Fling Posse夢野幻太郞ソロ曲
夢野幻太朗のキャラクターに迫る
この楽曲はヒプノシスマイクのキャラクターの1人である夢野幻太郞のソロ曲です。
ヒプノシスマイクにはイケブクロやシブヤなど6つのディビジョンがあります。
その中で夢野が所属しているのが飴村乱数率いるシブヤディビジョンのFling Posseです。
マイペースで個性的なメンバーばかりですが、それぞれが秘密を隠し持っていることが楽曲などから窺えます。
この楽曲は夢野自身のメンバーへの思いを感じられ、キャラクター性をさらに掘り下げる楽曲です。
作家らしい難解な表現も織り交ぜつつ綴られた歌詞の意味を掘り下げていきましょう。
リリック動画をチェック!
ヒプノシスマイクの楽曲はYouTubeでも多く配信されています。
各キャラクターのソロ曲はフルでの配信ではなく、リリック動画がアップされているようです。
この楽曲もリリック動画がアップされています。
夢野らしいリズムにあわせたアンニュイな印象のある斉藤壮馬さんの歌声にも注目な楽曲です。
ぜひ聴いてみてください。
嘘を吐く日々
曖昧なものをそのままにして
なぞる斑 筆の走り 跨ぐ魚尾佇む白日
あまねく視野に広げた白紙、綴る嘘で誤魔化してく
出典: 蕚/作詞:basho・ESME MORI 作曲: ESME MORI
歌い出しは夢野自身の揺れ動く心情を表す歌詞だと読み取れます。
斑点模様のように入り交じっているたくさんの感情をなぞりながら、日々を過ごしているのでしょう。
その感情をどう処理すべきか悩み、全てを曖昧なままにしているようにも読み取れます。
続く歌詞は夢野の職業である作家になぞらえた表現です。
夢野は作中でよく嘘を吐くキャラクターとして描かれています。
作品を綴る筆のように嘘を吐き続けているのです。 その嘘の目的は未だ明かされてはいません。
「魚尾」は原稿用紙の中央にある飾りのことであり、これも作家になぞらえた表現です。
原稿用紙に書き連ねて魚尾を跨ぐほど嘘を吐き続けているのでしょう。
しかし嘘を書き連ねても自分の感情が明確になることはありません。
むしろ嘘を吐き続けたことで本当の自分が分からなくなり、戸惑っているようにも感じられます。
自分の生き方や進むべき道をどうすべきか見通しても、浮かぶのは白紙のように何もない状態なのでしょう。
その白紙をさらに嘘を吐くことで埋めているのだと読み取れます。
混ざり合う個性
泡沫の思い 運命も空蝉 枷に引きずる足並ぶつまさき
息づかい、交差しだす色の混ざり合い街の壁も塗り潰してく
出典: 蕚/作詞:basho・ESME MORI 作曲: ESME MORI
斑模様の感情は泡のように儚くすぐに消えてしまいそうなものなのでしょう。
しかしその感情はまだ消えてはいません。
この先の運命さえ抜け殻のように空虚なものしか考えられないのかもしれません。
その中で夢野は「Fling Posse」の一員として、中王区に立ち向かっています。
並んでいるつまさきはFling Posseの飴村乱数と有栖川帝統でしょう。
この先の運命への不安は消えていません。
しかし2人と出会い、同じチームを組むことで、それぞれの個性が混ざり合います。
それは中王区のつくり出した壁とそれが象徴する権力や世界の歪みを塗り潰すという意味にとれるでしょう。
守りたいもの
心の外まで 飛び散った花びら達の破片が
この風景を埋め尽くして 消えた道のり
出典: 蕚/作詞:basho・ESME MORI 作曲: ESME MORI
楽曲タイトルの「蕚」は花を蕾の間は覆って守り、咲いた後に花びらを支えるがくのことを指す言葉です。
夢野の心の中に「花」と例える存在があったのでしょう。
それはおそらくFling Posseの2人であり、その2人が夢野の心の中に留まることがなかったのだと考えられます。
それは夢野が大切に思い、支えようと思っていた2人が、どちらも自立して手を離れてしまったのかもしれません。
それは夢野のもとを去ってしまったのではなく、夢野の未来や過去を変える前向きなものだったのでしょう。
2人がいたからこれまで白紙に見えていた世界が塗り替えられ、道のりさえ変えてくれたのだと読み取れます。