分かります。
1年以上の交際を経て結婚するカップルもいるので、2人は結婚を意識していたと考えるていいでしょう。
彼は彼女の親へ挨拶をするために、彼女の生まれ育った町へ行きたいと言ったのではないでしょうか。
見慣れない景色
別れと同時に、その人のことを忘れることができたらどんなにいいでしょうか?
忘れたいと思う相手であっても、共に過ごした時間を忘れることは難しいです。
とくに同棲をしていた場合、部屋の中には相手がいた痕跡があり、忘れるのは大変でしょう。
この楽曲の彼女も、彼のことを忘れることができません。
気持ちを沈ませる明かり
ドアを開けて点けた明かりが
今日もこの胸を暗くする
出典: ただいま/作詞:いしわたり淳治 作曲:松村崇継
彼はいつも家で彼女の帰りを待っていたのでしょう。
玄関を開けると部屋の中には電気がついていて、彼が出迎えてくれる。
この歌詞からは、そんな光景が浮かんできます。
しかし彼はいなくなり、部屋の中は暗いままです。
明かりをつけながら、彼女は改めてそのことを感じるのです。
ほっとひと息つけるはずの明かりが、彼女の心を沈ませます。
たった2行しかない歌詞。でもこの歌詞には、彼女の寂しさが詰まっています。
冗談であって欲しい
別れ話は冗談だと言って
ふざけた顔で驚かせて お願い
「ただいま」とつぶやいた
同じ景色にあなただけがいない
出典: ただいま/作詞:いしわたり淳治 作曲:松村崇継
この歌詞から、別れは彼が切り出したことが分かります。
彼女にとっては突然の別れ話だったのでしょう。
歌詞の1行目からは、彼女がまだ別れを受け入れられていない様子が伝わってきます。
「こないだの別れ話は冗談だったんだ。ごめんね。」
そう言って彼が姿を見せてくれるかもしれない。そう願い、「ただいま」と呟く彼女。
しかし彼が姿を現すことはありません。
歌詞の4行目のフレーズが、さらに切ない気持ちにさせてきます。
彼がいない部屋を、彼女はどんな気持ちで眺めていたのでしょうか。
彼女の気持ちを想像するだけで胸が締め付けられてきます。