旗を支える人、引き抜く人

ここに居場所は無い という涙で濡れた土の上で
倒れそうな旗をいつまでも 支え続けてる人がいる

汚れた猫が歩いていく 「行き」の道か「帰り」の道か
支えてきた旗を 今まさに 引き抜こうと決めた人がいる

旅立つ人よ その行く先を
照らす明かりは 君の中に

微かでも 見えなくても 命の火が揺れてる
歌うように 囁くように 君を信じて燃えてる

出典: fire sign/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

ここでは、2つの異なった考えを持った<人>が登場します。

  1. 他人を笑顔にする人生に自分の<居場所は無い>と嘆きながらも、<誰かの為に生きる>という<旗>を支え続けている人。
  2. 「もう、そんな人生はやめてしまおう」と、<旗>を<引き抜こう>と決めた人。

これは、どちらも<君>だと筆者は考えています。

どちらも実際に行動した人物として描くことで"このあと、君がどちらを選んでもさ……"というニュアンスを出しているように思うのです。

筆者が大切だと感じているのは、次のフレーズ。

2つの想いで葛藤している君を<旅人>に喩えた僕は言うのです。

『どっちの人生を選んだとしても<行く先を照らす明かりは 君の中に>あるだろう

目に見えない程かすかな明かりは<君を信じて燃えてる>んだ。

<旗>があっても無くても、<命の火>(=fire)を道しるべ(=sign)にして、歩いていけばいいじゃないか』と。

これって、本当に相手を信じる気持ちが無いと言えないですよね……。

ヒロくんが本当に脱退を考えていたとして、この曲を藤くんに歌ってもらったのなら、一体どんな気持ちだったんだろう。

考えるだけで、涙が出そうになりませんか。

君が信じる道を支えたい

仮に、バンドを脱退するかどうか、と悩んでいる人の物語として読んでみれば。

旗を支える、はそのままバンドでの活動を続けるということ。

旗を引き抜く、はバンドでの活動をやめ、新しい道に進むということと考えられます。

どちらの人生を選んだとしても、命の火=自分の信念を道しるべに歩いていけばいい。

どんな未来に進んだとしても、自分達は君を信じているし、応援している。

将来の進路に悩んでいるときに、幼馴染や親友、仲間からそんな想いを伝えられたら…。

思わず涙がこぼれてしまいます。

とても大切で信頼しているヒロくん。

だからこそ、藤くんもこんなメッセージを贈れたのではないでしょうか。

「fire sign」に散りばめられた仕掛けとは?

過去の楽曲のフレーズも

旅立つ人よ 声が聴こえる
「愛しい人よ あなたの中に」

星を廻せ 世界を掴め
僕らの場所は 僕らの中に どんな時も

微かでも 見えなくても 命の火が揺れてる
風を知って 雨と出会って 僕を信じて燃えてる

歌うように 囁くように 君を信じて待ってる
微かでも 見えなくても 命の火を見つける

出典: fire sign/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

「fire sign」の歌詞って今までに聴いたようなフレーズが多くない?

と感じたあなたは生粋のバンプファン!本作品の歌詞には、過去の楽曲のモチーフがたくさん使われています。

これこそ、この曲に散りばめられた仕掛けなんです。

例えば、歌詞に登場する<旗>。これは「メロディーフラッグ」のモチーフ。

『聴こえてきた泣き声が自分のものだった』という題材は、メジャーデビューシングル「ダイヤモンド」と共通しています。

<汚れた猫>満身創痍の猫楽曲「K」に登場)を思い出しますし、<僕を信じて燃えてる>命の火情熱のランプ楽曲「ランプ」に登場)かな、なんて思います。

命の火=ランプの意味とは

この最後のところ。

命の火を見つける、という表現が気になりませんか?

過去の歌詞のモチーフとするなら、「命の火を見つける」は「ランプを見つける」という意味になります。

バンプのその曲「LAMP」。

どんな曲だったか聞き直してみると、この「ランプ」が指しているもの。

それは「自分自身の夢や情熱」だということがわかります。

人のため、じゃなくて自分自身のため。

藤くんがこのメッセージをヒロくんに送ったというのはすごいことです。

当時、大学の研究室に進む進路もあったといわれているヒロくん。

今でこそバンプは大人気のバンドですが、正直バンドとして成功する人は多いわけではありません。

バンドを脱退し、大学を卒業して就職して、社会人として生きる。

そんな生き方もある…いや、そんな生き方の方がずっと家族にも周りにも心配をかけないでしょう。

そんな岐路に立ち悩んでいるヒロくんに藤くんが送った歌。

そのキーワードが「ランプ」なのだとしたら。

きっと、藤くんは「自分やバンドのために残ってほしい」ではなく。

ヒロくんが信じる道を進んでほしい

どんな道でも、自分たちは応援する。

たとえ脱退したとしても、ずっと見守るし応援している。

そんなメッセージを込めていたのではないでしょうか。

ヒロくんの優しさに応えるような優しさ

その想いが伝わったからこそ、ヒロくんはこのバンドと共に歩んでいこうと決めたのではないか。

4人の絆の深さに改めて感動してしまいます…。

優しく仲間たちを支えてきたヒロくん。

その優しさに誰よりも気づいていた藤くん。

そんなバンプの中に流れる優しさは、バンプの音楽の中からも伝わってくる気がします。

ライブでfire signが愛される理由もここにあるのではないでしょうか。

進む道に迷ったとき、自分のやってきたことが報われなくて悲しいとき。

ちゃんと、その優しさを見てるよ。

どんな道に進んでも、君を応援するよ。

そんなメッセージが込められているからこそ、この曲に励まされ、癒される。

バンプの優しさと信じる力の強さが、リスナーの心も支えて励ましてくれます。

だからこそ、シングルカットもタイアップもなくても、名曲として人気を集めるのです。

ヒロくんこぼれ話

そんな優しいヒロくん。

実はこんなエピソードが存在しています。

お笑いコンビ、オードリーの若林さんがラジオで話していたエピソードです。

ある日、馴染みの洋食屋がもうすぐ店を閉めるという話を聞き、最後に食べに行ったときのこと。

お店は混雑しており、相席になった若林さん。

その時に隣にいたのが、どことなくオシャレな雰囲気の男性でした。

何を隠そうそれがヒロくんだったのです。

とても優しくやわらかい、話しやすい雰囲気だったというヒロくん。

若林さんと自分の注文していたエビを分け合い、パスタもシェアして会話も弾んだそう。

最後にはさらりとテーブルの分の代金を払い、また飲みましょう、と話して別れたそうです。

ラジオのトークで、いい人だった、と語る若林さん。

ヒロくんの人柄の良さ、優しさや気の利く一面が伝わってくるようなエピソードです。

なんだか聴いているだけでほっこりしてしまいます。

そんなヒロくん、藤くんやメンバーに愛されているのも納得です。

最後に……

【fire sign/BUMP OF CHICKEN】ヒロの誕生日に捧げた曲!歌詞の意味に感動…!の画像

BUMP OF CHICKEN「fire sign」はいかがでしたか?

筆者が言うのも大変おこがましいんですが、こんな素敵な誕生日プレゼントを貰ったヒロくんはBUMP OF CHICKENでよかった」って思えたんじゃないでしょうか。

もちろん、こんな素敵な曲を聴けた筆者はBUMP OF CHICKENのファンで良かった!!

そんな想いを共有できる楽曲だからこそ、「fire sign」は人気曲であり、ライブでも定番の曲なのかもしれませんね。

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