楽曲「嘘つき」
収録情報
阿部真央さんの楽曲「嘘つき」はシングル「それぞれ歩き出そう」のカップリングとして収録されています。
メインではないものの、感情が込められた歌声やシンプルなギターのメロディーがかなり印象的な楽曲です。
ギター1本と歌声だけで素直な気持ちをストレートに歌えるのは素晴らしいと思いました。
歌詞は誰もが抱きそうな想いを歌っているように感じます。
でも意味を深く考えると、実は独特な阿部真央ワールドの物語だったりするのです。
言葉の選び方1つにしても彼女らしさを強く感じる歌詞になっています。
阿部真央さんの歌詞は、実体験が元になっていたり、フィクションだったりと様々だそうです。
「嘘つき」の内容はどちらか分かりませんが、誰もが生きている中で一度は経験する感情かもしれません。
今回は「嘘つき」の楽曲に込められた意味と、歌詞から分かる"主人公のその後"に迫っていきたいと思います。
「嘘つき」の歌詞を徹底解説
貴方の面影を感じている
貴方が植え付けた匂い
今も私を呼び止める
貴方が植え付けた癖
今は私を彩ってる
出典: 嘘つき/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央
「嘘つき」の歌詞には、大切な人との別れをなかなか受け入れられない彼女の様子が表現されています。
ずっと隣にいた貴方の存在は彼女にとってはかけがえのないものでした。
"今"という言葉からも分かるように、今は昔とは違うのです。
かつて隣で感じていた貴方の匂いや癖に慣れてしまっている彼女。
ふとした瞬間に貴方と同じ匂いがしたら、きっと振り返ってしまうのでしょう。
貴方がいた頃の生活と変わらない日々を貴方なしで過ごしているので、余計寂しさが込み上げてしまいます。
でもあえて"彩る"という言葉なのは、貴方の癖が自分に染みついていることを喜んでいるようにも思えました。
まだ自分の中に貴方が残っていることが彼女にとっては残酷でもあり幸福なのでしょう。
遠距離恋愛だった2人
夏のひととき
また夏にやって来ると
あやすようにそっと抱き寄せて
貴方が置いてった言葉
今も私は捨てられずに
ここでずっと待ってるよ
こうしてここでひとり問うてるよ
「どうして?」
出典: 嘘つき/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央
"夏にやって来る"というフレーズから、2人は遠距離恋愛だったのかな?と予想しました。
きっと夏休みに地元に帰ってきた貴方との大切な時間を過ごすのでしょう。
大好きな人と話した言葉は全て覚えているんじゃないかっていうくらい、彼女にとっては大事な言葉ばかり…。
だから貴方とやりとりした手紙やメールだって捨てずに消せずに残しているのだと思います。
彼女は別れを受け入れられないと同時に、まだどこかでそうじゃないと思い込みたいのかもしれません。
なんで急に私の側からいなくなっちゃったんだろう…。
彼女にとって都合のいい妄想ばかりが脳内を巡っていきます。
貴方がついた嘘とは?
愛してるといったのに…
愛していると泣いたくせに
あの日の貴方は今どこに
そういえば抱きしめるのは
私ばかりだったね
嘘つき嘘つき
出典: 嘘つき/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央
昔は情熱的な愛の言葉で彼女の心を潤してくれた貴方…。
なのにいつのまにかそんなセリフを貴方の口から聞くこともなくなりました。
言葉で伝わらないなら行動で伝えてくれればまだ彼女の心は満たされていたかもしれません。
それすらもよく考えたら全て自分からだったことに気づいてしまいました。
愛してると言ってくれているうちは心から安心することができます。
そして抱きしめ合っているうちはまだ大丈夫と思うことができるのです。
でも時が経つにつれて、貴方は彼女への愛を表現することを辞めてしまいました。
抱きしめ合っているから大丈夫と思っていたけれど、もしかしたら既にその時から貴方の気持ちは…。
その現実に気づいてしまった彼女は"貴方は嘘つきだ"と罵りたくなってしまったのです。
貴方がついた嘘は"彼女を愛している"と言ったこと。
守れない約束ならば、初めからしないで欲しかったのです。
貴方の心が変わってしまったのならば、その気持ちは嘘ではないのかもしれない…。
でもその言葉を信じて待っていた彼女にとっては結局嘘だったことになってしまうのですね。