「つくり囃子」
パスピエのプロフィール
大胡田なつき(おおごだ なつき)ボーカル担当
成田ハネダ(なりた ハネダ)キーボード担当
三澤勝洸(みさわ まさひろ)ギター担当
露﨑義邦(つゆざき よしくに)ベース担当
その多様な音楽性で独自の世界観を確立しており、1stアルバム「わたし開花したわ」が無名にもかかわらずロングセールスを記録しました。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%82%B9%E3%83%94%E3%82%A8_(%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%89)
パスピエは2009年に結成された四人組のポップロックバンドです。
その音楽性はクラシックとニューウェーブやテクノポップを見事に融合したサウンド。まさにパスピエとしかいえない音像です。
ポップな雰囲気の中に奇妙な世界が広がっていますが楽器のテクニックはとてもハイレベルなパスピエ。
一見色物かなと思ったらこの演奏力!!このギャップも魅力ですね。
またボーカルの大胡田なつきが作詞とアートワークを手がけており、その特徴的なビジュアルでも人気。
作詞に関しては常套句や故事成語やことわざなどを多用するスタイルで唯一無二の存在ですね。ヒップホップの引用のスタイルに影響を受けているのかも。
「つくり囃子」はアルバム「娑婆ラバ」に収録
「つくり囃子」は2015年9月9日に発売されたパスピエにとってメジャー3枚目のアルバム「娑婆ラバ」(シャバラバ)に収録されている曲です。
「娑婆ラバ」はオリコンチャート8位を獲得しました。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A8%91%E5%A9%86%E3%83%A9%E3%83%90
「つくり囃子」はキーボードの音が印象的なポップソングです。
ノスタルジックな音像の中にも最先端のエレクトロニックなサウンドも感じる不思議な雰囲気。沖縄音階を感じるパートもありますね。
沖縄音楽からクラシックからエレクトロニックをごちゃ混ぜにして、パスピエ独自の音を構築しています。
まさにオリジナリティが爆発しているというバンドです!
タイトルの読み方は○○!
「つくり囃子」は「つくりばやし」と読みます。「囃子」は日本古来の太鼓などを使ったお囃子のことですね。
つくり囃子というのは作られた囃子、すなわちバンドでの演奏のことを意味しているのではないでしょうか。
曲中に「作り話」という歌詞が出てきますが、「つくり囃子」と「作り話」は音が似ていますから意図的に歌詞に使っていますね。
「つくり囃子」が先か、「作り話」が先かは分かりませんがこの2つの言葉のうちのひとつから歌詞やタイトルのアイデアが出てきたのでしょうね。
「つくり囃子」の歌詞
深掘り
夜に宴が開かれようとしています。
抜き足 差し足 忍び足
「生意気娘の目をぬすめ」
その者 何者 くせ者じゃ
「左利きのやつが目利き」
やんややんや うやむや……
出典: つくり囃子/作詞:大胡田なつき 作曲:成田ハネダ
「抜き足 差し足 忍び足」は常套句で誰でも知っている言葉ですが歌詞に使うのが素晴らしいアイデアですね。
歌詞の内容は言葉遊びのような感じもしますから、韻を踏む言葉を選んだのではないでしょうか。
歌詞で物語を表現しようと意図しているのか、いないのかは分かりませんが、昔話のような物語を歌っている雰囲気も感じます。
生意気娘のところへ忍び込んで来た人のことを歌っているようにも感じますね。
でも、やはり「その者 何者 くせ者じゃ」では「者」で韻を踏んでいて、「左利きのやつが目利き」では「利き」でも韻を踏んでいます。
音を優先して歌詞の言葉を選んだのではないでしょうか。
‐夜明けの晩に‐
月見か花見か 交わせ交わせ盃
今夜が作り話なら 共犯だね
そら化け騒ぎ 娑婆だかなんだか
出典: つくり囃子/作詞:大胡田なつき 作曲:成田ハネダ
夜明けの晩に盃を交わしています。月見か花見かはわかりませんが、お酒を酌み交わしています。
そうして、酒を酌み交わす者同士は正体を知らない様子です。この宴が作り物なら共犯だねということでしょうか。
お互いの素性を隠してまるで化かし合いということでしょうかね。
ハッキリと状況はわかりませんが、何か物語性を感じる歌詞です。曲の中に引きつけられますよね。
札付き ウソツキ 力尽き
「襟を立てろ ケリをつけろ」
ダメ元 お見事 頼み事
「色仕掛けで 種と仕掛け」
やんややんや あやふや……
出典: つくり囃子/作詞:大胡田なつき 作曲:成田ハネダ
「札付き ウソツキ 力尽き」は「つき」で韻を踏んでいます。
「襟を立てろ ケリをつけろ」では「り」と「ろ」。「ダメ元 お見事 頼み事」が「もと」と「ごと」ですね。
これだけ韻を踏むとメロディーのリズムが強調されるので耳に残ります。曲にアクセントが付きますから、耳が心地よくなります。