【ミラーズ】の概要
リリース年
【ミラーズ】がリリースされたのは2019年7月31日のことです。
ちなみにこのシングルが2019年に入って初めてのシングルとなりました。
このシングルには【ミラーズ】だけでなく、【Hot Hot Hot】という曲も収録されています。
2曲が両面を飾るこのシングルは非常に対照的な構成となっているのが特徴。
【ミラーズ】は非常にシリアスで暗く、スリリングなテイストの楽曲です。
一方、【Hot Hot Hot】は明るく、聴けばテンションの上がるサマーソングとなっています!
両極端ともいえるこれら2曲が収録されているこのシングル。
異なる雰囲気の東方神起を一度に楽しめる、お得なシングルともいえます。
ハッピーな表情もスリリングな表情も見ることができ、ファンにはたまりません!
ドラマの主題歌にも起用
今回ご紹介する【ミラーズ】はドラマの主題歌にも起用されています。
そのドラマとは「サイン―法医学者 柚木貴志の事件―」。
大森南朋が演じる柚木貴志という解剖医が、人気歌手死亡の真相を暴くという内容です。
あらすじだけ見ても、シリアスな内容であることが分かります。
このドラマでは真相を暴こうとする解剖医の柚木に対し、立ちはだかる権力を描いているのが特徴。
警察庁という巨大な組織の力が立ちはだかり、公平な解剖結果が出せないといった主人公の葛藤があります。
そんな悩み、苦悩する主人公の気持ちにリンクしている同曲。
シリアスな中にも、「本当のことを暴きたい」という強い意志が表れています。
ちなみにドラマタイトルにもなった「サイン」とは、真実を暴くための断片、隠された証拠を表しているそうです。
不穏な情景
暗い世界観
そして目塞いだ
身体が覚えている匂いに気づいた瞬間
いきなり遮る不快 目を刺す様な蛍光灯
出典: ミラーズ/作詞:Tsukiko Nakamura 作曲:Hi-yunk(BACK-ON)
【ミラーズ】は不穏な歌詞から始まります。
主人公の人物像は全く見えませんが、どうやら目をつむっているようです。
憶測ですが、目をつむるという行為から「思索」もしくは「現実逃避」といった気持ちがうかがえます。
目をつむることで穏やかな時間が流れればいいのですが、そうもいきません。
自分だけの世界を遮るように光が差し込みます。
この情景から、自分の思うようにいかない現状が見て取れますね。
主人公はこの不快な世界から逃れることは出来ないという暗示のようにも思えます。
いずれにしても主人公は目をつむって、静かに現実から目を背けることはできません。
周囲に渦巻く無言の圧力
誰かの視線 気にして 怯えたままここで
音もなくただ割れて落ちてゆく
出典: ミラーズ/作詞:Tsukiko Nakamura 作曲:Hi-yunk(BACK-ON)
主人公は無数の目線を感じているようです。
物は言わなくとも、自分にかけられている圧力を感じることは誰しもあるでしょう。
そういった無言の圧を「視線」と比喩していると考えられます。
しかしこうした目線も気にしすぎると、何もできなくなってしまいます。
主人公はまさにそういった状況です。
自分で手を差し伸べて拾い上げるべき断片を、周囲の圧力によってみすみす見逃しています。
きっとその断片というのはドラマでいうところの証拠でしょう。
真実を暴きたいにも関わらず、大きな権力によって証拠を取り逃がしてしまう。
そんな柚木のもどかしい状況に当てはまります。
物を言わぬ証拠
ばらばらの断片
戻らない 戻らない 切れた断片が映し出す
悲しみ 苦しみ 全て映し出す
出典: ミラーズ/作詞:Tsukiko Nakamura 作曲:Hi-yunk(BACK-ON)
ドラマでは殺人事件が起こります。
しかも国民的人気歌手が殺されるというショッキングな事件です。
主人公の柚木にできることは、司法解剖という自分の専門分野を通じて真実を伝えること。
それは同曲、主人公のミッションでもあります。
真実はすぐに見えなくても、ばらばらになった断片を集めることで徐々に見えてくるもの。
そして散らばった証拠は、それぞれが断片的に凄惨な事件の場面を物語っているのです。
事件の引き金、被害者の心情、加害者の苦悩…。
証拠の1つ1つに、様々な負の感情が映し出されるようです。