ネクラを語る
「ねくら」と言うのは、「根暗」と書き、一般的にはあまり良いイメージを与えない言葉です。
「おとなしい」、「内向的」、「オタク」のように連想され、対義語に「根明」、「リア充」、「やたら群れる下校中の大学生ども」などがあります。
「ねくら」な人は、自分の主義主張がないと思われがちですが、全くそうではありません。
不必要に小出しにすることなく、脳内や心の内燃機関にため込んだ「ねくら」の、静かに燃える炎をなめてはいけません。
一説には、「ねくら」がひとたびそのエネルギーを解放すれば、世界の半分が消滅すると言われているほどです。
「ねくら」は、それを知っていて、めったやたらに人前で感情を解放しません。
「ねくら」は、優しいのです。
ねくらとごりら
ゴリラは、とても臆病な動物で、普段は森の奥で静かに暮らしているそうです。
例えば、一年間続けたスマホアプリのデータを無断で消す、など余程なことをしない限り、怒らないと言われています。
しかし、ひとたび怒ると手がつけられません。
個人的な意見ですが、地球上最強の生物は、範馬勇二郎ではなく、こんぼうを装備したゴリラです。
優しさってなんだっけ
力を持ちながら、臆病なゴリラは愚かなのでしょうか?
実は、ゴリラは自分が強いことに気づいています。
知った上で、無用な争いを避けているのです。
自分のほかにさまざまな種族が存在するのを知っていて、相手を思いやる気持ちを持っています。
一方、「ねくら」も、世界にはさまざまな趣味や嗜好、主義や主張があることを知っています。
「押しつけがましさ」に敏感な「ねくら」は、自分の居場所を求め、今日も静かに森の奥へ向かうのです。
つまり、「ねくら」とゴリラは、ほぼイコールです。
ネクライトーキーを語る
ここまで、約700文字書きましたが、「ねくら」とゴリラのことばかりで、「ネクライトーキー」について触れていませんでした。
お詫びします。
ただ、この記事は世界の「ネアカ」達を、「ネクラ」に改宗させる目的で書いていますので、どうかご理解いただければ幸いです。
とは言え、「ネクライトーキー」について語ることは、そのまま「ネクラ」のエネルギーについて語ることになります。
ネクライトーキーの活動
ネクライトーキーは、今でこそ「ブレイク前」ですが、おそらく来年あたり、早ければ今年中に全国区の知名度になるでしょう。
東京では既にワンマンライブを成功させ、YouTubeに配信されたMVは、数十万回単位で視聴されています。
ネクライトーキー結成以前に、ボーカルギターの「もっさ」以外のメンバーでの活動歴があるとは言え、一年足らずでの伝播速度は異常事態と言えます。
「ネクライトーキーはワシが見つけたんや」と言うためにも、今の内につばをつけておきましょう。
オシャレ大作戦を語る
ネクライトーキーの「オシャレ大作戦」について語る前に、ファンの方のTwitterをお借りして、まず動画を見てください。
脱力した緊迫感
「オシャレ大作戦」のMVを見たとき、脳内が混乱しました。
何だ、これは?
冷戦時代を思わせるロケットの発射シーンのようなカウントからの、サスペンス調と思わせておいての、まさかの温泉気分。
自分でも何を言っているのかわかりません。
古き良き音楽を、丁寧に自分たちなりに仕上げたバンドアレンジ、パンキッシュとも言える毒の効いたメッセージを口にするのは、舌足らずの少女。
迷子になった子供を見つけ、「お嬢ちゃん、大丈夫かい?」と聞いたところ、「うるさい黙ってろ」と、九ヶ国語で罵倒されたような気持ちになりました。
ボーカルの「もっさ」の歌声が、楽曲に柔らかさと、無邪気ゆえの残酷さを加え、かわいさと毒気を両立した「おばけやしき」のような後味が癖になります。
「ネクラ」が「クライ(叫び)」し、それを「トーキー(有声映画)」つまり映像に起こすと、これほどの破壊力があるのです。