「トキノワ」
4枚目
「トキノワ」は2015年4月29日にリリースされた、パスピエにとって4枚目のシングル曲です。オリコンチャート29位を獲得しました。
NHKのEテレのテレビアニメ「境界のRINNE」(第1シリーズ)のエンディングテーマ(ED)として採用。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%82%AD%E3%83%8E%E3%83%AF
ライブで一番疲れるのはこの曲って本当?
「トキノワ」はパスピエにとってライブで一番疲れる曲だそうです。
キーボード担当の成田にとって「トキノワ」はキーボードを3台も使用するので手の動きが大変とのこと。
「トキノワ」をライブの最後の方で演奏すると燃え尽きるそうです(笑)。
あるライブで「トキノワ」で燃え尽きた後にグランドピアノに身体をくっつけて身体を冷やしたというエピソードもあるそう。
ライブに参戦する時にはこの「トキノワ」をチェックしてメンバーの疲労具合を見てみましょう(笑)。
新しいライブの楽しみ方ですね。 それではそんな体力を消耗する「トキノワ」の世界を見ていきましょう。
「トキノワ」の歌詞
深掘り
「トキノワ」とはどういう意味でしょうか?考えながら歌詞をチェック!
騒がしいだけの証明にはさよならして
正しいものだけ はじめましてをしていたいな
お願い どうしても見たい触れたい思い通り
新しいものだらけ 選ぶ勇気をくださいな
猫も杓子も右向け右の世界で
君と目が合うなんてこと
出典: トキノワ/作詞:大胡田なつき 作曲:成田ハネダ
この部分は世間や他人の価値観によって自分の価値観を歪められるのはイヤだ!という歌詞ではないでしょうか。
自分にとって正しいものであれば、他人にとって間違ったものでもかまわないのです。人に左右されて自分の価値観を判断できなくなるなんていやですよね。
そんな世間の価値観によって人の価値を判断するこんな世界で、価値観の合う君と出会ったということを描写しているのではと思います。
巡り会い 巡れば巡る くるりくるり隣り合わせ
偶然はわざと 運命のしわざと
いついつ出やる輪の上 うしろの正面だあれ?なんてね
振り向いて欲しいんだよ 同じ笑顔で待ってる
わたしに気がついて
あれやこれやと何にでも理由をつけたくて
探し疲れて素直になれるならいいや
出典: トキノワ/作詞:大胡田なつき 作曲:成田ハネダ
パスピエの得意技「韻」が並びます。「巡」で三回韻を踏んでいますね。
それから、「偶然はわざと」と「運命のしわざと」の2つの言葉では「わざと」で韻を踏んでいます。この韻のアイデアは面白いですね。
韻を踏むことでリズムが強調されてメロディーが力強くなる効果があります。その効果を最大限に利用しているパスピエ。
ここは人と人との巡り会いを歌っている歌詞です。偶然でも運命でも誰かと出会うことで人生は変化していきます。
「同じ笑顔」というフレーズが出てきますがこれは「同じ価値観を持った」という意味ではないでしょうか。
同じ価値観で人生を共有できたら素晴らしいですよね。だからこそ「わたしに気がついて」と出会いを望む言葉があるわけです。
今日も明日も変わり続ける正解を
君が追い続けるのなら
出典: トキノワ/作詞:大胡田なつき 作曲:成田ハネダ
毎日、人の考えは変化します。それは成長している証。
君がその正解を追い続けるなら、私もいっしょに追い続けるよ!というニュアンスかもしれません。
価値観が同じなら、同じものを追い続けることができますから。
巡り会い 巡れば巡る くるりくるり隣り合わせ
偶然はわざと 運命のしわざと
いついつ出やる輪の上 夜更かしは苦手だけど
すこし待ってていいかな 君に会えますように
そろそろ気がついて
始められないのは終わっていないからなんて 難しいな
列の一部になって順番が来るまで あともうすこし
出典: トキノワ/作詞:大胡田なつき 作曲:成田ハネダ
君にそろそろ会えるようにと願う場面ですね。運命のしわざで巡り会いが遅れているのかもしれません。
「列の一部になって順番が来るまで」とはどういう意味でしょうか。
ここには「トキノワ」という言葉は出てきませんが、これこそ「トキノワ」ではないでしょうか。
つまり、「トキノワ」とは「輪廻」のこと。人は死んでは再びこの世に生まれ、そしてまた死んで……。と生と死を繰り返すという考えです。
列に並んで生まれる順番を待つのか、それとも死ぬ順番を待つのか、両方の意味でしょうね。
哲学的な歌詞ですが、歌っていることは難しいことではありません。