眠れないオオカミ
荒野に1匹、佇むオオカミ。オオカミの足には蔦のようなものが絡まり、動くことができません。
オオカミは元々、殺し屋でした。しかし白いオオカミと出会い、彼の人生は変わります。
彼女が住んでいた花の咲く丘へ向かう2匹。ところが、突然の別れが2匹を襲います。
大切なパートナーを失い、動けなくなってしまったオオカミ。
川崎鷹也はそんなオオカミの姿をどうとらえたのでしょうか?
「眠れないオオカミ」の物語と共に、歌詞に込められた想いを紐解いていきます。
白いオオカミの存在
オオカミにとって、白いオオカミはどんな存在だったのでしょうか?
歌詞を読み解いていく前に、2匹の関係性について考えていきます。
希望の光
あなたの笑顔と香りは
僕を澄んだ色に変えた
出典: Answer/作詞:川崎鷹也 作曲:川崎鷹也
オオカミにとって、白いオオカミは希望の光だったのでしょう。
この歌詞からそのことが分かります。
オオカミは殺し屋という仕事をしていましたが、本当にその仕事をしたかったのでしょうか?
本当はやりたくなかったのではないかと考えることができます。
生きるためには仕方ない、そう考えて殺し屋をしていたのかもしれません。
そんな日々に嫌気が差していたのでしょう。そこへ現れた白いオオカミ。
この歌詞の2行目に「澄んだ」というワードがあります。
それは、白いオオカミの笑顔がオオカミの心を癒してくれたということを表しているのでしょう。
僕を助けてくれるオオカミ
世界の暗闇の中から 救い出してくれないか
出典: Answer/作詞:川崎鷹也 作曲:川崎鷹也
この歌詞からは、オオカミが白いオオカミに救いの手を求めていたと考えることができます。
オオカミは夢や希望もなく、その日暮らしをしていました。
そんな日々を過ごしていたオオカミにとって、世界は真っ暗闇だったのでしょう。
白いオオカミはそんな世界に、一筋の光を与えてくれた存在なのでした。
白いオオカミと一緒にいれば、僕も何か変われるかもしれない。
オオカミはそう考えたのではないでしょうか。
夢や希望は持ったらダメなんだ
夢や希望があるだけで、日々の暮らしが明るく楽しいものになります。
でも、夢や希望を持ったことで悲しみのどん底に落とされたらどうしたらいいのでしょうか?
「人生、何もかも上手くいくとは限らないよ。また、頑張ろう。」
周りの人たちはそう励ますしかありません。
しかし当の本人が、その言葉を聞き入れるのも嫌なくらい絶望していたら?
いくら励ましの言葉を掛けても、相手には届かないでしょう。
何もない空
夢を見てたんだ僕は 無情にもくすんだ空に
出典: Answer/作詞:川崎鷹也 作曲:川崎鷹也
オオカミが生きる荒野は、花も木もありません。
殺伐とした砂地が広がるだけで、空もくすんで見えます。
そんな世界で生きてきたオオカミは、夢を持つことを諦めていました。
しかし白いオオカミと出会い、オオカミは夢を持ちます。
何もないこの荒野を離れ、彼女と生きたいと願ったオオカミ。でもその夢は叶わなかったのです。
この歌詞は、夢を持ったことを後悔しているオオカミの気持ちを表していると考えることができます。
オオカミの強がり
誰にも見せなかった
静かな夜 孤独を味方にして
出典: Answer/作詞:川崎鷹也 作曲:川崎鷹也