虜にされたあなたの美しさを表現する言葉が素敵です。
目の中に一杯に浸された青色の湖のような瞳ということでしょうか。
日本人はよく「黒目がちな女の子」というような言葉を使うことがあります。
意味的には似ているのでしょうか。
この歌詞の中では青い色で一杯のきらめく目元を想像できます。
猫の目のように宝石のような輝きがあるのでしょうね。
そして恋に狂った私はあなたを独り占めしたいのです。
底なしの愛が欲しい。
あなたがどんなに私を求めてくれて愛してくれてもまだ足らない。
満足できないと言っています。
Outta control,
What can I do?
I'm addicted to you!
どうやって正気を保てばいいの?
あなたに夢中
出典: Addicted To You/作詞:Tim Berg,Ash Pournouri,Mac Davis,Josh Krajcik 作曲:Tim Berg,Ash Pournouri,Mac Davis,Josh Krajcik
このあたりから私の本当の狂気が見えてきます。
本人ですら自分に怯えているのですから。
誰しも恋をすれば盲目的にはなります。
ただ度を越えた情熱は収束できないエゴイストになる危険をはらんでいます。
映画の主人公のように犯罪さえも欲望を満たすための手段になってしまうかもしれません。
まさに破滅へのノンストップの旅路が加速し始めます。
孤独の渦の中
Midnight blows in through the window,
Dances round the room...
Got me hypnotized,
I'm getting high on the perfume.
真夜中窓から入る風は
部屋の中で踊り狂う
甘い香りの中でハイになる私は
あなたの思うがまま
出典: Addicted To You/作詞:Tim Berg,Ash Pournouri,Mac Davis,Josh Krajcik 作曲:Tim Berg,Ash Pournouri,Mac Davis,Josh Krajcik
窓から入り込む激しい風は私の激情を擬人化しているようです。
芳しい喜びの中この恋はピークを迎えます。
あなたの望むことならなんだってできる。
厭うことなど何もありません。
激しい恋の炎はこの世の秩序など一瞬で溶かしてしまうほどです。
I couldn't live without you now,
Oh, I know I'd go insane,
I wouldn't last one night alone baby,
I couldn't stand the pain!
もうあなたなしでは生きられない
私が狂っていることはわかっている
一人の夜なんて終わったも同然
苦しみで立ち上がることも出来なくなる
出典: Addicted To You/作詞:Tim Berg,Ash Pournouri,Mac Davis,Josh Krajcik 作曲:Tim Berg,Ash Pournouri,Mac Davis,Josh Krajcik
片時もひとりでは居られないのです。
ひとりでいる時間には「絶望」という二文字しか浮かびません。
極限まで追い詰められた感情の中で、生と死の分量の不一致が危険な状況を生むのです。
欲望すら運命だと感じてしまったら…。
この運命の支配はみえない「時の扉」の前で翼を広げ待っているかもしれません。
どの道もう逃げることは出来ないのです。
次にまとめとして彼の生き方を通し描かれた恋の結末について考察してみたいと思います。
あらかじめ選ばれた結末
Aviciiふたつの意味
Aviciiは惜しくも2018年に自らの意志でこの世を去っています。
その理由を考えることは彼の楽曲制作のテーマを探るためにも有意義なことではないかと思います。
恋愛においても自分なりの考えを持っていたのではないでしょうか。
まずAviciiという名前の意味ですが2種類の考察をすることができます。
阿鼻地獄を意味する「アビ」という言葉をアヴィーチーと読んでつけた名前だといわれていますね。
この「avici」というのはヒンドゥー教で使われている意味と仏教で使われている意味だと少し違うのです。
私達にとっては馴染み深い仏教は元をたどればインドで信仰されていたヒンドゥー教に辿り着きます。
言い換えればインドからアジアの大陸を渡り経典の内容を少しずつ変えていきながら仏教になっていくのです。
その中でサンスクリット語の発音は残り漢字に形を変えていきました。
そしてそのヒンドゥー教で使われている地獄を「ナラカ」といいます。
その中でaviciというのは全部で28か所ある地獄のなかではそれほど苦しい場所ではありません。
刑罰としては幾度となく水のない岩肌に投げられ体を打ち付けられるようです。
そしてこの「avici」の中では人は転生できるということです。
では仏教の中での地獄ではどうかというと阿鼻地獄と言われ8か所ある地獄の中では最も苦しい場所だといわれています。
もちろん永遠に苦しみ続けなくてはなりません。
文献を見る限りでは仏教としての意味に解釈されている場合が多いようですが敢えて言わせてもらいます。
彼が行きたかった場所はここではないはずです。
彼はきっとナラカの中の「avici」から転生して戻ってきたかったのではないでしょうか?
そう思いたいのです。
恋の結末
では恋の結末はどうだったのでしょうか。
先ほども触れましたが彼の恋愛観について少し踏み込んでみたいと思います。
彼の音楽家としての情熱は一途でした。
きっとひとつのことに突き進む性格だったのではないでしょうか。
恋愛に対しても同じはずです。
一心不乱の恋を完全燃焼させていたはずですね。
そして致命的なことは完全燃焼のあとに訪れる罪悪感です。
彼の苦悩はそこにあったのではないでしょうか。
あらかじめ予測された結末の軌道修正ができないのなら、そのための準備は周到に行われなくてはなりません。
それは彼にとってのひとつの美学だったのです。
「True」が真実という意味であるように、ありのままにこのメッセージを受け取るべきでしょうか。
そしてナラカから蘇った彼がまたいつか魂を揺さぶるような曲を作ってくれることを祈っています。
今が旬のDJ~曲紹介
David Guetta feat Justin Bieber – 2U
David Guetta(デヴィッド・ゲッタ)はAviciiとの共同制作者でもありました。
まさに、油の乗り切った現代屈指のヒットメーカーです。
この曲はRemixも多く出ています。
「君のためなら何でもできるよ」といった最強ラブソングですね。
Justin Bieberのビブラートがなんとも形容しがたい魅力です。
何度でも聞いていたくなります。