曲にまつわるあれこれ
有名なMVが受けた賛否
「I Want To Break Free」はアルバム「The Works」に収録された一曲。
曲自体はもちろんですが、クイーンのメンバー全員が女装して出演したMVも有名です。
これは元々イギリスのテレビドラマをパロディとして取り入れた作品でした。
クイーンのドラマー、ロジャー・テイラーの発案だったといいます。
そのため、イギリスでは「大ウケ」だった様子。
一方、当時は女装に対する偏見が激しかった時代。
アメリカではMTVが放送禁止にするといった措置もとられました。
人々のテーマに、しかし…
また、タイトルを直訳すると「自由になりたい」。
そこから、南米などで圧政に苦しんでいた人々には賛歌として親しまれていました。
しかしだからこそ、そういった人々からはその装いは批判の的になってしまったようです。
ワークスツアーの頃は、ライブでもフレディはミュージック・ビデオのように女装して歌うこともあった。しかし「自由への賛歌」としていた国々の観客からの評判は思わしくなく、これを見た観客に石を投げられ、即座に女装を脱いだというエピソードも残っている。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/ブレイク・フリー_(自由への旅立ち)
自由になりたい!
自由を求めているのは
I want to break free
I want to break free from your lies
You're so self satisfied I don't need you
I've got to break free
God knows, God knows I want to break free
出典: I Want To Break Free/作詞:John Deacon 作曲:John Deacon
軽快なリズムと共に繰り返される、タイトルと同じフレーズ。
和訳してみると、冒頭からやや不穏な言葉が並びます。
自由になりたい
君の嘘から自由になりたい
独りよがりな君なんか、僕はいらないよ
僕は自由にならなきゃいけない
神様は知ってる、僕が自由になりたいんだって
出典: I Want To Break Free/作詞:John Deacon 作曲:John Deacon
神様が知っているということは、主人公は強い祈りを捧げてもいるのでしょう。
「自由になりたい」と。
何から自由になるのか。
その対象は「君」のようです。
新しい恋、しかし…
I've fallen in love for the first time
And this time I know it's for real
出典: I Want To Break Free/作詞:John Deacon 作曲:John Deacon
恐らくは恋人だった「君」から離れ、自由になりたいらしい主人公。
そんな彼は、新たな恋を見つけます。
僕は恋に落ちたんだ
初めて恋に落ちたんだ
そしてこれが現実だって実感してる
出典: I Want To Break Free/作詞:John Deacon 作曲:John Deacon
新たな、そして真実の恋が見つかったからこそ、「君」と別れたい。
そして現在の恋を「初めて」と表現しているところから推察される彼の思い。
「君」との関係は恋愛ではなかったと言っているかのように聞こえてきます。
そう解釈すると、ずいぶん勝手な主人公のように思えますね。
しかし彼は終始「別れたい」ではなく「自由になりたい」という言葉を繰り返すのです。
その真意とは、何なのでしょうか。