2番
窓から見える景色
毎日新しい人の波
繰り返し息をする
桜も夏もひつじ雲も雪の朝も
あなたと何度もこの窓から見た景色の色
出典: ホーム/作詞:AIKO 作曲:AIKO
この歌詞パートでは情景描写が多く含まれており、いろいろな場面が浮かんできます。
1行目では、人混みを表しているのでしょうか。
3行目では、様々な情景が羅列されています。
ここに登場する単語はどれも季節を象徴する言葉となっているのです。
主人公は、春夏秋冬の光景を思い出しているのでしょう。
そして、4行目でこれらの景色が、恋人と見た風景だったことが分かります。
また、歌詞中の「窓」という言葉からは家や車などが連想できるでしょう。
しかし、前のパートで「ホーム」という言葉は「電車のホーム」を表していました。
このことから、この「窓」という言葉も、「電車の窓」のことだと考えることができるのではないでしょうか。
そう考えると、2人で車窓からいつも外の景色を楽しんでいた風景が浮かんできます。
あなたに届ける想い
とりとめのない言葉で伝える想いは
あなたの元に届くまでに
不安を飲み込んで喜びを見つけ出してきっと必ず飛び込める
あいしてる 強く抱きしめてたい
出典: ホーム/作詞:AIKO 作曲:AIKO
主人公の恋人に対しての想いが表現されているパートです。
ここでは1〜3行目までの歌詞が、4行目の歌詞を説明しているような構造に見えます。
主人公は恋人に対して想いを伝えようとしているのでしょう。
彼女は、愛の言葉を伝えるまでにいろいろと脳内で考えてしまうのです。
だから言葉を伝えることに不安を感じてしまいます。
しかしながらその不安を払拭するように、お互いに愛し合っていることを信じて言葉にするのです。
それが4行目の言葉。
そしてそれを発した先には、その想いをお互いに共有できるという嬉しさがあると信じています。
ここでは恋愛での不安や苦しみと、喜びの両方が描かれているのです。
2人にとっての「ホーム」
胸の中の音がひとつあなたと重なり合えば始まりの音
もしも全てに迷ったらまたここで待ち合わせしよう
変わらないよ
出典: ホーム/作詞:AIKO 作曲:AIKO
1行目では2人の思い出のことを表しているのでしょうか。
2人にとって大切だと思える思い出が、1つでも共有されていればいい。
そしてそのことを思い出した時には、また会えるはず。
そういった想いが隠されているのでしょう。
2行目で指している「ここ」という言葉に隠されているのは、2人にとって思い出深い場所。
それは、これまでの歌詞から察するに「駅のホーム」であることが分かります。
それが2人にとって1番思い出が詰まっている場所なのです。
2人で電車に乗った思い出や、彼を見送った場所。
変わらずに残り続ける電車のホームが、2人に大切な思い出を想起させてくれるのです。
だからこそ、主人公はそこで再会することを望んでいるのでしょう。
2人の行く末
最後のサビ
赤い星を初めて2人で見た日の事も
待っててくれたホームの黄色の切れ端も
大切なものにあたし達は何度か出逢う
明日話そうね もう離れないように
出典: ホーム/作詞:AIKO 作曲:AIKO
ラスサビは、ほとんどの歌詞が前述したサビの歌詞と同じとなっているのです。
サビでは、恋人との大切な時間を思い出している主人公の様子が描かれています。
これは、前述のサビと変わっていません。
しかし、最後の1行の歌詞だけが変わっているのです。
それを考慮すると、4行目の後半「もう〜」という部分には深い意味が隠されていると考えられます。
ここから推測するに、2人は1度別れていたのではないでしょうか。
ここまで恋人との思い出を語ってきた主人公。
どこか憂いを帯びたような表現も入り込んでいました。
それには確かな理由があったのです。
1度別れていたと考えれば、どこか寂しげな表現にも納得できます。
この楽曲は全体を通してどのような物語を紡いできたのでしょうか。
最後に整理してから、この記事を終わりたいと思います。
再会の歌
この楽曲の歌詞は最後まで読むと、その物語を理解できるような構造になっています。
今まで恋人との思い出を、ただ振り返っているように感じた歌詞。
それは実際は破局する前の恋人との思い出だったのでしょう。
しかしふとしたきっかけで2人は再会し、もう1度惹かれあった。
その時に2人をつなぎとめたのが「ホーム」での思い出。
そして、2人はもう1度やり直すことに決めたのではないでしょうか。
ストーリーがこの歌詞全体から、なんとなく読み取れるようになっています。
一緒に見た風景を大切な思い出として、2人で共有できたからまた付き合うことができたのです。
そして、それは「電車の窓」のことであったり、「駅のホーム」での出来事であったり。
そんないろいろが2人の関係を取り持ったのでしょう。
お互いがお互いにとって大事であることに気づくことができた。
それはきっと、2人にとって馴染み深い場所がもたらしてくれた忘れられない思い出のおかげでしょう。
大切な思い出を忘れないでいれば、また昔のように戻ることだってできる。
そういった意味が込められているように感じました。