手紙はこんな曲
フジファブリック、3か月連続配信リリース企画第3弾として発表された手紙。
故郷への想いや支えてくれた友や家族への感謝。
そんな、ふるさとを思う曲となっています。
まずは曲についてチェックしていきましょう。
メロは語るように。サビは噛み締めるように。
暖かな印象のギターで奏でられるイントロ。
そこからは何かを懐かしむような少し色褪せたイメージが伝わって来ます。
歌が始まりますが、メロは語り口調。
故郷に対する思いを滔々と語っている様子に引き込まれます。
故郷を懐かしむようなその歌声に、聴いているこちら側もどこか暖かい気分になります。
サビに入ると少し盛り上がりを見せ、感情が入るようなイメージに。
滔々とした語り口調から、故郷への思いを噛み締めるような歌い方へと変化していきます。
この曲の作詞作曲を担当したのはメンバーの一人である山内総一郎。
故郷への思いがひしひしと伝わってきます。
もしあなたが親元を出て、一人暮らしをしているのなら。
地方から、都会へと出てきているのなら。
そして、故郷を懐かしみ、どこか寂しさを感じているのなら、是非聴いて欲しい曲です。
手紙の歌詞を解説
ここからはいよいよ歌詞の解説をしていきます。
山内総一郎が書く故郷への思いとは。一緒にチェックしていきましょう。
故郷と「君」への思い
元気でやってますか 笑えてますか
思えば遠く ふるさとの人たち
変わらない街はもう 日焼けする頃
太陽みたいな 君にまた会えます。
通り雨 ふざけあう帰り道 今でも覚えていますか
出典: 手紙/作詞:山内総一郎 作曲: 山内総一郎
この歌詞の主人公は、何かの理由でふるさとを離れています。
帰ろうと思えばいつでも帰ることができるのに、何かと理由をつけて帰ることができなかった。
物理的ではなく、気持ち的にふるさとの人たちは遠い存在になっていました。
変わらない街は、発展をすることもなく、昔のように夕方になれば夕日に染まります。
しかし、そんな変わらないふるさとで、唯一変わったもの。太陽みたいな「君」です。
「君」はふるさとに残り、主人公とは違う時間の流れに身を置き、もう知らない「君」になっています。
そんな昔の「君」とは違う「君」。思い出だけは変わらずに覚えていてほしい。
主人公の心情が見事に描かれています。
「君」とまた歌えたら
さよならさえも言えずに時は過ぎるけど
夢と紡いだ音は忘れはしないよ
もう何年も切れたままになった弦を
張り替えたら君ともまた歌えそうな夕暮れ
出典: 手紙/作詞:山内総一郎 作曲: 山内総一郎
ふるさとに残った「君」とはもう別の時間が流れています。
お互いの時間の流れの中を生きているので、さよならを言うことはできません。
それでも、ふるさとを出る前、「君」と一緒に音楽を奏で、夢見た日々を忘れはしないよ。
夕暮れに向かって二人で歌ったことを忘れはしないよ。と歌っています。
「君」と一緒に歌った時に使っていたギター。今は使っておらず弦は切れたままです。
でも、切れた弦を張り替えたら、あの時のようにもう一度君と一緒に歌えるんじゃないか。
そんな「君」と一緒に歌った日のような夕暮れが目の前に広がっています。
「君」ならどうする
上手くいかない時は 君ならどうする
弱いぼくらは 一体どうする
百万回も生きた 猫のように
大切な人と 寄り添ってたいのさ
出典: 手紙/作詞:山内総一郎 作曲: 山内総一郎
もしも上手くいかないことがあったら「君」はどうするんだろう。
大切な人と一緒にいたいのに、それができない時はどうするんだろう。
弱いぼくらは、いったいどうすればいいんだろう。
おそらく、「君」から答えが返ってくることはないのでしょう。