自分で選んだ道さえも、本当に自分が進みたかった道なのかわからない。
自分で自分がわからない闇の中。
突然、嵐のような風が吹いてきます。
強い風がすべて自分を傷つけるものとは限りません。
この風は、居所を探している風。
寂しくて寂しくて抱きしめられたいと愛を欲している風。
それは誰かから送られてきたメッセージか、自分が送ったものかもしれません。
どこかに暖かい場所はないかと探しあぐねて、さまよい続ける「愛」。
弱い人も強い人も同じ
弱き者 汝の名を名乗れ しなやかに
強き者 汝の名を名乗れ ささやかに
みんな儚くて みんな愛しくて
振り返ってしまうから
出典: 愛だけを残せ/作詞:中島みゆき 作曲:中島みゆき
私、あなた、生きている人みんな、誰もがいつも強くはいられません。
心も体も弱る時があります。
私たちはみんな、強いけれど弱い。弱いけれど強い。
私たちの名前は、時の流れの中でいつかは忘れられてしまうもの。
「汝」は「なんじ」と読みます。「あなた」という意味です。
今はみんな名前を教えあい、呼び合い、名前のある「わたし」「あなた」として生きていこう。
時の川の中で一緒に過ごす時間はほんの一瞬の命だから。
誰へ向けての言葉?
「愛」とはなにか
愛だけを残せ 壊れない愛を
激流のような時の中で
愛だけを残せ 名さえも残さず
生命の証に 愛だけを残せ
出典: 愛だけを残せ/作詞:中島みゆき 作曲:中島みゆき
再びサビ。
ここの歌詞ではタイトルの「愛だけを残せ」が繰り返されます。
あまりにも数が多くて耳に残り、歌詞の中にこのフレーズしかないと思わせるほど印象的。
何回あるか数えてみました!
総数15回でした。
とても多く感じるのですが、6分30秒の全体の中ではそれほど多くないと言えるでしょう。
人生は予測のできないもの
思いがけない幻に誘われて
思いがけない風向きに運ばれて
出典: 愛だけを残せ/作詞:中島みゆき 作曲:中島みゆき
人生は予測不可能です。
どんなに細かく計画を立て、段取りよく進めてもすべてがダメになることもあります。
その逆に、何をやってもダメだ、もうおしまいだと思った時。
暗闇の中に光が差すようなできごとが起こることもあります。
自分の思いとは違った流れに乗って、自分の人生が進んでしまう時。
とても辛い時もあれば、思いがけない幸運に恵まれることもあります。
自分の意思とは関係なく運ばれてしまう時の心細さ。
それでも流されて行くしかない私たち。
偶然の朝 偶然の夜
我々は何も知らされず 踏み出す
出典: 愛だけを残せ/作詞:中島みゆき 作曲:中島みゆき
「たまたま」というしかないことが起こるのが人生。
どんな暗闇の中にでも、足を踏み出すしかないのが私たち。
何があるかわからないところへ足を踏み出すのはとても恐ろしいことです。
それは、朝でも夜でも昼でも変わりません。
虫の知らせを受け取る人も、勘が働いたという人もいます。
でも、大抵の人は良い予感も悪い予感もなく、思いがけない出来事に巻き込まれるのではないでしょうか。
縁とは運命?
縁は不思議 それと知らぬ間に探し合う
縁は不思議 それと知りながら迷い合う
みんな哀しくて みんな恋しくて
立ち止まってしまうから
出典: 愛だけを残せ/作詞:中島みゆき 作曲:中島みゆき
お見合いを断る時の言葉を知ってますか?
お見合いが終わると、仲人さんが相手の返事を持ってきます。
お断りをされる時は「ご縁がなかった」。
お相手が嫌いなわけじゃない、嫌なところがあったわけじゃない。
相手を傷つけずに断るために思いついた昔の人の知恵です。
努力をしたから繋がるものじゃない。
努力をしても繋がらない時、繋がりたくないのに繋がってしまう時もある。
だからこそ、これが縁なのかそうじゃないのか、みんな迷ってしまうのです。