「国民的ミュージシャン」星野源
今や、星野源(以下、源さん)を抜きにしては日本の音楽シーンを語れない時代になってきています。
SAKEROCKの結成からもうすぐ20年になろうとする現在。
ミュージシャン、源さんは様々な苦難を乗り越えながら今も第一線で活躍しています。
「恋ダンス」による社会現象。
舞台・テレビドラマと幅広い俳優活動。
マルチに活動しながらも、各分野で多くの人々に大きな影響を与えています。
アルバムをランキング形式で発表!
ミュージシャンとしての軌跡
そんな源さんのソロミュージシャンとしての活動を紹介していきたいと思います。
今回は今までリリースされている4枚のアルバムをランキング形式で発表。
その中から「今聴いておくべき曲」をそれぞれご紹介します。
しかし、正直な話、本当は全てのアルバムが1位と言ってもいいくらいの名盤揃いです。
だから、ここだけの話ですが、4枚のアルバムを「発売順」に解説していきます。
(みんなには内緒ですよ!)
「星野源」というミュージシャンがどんな軌跡を辿って、現在にたどり着いたのか。
そして、これからどんなミュージシャンになるのか。
そんな展望までみなさんと一緒に見ていけたらいいかな、と思います。
第4位「ばかのうた」
最初にして最高
デビュー作がその人の最高傑作である場合が往々にしてあります。
作家、伊坂幸太郎さんのデビュー作『オーデュボンの祈り』も最高傑作として名高いです。
洗練はされていないかもしれない。しかし、底知れぬエネルギーを抱えている。
この1stアルバム「ばかのうた」もある種の最高傑作だと思います。
ほとんどの曲で、作詞・作曲・編曲を源さん自身が手がけています。
SAKEROCKの音楽の味わいも混ざりながらも、ソロとしての特色も十二分に出ている。
そんな素晴らしいアルバムです。
この後解説しますが、もちろん、源さんの楽曲は年を経るごとに進化しています。
しかし源さんの楽曲が持つ、温かくも少し残酷な味わいは「ばかのうた」が最も濃く出ています。
「ばらばら」で生きていこう
世界はひとつじゃない
ああ そのまま 重なりあって
ぼくらはひとつになれない
そのまま どこかにいこう
出典: ばらばら/作詞:星野源 作曲:星野源
「ばかのうた」の1曲目である「ばらばら」のサビの歌詞です。
世間一般では「絆」という言葉がもてはやされます。
仲間たちとは仲良くしなければいけない。団結しなければいけない。
心が通じ合ったところに大きな力が生まれる。
そんな言説が世の中に蔓延しています。
確かに、それも真実かもしれない。
でも、私たち人間はそれぞれがばらばらな個人であることは否定できません。
他者とは究極的には全てわかりあえることなんて絶対にない。
でも、わかりあえないとわかっても、一緒の時間を、空間を過ごしたい人がいる。
それが本当の人間としての繋がりなのではないか。
こんな歌詞から、スパイスがきいていて、でも温かいメッセージが読み取れます。
「くせのうた」
君の癖を知りたいが ひかれそうで悩むのだ
昨日苛立ち汗かいた その話を聞きたいな
同じような 顔してる
同じような 背や声がある
知りたいと思うには
全部違うと知ることだ
出典: くせのうた/作詞:星野源 作曲:星野源
8曲目に収録されている「くせのうた」です。
ここでも「ばらばら」と同じように、他者の理解について歌われています。
人は一見同じような外見をしている。
でも、人にはそれぞれ違った癖がある。
他者を知るためには、やはり自分とは違う生物であるということを理解する。
そして、千差万別の癖を受け入れながら、繋がりを深めていく。
「人と違う」ことは負の側面のように見えます。
しかし、違いを受け入れなければ、共通点も受け入れられないのです。