出だしから、キレイな声です。
さぁ行くぞ!という気持ちになれますね。
空欄を埋め 完成した定理
正しい筈なのに
ひらりひら からまわる
未来は歪で
僅かな亀裂から いくらでも縒れて
理想から逸れていくんだ
出典: https://twitter.com/torikara_hitotu/status/918261628780425216
とにかく言葉選びが上手なことに驚きます。
高校生らしく解答用紙を埋めつつも、「ひらりひら」と儚げな表現を使っています。
難しい漢字が多く使われますが、そこはどの楽曲の歌詞にも見られますので、彼女なりのこだわりでもあるのでしょう。
未来を不安に思う気持ちや、理想通りにうまく運ばないもどかしさが伺えます。
ぬるま湯が
すっと冷めていく音がしてた
道を変えるのなら
今なんだ
出典: https://twitter.com/torikara_hitotu/status/918261628780425216
ぬるま湯が冷める「音」とは?
ここは興味を引かれます。
人によって、それぞれ思い浮かべる擬音は違うのでしょう。
だからこそ、ここではあえて「◯◯と聞こえた」とは歌われていないのです。
聴く人の想像力を掻き立てられますね。
そして、そのタイミングが「道を変える」タイミングだと思ったのです。
こんなレプリカは いらない
本物と呼べるものだけでいい
捜しに行くんだ そこへ
出典: https://twitter.com/torikara_hitotu/status/918261628780425216
レプリカ──複製品や模造品ではなく、「本物」と呼べるものだけを欲して、捜しに行こうとします。
しかし、すぐにこんなつぶやきも。
「でもそれは 良く出来たフェアリーテイルみたい。」
出典: https://twitter.com/mg1live/status/933664158138097664
なんだか自虐的で切なくなります。
そして2番の歌詞へ。
答えの消えた 空欄を見つめる
埋めた筈なのに
どうしても 解らない
綺麗な花は大事に育てても
遠慮ない土足で
簡単に踏み躙られた
出典: https://twitter.com/Mikotium/status/867744549199724544
せっかく育てた花が土足で踏み躙られる様は、なんとか答えを埋めた筈の回答欄が空欄になってしまっている時のショックと、感じる気持ちが似ているのかも知れません。
発見した時の衝撃は、とても大きかったと察することができます。
降り積もる白に
小さな芽 覆われてく
遠い遠い春は
雪の下
出典: https://twitter.com/SurvivorMission/status/831487538657255424
雪が降り始めたのですが、あえて「雪」ではなく「白」と表現しているところが、答えの消えてしまった空欄を表しているようです。
雪の下にある遠い遠い春が見たい。
偽物の「はるもどき」ではなくて。
見えないものはどうしても
記憶から薄れてしまうんだ
探しに行く場所さえも 見失う僕たちは
気付かず芽を踏む
出典: https://twitter.com/torakichi89i3/status/884766557213147136
ずっと会わない人を忘れてしまうように、しまったままの宝物を忘れてしまうように、見えないものも記憶から薄れてしまうという自然の摂理。
どこに捜しに行けばいいのかさえも忘れてしまって、気付かずに大切な芽を踏んでしまうのです。
この後も少し哀しい歌詞が続きますが、最後は気付くことができたのかも知れません。
「ありがとう 小さな芽 見つけてくれたこと。」
君はつぶやいた
出典: https://twitter.com/Toru023/status/716732434939654144
……救われた気がします。