切ないボカロ曲

音楽では明るい曲やかっこいい曲、聴いていて心が躍るような曲もあれば、思わず涙が出そうになる切ない曲も一定の割合であります。

それは、「ハイテンポで賑やかな音楽」という印象を持たれがちなボーカロイド楽曲でも同じです。

ボーカロイドの透明感ある歌声は、そこに良質なメロディや歌詞が乗せられることで感動的な名曲をたくさん生み出してきました。

そんな、「泣ける切ないボカロ曲」を15曲、厳選して紹介していきます。

ボーカロイド=無感情?

コンピューターソフトによる合成音声である「ボーカロイド」は、その歌の裏に人間がいないことから「無感情な歌声」という評価をされることもよくあります。

そこは個人的な考え方・感じ方なので人それぞれですが、「ボーカロイド曲=無感情」という図式は必ずしも常に成立するとは限らないのではないでしょうか。

ボーカロイドの歌声にはそれぞれのボカロPが独自の技法で細かい調整を入れていて、よく聴くとそこには様々な違いが表れています。

それは、歌手が試行錯誤して自分自身の表現を生み出そうとするのと同じではないでしょうか。

そんな部分まで意識しながら、是非ここで紹介する曲を聴いてみてください。

切ない楽曲の多いボカロP

ボーカロイドの魅力の1つは、作り手であるボカロPによってさまざまなジャンルの楽曲を楽しめることでしょう。

数多くのボカロPの中には切ない楽曲を多く手がけるボカロPもいます。

例えば、ヨルシカとしても有名なn-bunaは不思議な雰囲気の中に切なさが漂う楽曲を多く発表しています。

さらに、思春期の不安や友情などを見事に表現した楽曲の多いカンザキイオリも、心に響く歌詞が印象的なボカロPです。

次から紹介している楽曲の中にも、n-bunaやカンザキイオリの楽曲が含まれています。

楽曲を制作したボカロPにも注目しながら、楽曲をチェックしてみてください!

泣けるボカロの名曲15選

supercell「初めての恋が終わる時」

「初めての恋が終わる時」は、今やボカロ界の枠を越えて人気クリエイターユニットとなったsupercellの初期の代表曲です。

supercellの中心人物・ryo氏の音楽の特徴はキャッチーなメロディと情景が思い浮かぶ歌詞ですが、この曲はその両方の魅力が存分に発揮された名曲となっています。

その歌詞では初恋の人と別れるシーンが、その場所の景色や肌に当たる冷たい空気、頬をつたう涙の温かさまで伝わってくるような臨場感を持って描かれます。

胸が締めつけられるような切なさ・寂しさが感じられて、思わず涙してしまう名曲です。

MVのイラストは、supercellの代表曲の1つでもある「恋は戦争」と同じ三輪士郎氏が描いています。

モノクロで描かれた初音ミクの切ない横顔から流れる涙。

これが楽曲の切なさを引き立てているので、MVもチェックしてみてください。

supercell (通常盤)
supercell feat.初音ミク
Sony Music Direct(Japan)Inc.(SME)(M)

n-buna「花降らし」

バンドヨルシカのコンポーザーとしても注目を集めるn-buna。元々はボカロPとして人気を集めていった彼の代表曲のひとつが「花降らし」です。

切ないメロディーとどこかノスタルジックなサウンドが印象的なこの曲では、歌詞で描かれる、花びらが舞う中で踊る少女の姿が鮮明に思い浮かびます。

曲のテーマとなったのはアンデルセンの童話「赤い靴」。意味深で切ないこの物語のストーリーを知ってから歌詞を見ると、その中で描かれる景色の意味が分かってさらに感動できます。是非、原作となった物語がどんなものかも調べた上で聴いてみてください。

和田たけあき「わたしのアール」