The Floor「緑風」とは?
2019年5月22日にリリースされた配信限定のシングル「緑風」。
2018年2月にファーストアルバム「ターミナル」でメジャーデビューしたThe Floor。
その後、ファーストシングルの「革命を鳴らせ」、ファーストミニアルバムの「CLOVER」がリリースされました。
それらを経て、「緑風」は初となる配信シングルです。
サビの“DANCE DANCE DANCE”のフレーズが印象的な、爽快なロックチューンとなっています。
「緑風」の印象的なMVを徹底解説!
ペインティング風景を定点カメラで撮影
上の動画が「緑風」のMV。白のパーカーを来た若い女性が、真っ白なキャンバスに絵を描き始めます。
歌詞とリンクしながら描かれていくイラスト。
曲調に合わせて早回しなども使いながら、見事に「緑風」の世界観を構築していきます。
楽曲とどのようにリンクしながら、どんな絵が描かれていくのでしょう?
ペインティングしている女性は?
「緑風」のMVを手掛けているのは脇坂侑希監督。
back numberの 「黒い猫の歌」やDISH//の「僕たちがやりました」などのMV制作も担当している映像作家です。
The FloorのMVは2018年9月リリースの「革命を鳴らせ」、2019年1月リリースの「Clover」に続く担当となります。
「革命を鳴らせ」のMVは、メンバーが屋外で楽曲を演奏する映像をベースとしたオーソドックスな作品。
続く「Clover」のMVでは雨の降り込む倉庫のような場所でメンバーたちが楽しげに演奏する姿が描かれています。
「緑風」のMVが前作、前々作と大きく違うのは、メンバーが登場しないことです。
登場するのは最後まで、白いキャンバスに絵を描く若い女性一人。
イラストを描いているその女性は、イラストレーターの下平咲です。
「思わず踊りだしたくなるようなリズムの曲だったので、動きや流れを意識しながら描きました」
下平はMVでのライブペインティングを振り返って、そうコメントしています。
楽曲とシンクロして描かれていくイラスト
MVフルバージョンの再生時間は3分42秒です。
しかし実際には定点カメラで約6時間をかけて撮影されたというペインティングの様子。
早回しで再生するなどして、見事に楽曲とシンクロした見ごたえのある映像に仕上がっています。
まずは白いキャンバスに淡い水色の絵具が薄く敷かれ、その上に黄色をベースとした物体が点々と描かれていきます。
花をつけた植物もあれば、クラゲのような生き物もいて、そこが海なのか草原なのか、はっきりとしません。
いろいろなものが点々と、空間に浮遊しているように見えるイラストの描き出し。
それは楽曲の根底にある世界観とリンクしています。
イラストは歌詞とどうリンクする?
真っ白なキャンバスに描かれていく世界とは?
止め処ない波に呑まれ 揺られながらも息をしていた
胸の音だけの檻の中で 踊り続ける
出典: 緑風/作詞:ササキハヤト 作曲:ササキハヤト
もがき苦しんでいるような描写から「緑風」の世界は始まります。
世の中の流行や周囲の目といった「波」に呑み込まれそうになりながら、どうにか自分を保とうしている。
そして、その「波」と「自分」の間で揺れる思いが描かれています。
世の中の波に呑み込まれてしまわないよう、必死で自分らしさを見失わないように戦っているようにも感じられます。
もしかしたら、メジャーデビュー2年目のThe Floorの現在の心境ともリンクした世界観なのかもしれません。
そんな歌詞とともに描かれ始めるペインティング。
それはまだ白いキャンバスに薄い水色の絵具が敷かれ始めたところで、ほとんど真っ白な状態です。
映像もまだ早回しされることなく、「これからどんな世界が描かれていくのか」と想像させる静かな始まりとなっています。