楽曲「ナウなヤングにバカウケするのは当たり前だのクラッ歌」
アルバム『tamago』収録
「ナウなヤングにバカウケするのは当たり前だのクラッ歌」はアルバム『tamago』に収録されています。
こちらは2015年5月にリリースされました。
ギターを弾きながら奏でるメロディーは昔懐かしいフォークソングのようにも思えます。
フレッシュなアーティストでありながらどこか哀愁漂う雰囲気もあるあいみょん。
そんな彼女の笑えるけれどメッセージ性のある作品がこの楽曲なのです。
死語だらけの独特な楽曲
この楽曲の1番の注目ポイントはやはり"死語だらけの歌詞"ではないでしょうか。
現代の若者にとってはほとんど意味が分からないものばかりかもしれません。
歌詞の中には未だに名残があるものもあれば、全く聞かないものまで様々な言葉があります。
でもちょっと前の日本では当たり前に使われていたものばかりなのです。
年月が経つにつれて日本語のニュアンスも徐々に変化していきます。
今当たり前のように使っている流行語も数十年後には死語と呼ばれているのかもしれませんね。
業界用語炸裂の歌詞をチェック
ここからは「ナウなヤングにバカウケするのは当たり前だのクラッ歌」に登場する死語を解説します。
懐かしい…と感じるかもしれないし、初めて聞く言葉もあるかもしれないですね。
バブル時代の業界用語
ザギンで見かけたアベックの
女はパイオツカイデーだったな
リーマン今日もよそよそしい
タイミング見計らってドロン
ギロッポンで久しく合コン
5人中3人アウトオブ眼中
それに明日も早いもんで
お先にテクシーでアディオス
出典: ナウなヤングにバカウケするのは当たり前だのクラッ歌/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
バブル時代に業界用語としてかつてよく使われていたのが前後を入れ替えた言葉です。
ここだと"ザギン"は"銀座"で"リーマン"は"サラリーマン"、"ギロッポン"は"六本木"のことを表しています。
そして"パイオツ"は"オッパイ"、"カイデー"は"デカイ"です。
知らない方にとっては何の呪文だろうかと思ってしまいそうですね。
"アベック"は"カップル"という意味があります。
ニュースなどでアベック優勝という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
男女ペアが優勝すると未だにアベックという言葉が使われています。
そして"ドロン"というのは、忍者が消える音が語源となっている言葉です。
忍者が消える=姿をくらますなので、先に帰るときなどに使用されました。
"合コン"は今でも比較的使われていますが、"合同コンパ"の略語です。
今は男女問わずに普通に飲み会と表現する人が多いかもしれませんね。
"アウトオブ眼中"というのは英語の"out of"が語源となっています。
つまり、眼中にないことを英語混じりで表現した造語です。
この歌詞のストーリーで例えると、合コンに眼中にない女の子がいた…というわけですね。
"テクシー"というのはタクシーの誤字ではなく、徒歩でテクテク帰ることをもじった言葉なのです。
序盤の歌詞を拾っただけでこんなにも死語と呼ばれる言葉がたくさんありました。
昔の人はかなりユーモアに溢れていたことがよく分かります。
イケイケなナンパ
するとまさかのあの女優に
クリソツなちゃんねーロックオン
「ヘイ彼女 お茶しない?」
声をかけたらキモイと言われた
アイムソーリーヒゲソーリー
出典: ナウなヤングにバカウケするのは当たり前だのクラッ歌/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
"クリソツ"も先程の業界用語のように前後が逆になった言葉なので逆さにすると"ソックリ"になります。
"キモイ"は今でもなんとなく使われていますがおそらく皆さんご存知の通り"気持ち悪い"の略語です。
最後の"アイムソーリー〜"の部分は単なるダジャレになっています。
語尾が同じなのでラップ感覚で楽しいかもしれません。
"〇〇総理"と当時の総理大臣の名前を付け足していた人もいたみたいです。
面白い言葉でしたが、今ではほとんど聞くことがなくなってしまいました。