高音が魅力的な楽曲「会いたい」
キャラクターを超えた楽曲
Dios/シグナルPの「会いたい」は、2011年3月に発表された楽曲。
音楽性の魅力や技術力の高さを感じさせる一曲となっています。
そんな「会いたい」の特徴は、その切ないメロディとリリックです。
ロック調のメロディラインは奏でられる旋律が、聴く人の琴線に切なく触れます。
エフェクトによってであろう歪められた音色も、大変魅力的。
また、そのリリックがさらに心に刺さるのです。
恋する相手を思い1人心を抱えるさまが描かれています。
そして、その切ないリリックを歌い上げたのがボカロのGUMI。
GUMIの魅力
ボカロのアーティストは様々にありますが、GUMIはその初期頃に発表されたボカロでもあります。
とくにGUMIの魅力は、その切ない高音にあるといえましょう。
愛らしく、可愛らしいという印象を持たれがちなボカロ。
しかしGUMIの場合は、愛らしさと共に切なさを感じるのです。
とくにその特徴を感じるのは語尾。
例えば、今回の楽曲でも、リリックに何度も登場する「会いたいよ」というフレーズ。
この「会いたいよ」の末尾の「よ」の部分に、GUMIの魅力が感じられます。
まるでしゃくりという歌唱法が用いられているかのように、艶の感じる表現がされています。
もちろん「よ」だけではありません。
「会いたい」の楽曲中にもいくつか登場するこの伸びあがる高音部分。
そこには切なく、心を揺さぶる伸びがあるのです。
それはまるで心を揺さぶる歌手のように、伸びやかで艶やかで、そして切ない。
聴く人の心を捉える特徴を感じるのです。
そんな切ない「会いたい」の歌詞についても紐解いてみます。
なぜあの日のように笑えないの?
切ないほど願っているのは
君を想う この気持ち
願うほど 辛くなる
出典: 会いたい/作詞:Deadman 作曲:Dios/シグナルP
相手を想う気持ちというのは様々にあるものです。
とくにこちらのリリックから感じ取れる思い、感情というのは「好き」という感情でしょう。
人を好きになったとき、その相手のことが気になるものです。
近くにいれば、相手がどんなことをしているのか、気になってしまう。
何を話しているのか、聞いてしまうものです。
また、近くにいなくても心は囚われています。
何をしているのかな、誰と会っているのかななど。
そして相手を想う気持ちが強ければ強いほど、その想いは大きくなるものです。
大きくなった感情は、時に自分でも制御できないほど。
そして大きくなり過ぎた感情が自分を苦しめることもあります。
相手のことばかり考えてしまう。
自分以外の人と楽しくしているのかと思うと、苦しくてやりきれない。
このリリックからは、そんな切ない胸の内が感じ取れます。
あの日みたいに笑えない?
もうあの日みたいに
笑えないって言わないで
出典: 会いたい/作詞:Deadman 作曲:Dios/シグナルP
「笑えない」そんな言葉を投げかけられるのは辛いものです。
例えば、笑わそうと思ってした行動に「笑えない」といわれるのもショッキングです。
でも、ここでの表現はそうした現実的な表現とは少し違うのかもしれません。
「あの日みたいに笑えない」ですから、笑い合った日を指しているのでしょう。
そして問題はここです。
「あの日みたいに笑えない」と言われたくないのですから、笑えないということが問題ではないのです。
言わないでほしいということが重要。
笑えない関係になりたいくない、そんな気持ちが描かれているということです。
というのも、末尾に「言わないで」と懇願する気持ちがつづられています。
「言わないで」と願っているのです。
ここでは「笑えないって言わないで」と表現されています。
つまり、お互いの関係が今よりも悪くなってしまったときが想像されているのでしょう。
今よりも関係が悪化した時には、今のように笑えなくなります。
これは、相手との関係が悪くなるかもしれない不安を描いたリリックなのではないでしょうか。
メールに隠された本音とは
どんな本音を隠しているの
本音隠した何気ないメールは
いつまでも君の心の中に届かないまま
出典: 会いたい/作詞:Deadman 作曲:Dios/シグナルP