「voyager」と解決編「flyby」

2曲併せて俯瞰すること

BUMP OF CHICKEN【voyager】歌詞解説!通信を送っているのは誰?本日モ応答ハ無シ…の画像

○月×日
本日モ通信試ミルガ 応答ハ無シ
アナタハ ドンナニ離レテモ 君ノ心ノ 周回軌道上

出典: flyby/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

「voyager」の冒頭の「まるがつばつにち」が、「flyby」ではクライマックスに登場します。

ここでも必死の通信や発信が交信としては成就しません。

そんなときでも「アナタ」は「君」の軌道の上を周回します。

私たちの隠れた味方は自分自身だよと歌ってくれるのです。

どんなに孤独なときであっても、孤立無援であっても、味方をしてくれる自分を信じよう。

「voyager」での孤独な心の発露と呼応するような「解決編」が「flyby」なのです

この連作は共通点にあふれています。

ただし、「voyager」はアルバムの予告編的な役割を果たしている。

「flyby」はアルバムの歌たちの総集編的な役割を担っている。

「voyager」では「ワタシ」は「アナタ」の軌道の上を行きます。

「flyby」では「アナタ」は「君」の軌道の上を行くのです。

再確認すると「voyager」にはラブソング的な側面があります。

一方で「flyby」ではメッセージ・ソング的な側面があるのです。

どちらもバックの演奏はほぼ同じ。

若干の違いは発信の行方・宛先でしょう。

どちらの曲も大切なことを歌っています。

どちらか一方が欠けてしまうと全体像を俯瞰することができなくなるので注意が必要です。

発信という交信への希望

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孤独の淵での発信。

交信を願っての叫び声

しかし広大な宇宙の隙間に消え入ってしまうような運命に愕然とする。

そんな想いを抱え込んだ人は自分という存在を忘れていると教えてくれるのが「voyager」と「flyby」です。

藤原基央からの、BUMP OF CHICKENからの大切なメッセージを受信して応えたい

音楽というものが交信の一形態であることは確かなことです。

アルバム「orbital period」の最初と最後に収められたこれらの楽曲は愛しい作品になります。

彼らの本気を真正面から受け止めたいです。

そして発信された言葉に気付きたい

私たちは常時、誰かと交信するために生まれてきました

そしてときには自分の心の裏面の声に耳を傾けたいです。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

OTOKAKEとBUMP OF CHICKEN

ロック少年の成長物語

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