言葉にして伝えられない思い
言葉にならない大切なもの
見つけた言葉いくつ 繋げたって遠ざかる
今一番伝えたい想いが 胸の中 声を上げる
出典: Gravity/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
今、共に過ごすこの瞬間の愛おしさ。
君に寄せる大切な思い。
たくさんの思いを僕はうまく言葉に表せません。
どんな言葉を繋げても、何か違うような気がする。
僕の君への思いは心の中には確かにあるのに、言葉にして伝えられない。
そんな大切な思いともどかしく感じる気持ち。
大切だからこそ軽はずみに言葉にできないふたりの関係が伝わってきます。
裸足の心で過ごす今
そんなの全て飛び越えて 子供のまま笑って
裸足のメロディー歌うから いつも今を許してしまう
笑顔のまま ずるいよな
出典: Gravity/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
そんな僕に対して、子供のように笑う君。
言葉でうまく伝えられない僕に対して、君が伝えてくれたもの。
それは笑顔であり、歌でした。
僕の葛藤を軽々と飛び越えるように。
「子供のまま」「裸足の」という言葉から、君の飾らない姿が見えてきます。
言葉を持て余す僕、言葉ではないもので伝えてくれる君。
ふたりの思いは同じなのでしょう。
そんな君の伝え方に、僕は何だか流されて許してしまう。
君の在り方が愛おしくも、少し妬ましくもあって。
ずるいと感じてしまうのは、そんな僕の感情なのです。
いつか終わる魔法の中で
今のままではいられないとしても
いつの日か どっちかが遠くに行ったりして
会えなくなったりするのかな 今が嘘みたいに
じゃあまた会えた時 今みたいに
黙ったままで側にいられるのかな
出典: Gravity/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
これといった会話もないまま一緒にいられる僕たち。
少しもどかしくて、けれど一緒にいることが心地いい。
そんな時間が永遠に続くものではないことを、僕も君もわかっているのでしょう。
今の時間はいつか終わっていく魔法のようなもの。
例えば学校を卒業して遠くに進学したり、社会に出たり。
そんな風にして僕たちを巡る環境は変わっていくのでしょう。
そしてそうなった時、今こうやって過ごしている時間を振り返って嘘みたいだと感じる。
大人になった多くの人には経験があることかもしれません。
学生だったころ。
何も話さなくても一緒にいるだけで楽しかった。
毎日が終わるのがなんだか寂しいような気がして。
大人になっていつのまにか、そんな時間があったことを思い返す。
まるで夢のような時間。
それがいつか終わり、ふたりの関係も変わってしまうかもしれない。
そんな予感を抱えたまま、ふたりの時間は続いていきます。
幼いままの心を持ち寄って
大人っぽく振る舞ったり 尖ってみせたり
刺さった時に誤魔化して 変な感じになったり
そういうの まとめて愛せるくらいに
僕らは僕らを信じられていた
出典: Gravity/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
まだ大人になりきれなかったころ。
無理して大人びてみたり、わざと悪ぶってみたり。
学生という時期はまだ自分というかたちがはっきりとしない時期です。
コミュニケーションもうまくいかなくて変な風にすれ違ったりして。
そんな試行錯誤を繰り返す日々。
大人になって思い返せば、恥ずかしくも愛おしい時間。
そんな時間を共に過ごして、失敗も未熟も一緒に大切にできる。
そう思えるほど一緒にいるのが自然で大事だった僕ら。
けれど過去形で語られていることに注目します。
思い返す僕にとって、その時間はもう過去のものなのかもしれません。