心配ないよ わかってるから
貴方のその不安もさ
偉大な人にも寄り添ったものだから
時間は刻々と過ぎては去っていくけども
秒針は皆平等らしい

出典: スターダム/作詞:大森元貴 作曲:大森元貴

【スターダム】最初のサビパートでは、Mrs. GREEN APPLEからのエールを受け取ることができます。

ここまでは、「僕」を中心に歌詞が展開していました。

サビでは新たに「貴方」が登場し、誰もがそこに自分の姿を反映させやすくなっています。

偉大さを持つ人だって同じ悩みを抱えてきた

過去の偉人たちもまた、その偉大さゆえに敬遠されてきた場合もあります。

誰かよりも優れていることは、時に不安や孤独を生むものなのでしょう。

そんな人たちですら不安を抱えてきたんだからと、歌詞肩を叩いてくれるようです。

そう感じるのも仕方ない、貴方は大丈夫だと、安心させてもくれます。

ささやかな毎日は秒針のように時を刻む

脚光を浴びる日々は、瞬く間に過ぎていきます。

あっという間に去ってしまった慌ただしい時間を顧みて、心に穴の開く気がするかもしれません。

大きな時間の流れはそうであったとしても、秒針が切り取る時間はどうでしょう。

細い秒針は一秒ずつ、着実に時を刻んでいます。

細かく刻まれる時間はさながら、ささいな毎日のように感じられます。

あれこれ悩むことも含めて、そういう時間を過ごしていくことが重要なのでしょう。

日が昇って沈むまでの一日は、誰にだって平等に訪れます。

そこでは自分が特別かどうか、特別であることの悩みも、あまり関係はないはずです。

そういうことらしいよと言うのは、そこに「僕」の実感がないからかもしれません。

頭では分かっていてもそうできない、彼の苦悩が見て取れるような気もしますね。

不愛想になるのも難しい

兎にも角にも理想の世の中は
人に愛想を良くせず困る
ならばコチラも嫌ってみよう
試みたものの心折れた

出典: スターダム/作詞:大森元貴 作曲:大森元貴

ちやほやされるのに飽きたなら、いっそ不愛想になってみるという方法もあります。

そもそも理想的だっていわれる世界は、他人に無関心でよそよそしかったりもします。

だったらなおさら、自分だってそうしてみようと思い立つのですが…。

結果は散々。

人気者は、不愛想になることも難しいようです。

それはどこかで、スターダムを失いたくないという無意識な気持ちの表れともいえます。

上手く行き過ぎるのも時にはよくない

着々じゃ無茶苦茶になって
どちらとも付かずスカスカスッカラカンね
待ちわびたあの日が来たって
達成をしたって気付くの

出典: スターダム/作詞:大森元貴 作曲:大森元貴

物事が着々と進めば、ストレスもなく快適に感じられることが多いですね。

叶えたい夢でもあるなら、なおさら順調であることの方が望ましくもあります。

しかし、何もかもが上手くいってばかりでいいのでしょうか。

障害なく物事が前に進むことが、果たして最善といえるのでしょうか。

悩み迷ってこそ、新しい道が開けるということもあるはずです。

そういう経験なくスターダムにのし上がると、中身のない人間になってしまうかもしれません。

そんな状態で、夢が叶ったことに気付けるのでしょうか。

これは人気者となった先人である「僕」からの、大切なメッセージなのかもしれません。

自分と同じ轍を踏むなという、警告にも思えます。

すべてが順風満帆とはいかない

Mrs. GREEN APPLE【スターダム】歌詞の意味解釈!秒針は何を表す?不安でも生きる真意とはの画像

何をするべきなのかは
葛藤しながら 僕らは舵をとる
時には大切なものを忘れるんだろう
その時はちゃんと叱って欲しい ah-ah

出典: スターダム/作詞:大森元貴 作曲:大森元貴

二度目のサビパートです。

まずは、一度目のサビと同じ歌詞からスタートします。

それに続くのは、どこかもどかしさを感じさせる内容です。

どう行動すればいいか分かっていても、それを思ったように実行するのは難しいものです。

いろいろ考えて葛藤して、自分の進むべき道を決めなくてはなりません。

その過程では、一体何のためにそうしていたのか、本質さえも忘れることがあります。

その時には誰か、引っ叩いてでも引き戻してくれるような、そんな存在がほしいですね。

人気者には誰もが甘くなりがちで、間違ったことでも大目に見てしまうことがあるのでしょう。

それは場合によっては、その人を腐らせてしまうことにもなりかねません。

迷いながらでも前に進むから、間違えた時には叱ってくれる人がほしい。

あるいはそういう人を持つべきだという、「僕」からのメッセージかもしれません。

スターダムに上りつめたジレンマ