ここでは、新しい恋へと気持ちを切り替えなければと悩む主人公の気持ちが語られます。

“全てを白紙に戻さなくては新しい人生には歩みだせない。”

頭ではわかっている一方で、それってとても難しいことです。

失恋直後の悲しい感情が溢れている様子が、とても丁寧に描かれます。

共感するということ

幸せになれるには気持ちを切り替えるという選択肢だけなのですが、実行するのには時間が必要です。

なかなか切り替えられない想いを、ブライアンが優しく、共感してくれています。

人って不思議なもので、自分の思いを他人が代弁してくれると、それだけで気持ちがふっと軽くなります。

まさにこの曲にはそんなパワーがあるのですね。

失恋から立ち直って欲しいと願うブライアンの優しさが垣間見えます。

本当は心は空っぽじゃない

I hang my head and I advertise
A soul for sale or rent
I have no heart, I'm cold inside
I have no real intent
僕の魂を売るか貸すって
広告を出すよ
もう心はない、とても冷たいんだ
本当の愛はもうないんだ

出典: Save Me/作詞:Brian May(QUEEN) 作曲:Brian May(QUEEN)

ここでも悲しい気持ちがひたすらに綴られます。

歌詞がどんどん詩的な要素を強めていくのにも注目です。

“からっぽな自分になってしまった”と嘆く主人公。

しかし、そんなのは本当は嘘なんです。

本当に心がない人間は、まず悲しみなんて感情も起きません。

失恋してこんなにも悲しむ主人公は、本当は新しい恋を始められる人。

それだけの温かい心を持っている人です。

それがわかっているからこそ、その気持ちに寄り添う内容を、ブライアンは書いたのでしょう。

1回悲しみを受け止めないと、そして区切りをつけないと、次には進めないのだと彼は知っているのです。

この曲を捧げた友人、そして全ての失恋で悲しんでいる人々に、彼はどこまでも寄り添います。

現実と向き合うこと

Save me Save me Save me
I can't face this life alone
Save me Save me Oh...
I'm naked and I'm far from home
助けてくれよ
こんな現実と向き合えないよ
助けてくれよ
僕は空っぽで、居場所がないんだ

出典: Save Me/作詞:Brian May(QUEEN) 作曲:Brian May(QUEEN)

曲中で3回繰り返されるこの歌詞

“現実に向き合えない”と悲観する主人公の気持ちが、歌われます。

でも悲しい気持ちっていつまでも続くわけではありません。

きちんと向き合うことで、良い思い出として残していくことができます。

ブライアンがこの悲しい歌詞を繰り返した理由。

それは、今この歌を通じて悲しいの感情を出しきって欲しい考えたからでしょう。

一度悲しみを出すことで、気持ちは新しい未来へとうまく切り替えることができます。

この曲を聴いて一緒にたくさん泣こう。

思いっきり悲しもう。

そうすることで、君にはしっかりと立てる力があるんだよと励ましてくれています。

失恋直後の友人に寄り添う、どこまでも優しい彼の性格が表れた楽曲です。

ブライアンが伝えたかったこと

別れてから気づくこと

失恋の悲しみをおった友人へ捧げた本曲。

別れた直後の気持ちを、詩的にそしてどこまでも寄り添うような形で歌っています。

それでは、別れてから気づいたことはなんだったのでしょうか?

1つ目にはもちろん、ぽっかりと空いてしまった悲しい気持ちでしょう。

この曲ではいかに自分が悲しく、辛いのかということが、優しい言葉で歌われます。

2つ目は、失恋から立ち直り新しい未来へ歩ける力を持っているということです。

この曲はただ嘆いているだけの曲ではないのです。

失恋の悲しみは、いつまでも続くものではありません。

止まない雨はないのです。

悲しみは消化され、新しいさらなる大きな幸せは掴めるということ。

前を向いてくパワーがあることに気づくことができるのです。

本曲では、これらの気づきが描かれているのです。

優しい心遣い

ここまで読まれた方は、ブライアンの想いがお分かりになったのではないでしょうか。

自分の気持ちを前に向かせるために、悲しむことはどうしても必要な過程です。

この曲では、その辛い過程を一緒にしてくれているのです。

優しい性格で知られるブライアン・メイ。

彼は辛い人に寄り添い、新しい未来へと気持ちを持っていく、そんな手助けをしてくれたのでしょう。

“悲しいときは泣けばいい。この曲を聴いて、思いっきり泣いていいんだよ。元気を出して、一緒に前を向こう。”

そんなブライアンの温かい心遣いが伝わってきます。

たくさんのパワーを、彼は曲を通じて届けてくれました。

最後に