切ないバラード「桜雨」
「桜雨」は、2010年に発売されたJUJUの12枚目のシングルで、切ない失恋をテーマに歌い上げたバラードです。
歌詞の中にはタイトル通り、美しい桜を背景に「雨」が重要な役割をもって何度も登場します。
「桜」の時期に「雨」という情景は、少し珍しい印象がありますね。
春めく季節と雨の組み合わせが物語るものは何なのか、歌詞の意味を徹底的にご紹介します!
「桜雨」の歌詞をチェック!
それでは早速、「雨」のフレーズに注目しながら、歌詞の内容を見ていきましょう!
ふたりで歩いた 川べりの道を
ひとりで歩く 三年ぶりに
すこし速すぎる わたしの背中を
きみの口笛 追いかけてたね
出典: 桜雨/作詞:Kiyoshi Matsuo 作曲:Jun Nakamura
主人公は彼と別れて3年が経った今でも、想いを断ち切れないでいるようです。
ふたりで歩いた道を、今はひとりで歩いている情景が何とも切ないですね。
いつもは自分が早く歩いて、後ろから聞こえる口笛の音色で、彼の存在を確認していた記憶。
今ではそれを感じることができず、寂しさを覚えている様子がわかります。
色づく街並みと ざわめく人たちが
この季節を告げるよ (It's spring!)
ここに来れば 会える気がした
何も知らなかったふたりに
出典: 桜雨/作詞:Kiyoshi Matsuo 作曲:Jun Nakamura
桜が咲くころ、ちょうど季節が春めいてきて、街も人々も色めき立ってきます。そんな状況を「色づく」「ざわめく」と表現しています。
寒い冬から次第に暖かくなる桜のころは、新しい出会いや環境の変化にワクワクするものですよね。
そんな中で主人公は、まだまだ彼への気持ちを引きずっていて、新たな気持ちになれない様子。
ふたりで歩いた道を再び訪れることで、最初に出会ったころの幸せな気持ちに浸りたかったようです。
桜を濡らす やさしい雨が
私の頬を伝わってゆく
どうかこのまま 降りやまないで
涙がかわくまでは もう少し
この雨に打たれていたくて
出典: 桜雨/作詞:Kiyoshi Matsuo 作曲:Jun Nakamura
涙を隠す雨
最初のサビです。
静かな雨が降り出して、桜を濡らすとともに、主人公の頰に伝っていく様子が描かれています。
いくつもの彼との思い出がフラッシュバックして、涙があふれる彼女。
桜の下、楽しい気分で過ごす周りの人たちに気づかれないよう、雨で気持ちを隠すように静かに泣いている情景が、より切なさを感じさせます。
あの頃はいつも 何かに傷つき
消えない痛みで 不安ごまかした
見えない未来と 目の前のきみを
心のなかで 並べあわせて
出典: 桜雨/作詞:Kiyoshi Matsuo 作曲:Jun Nakamura
彼との時間は、いつでも順調なものではなかったようです。
言い争いや考え方の違いを目の当たりにして、お互いに傷つくことも多かったのでしょう。
行く末のわからない未来を想像することと、目の前の彼と向き合うことを同時に行うことで、心の底に感じる不安を隠してきたようです。
きっとその当時には気がつけなかった状況を、3年経った今、客観的に見ているのでしょうね。
想いを想い出にしたくて できなくて
時間だけが過ぎてく (Time flies)
春になれば 言える気がした
凍てついていた“Goodbye to myself”
出典: 桜雨/作詞:Kiyoshi Matsuo 作曲:Jun Nakamura
彼への忘れられない想いを過去のものにできず、苦しんでいる様子がわかります。
それでも春、桜の季節になれば、新しい気持ちを持って、今の沈んだままの気持ちとさよならできる、という希望を持っているようです。
桜を濡らす 日暮れの雨が
ふたりの街を 塗りかえてゆく
どうかお願い 降りやまないで
きれいに私たちの足あとを
洗い流してほしくて
出典: 桜雨/作詞:Kiyoshi Matsuo 作曲:Jun Nakamura