もしもあなたがいなくなったら
あたしはどうなってしまうだろう?
持ち上がらない位に首をもたげて泣くのかなぁ
寒さに堪えきれずに 温もり求めた先に
あなたの指と腕がある
それでいい それだけでいい
出典: 三国駅/作詞:AIKO 作曲:AIKO
まずは、導入部分です。
目の前にいてくれるあなたの温もりを目一杯に表現しています。
つらい時や苦しい時を「寒さ」という言葉で表現し、それほどあなたに頼っていて、いなくなったら困る。
そんな危機感がヒシヒシと伝わってくる冒頭になっています。
あたしにとって、あなたはとてもとても大切な人なのでしょうね。
万が一あなたが、あたしの目の前からいなくなってしまったら…。
きっとあたしは、もう1人じゃ生きていけないかもしれないなあ。
大切な人がもしいなくなってしまったら、ということを考えるのはとても辛く悲しいことです。
それを想像したら、思わず涙が出てきてしまう。
なかにはもしかしたら、それぐらいに感受性豊かな方もいらっしゃるのではないでしょうか。
変わり映えの毎日、だけど
毎日が昨日の様だったのに
何を焦っていたの?
出典: 三国駅/作詞:AIKO 作曲:AIKO
そして、Bメロに入ります。
「毎日が昨日のよう」というフレーズからは、変わり映えしない日々を表していると考えられます。
どれだけ日々を繰り返しても、昨日と同じ。
それは安心感もありますが、変わらない自分に苛立ちを覚えてしまうこともあるものです。
そして、そうやって焦ったのは「あなた」ではないでしょうか?
私自身は、変わらないことに焦りもなく安心しています。
しかしそれも含めてこの変わらない現状や私の気持ちを、「あなた」は打破したかったのかもしれません。
当たり前の毎日が、なんの代わり映えもなくずっと続いていくこと。
本当は、それが何より一番幸せなことなのです。
ですが時に、特に若い人にとっては、それが退屈だと感じることが多いのかもしれません。
当たり前にある日々の尊さに気付くことができるのは、もう少し先のお話のようですね。
街並みは変わらない、けどあたしは変わってしまう
変わらない街並み あそこのボーリング場
焦っていたのは自分で
煮詰まってみたり 怖がってみたり
繋いだ手を離したくない
出典: 三国駅/作詞:AIKO 作曲:AIKO
そして、サビが訪れます。
ここで三国駅周辺の情景が描かれているわけですね。
また、Aメロでは焦っていたのは「あなた」でした。
しかし、ここでは焦っているのは実は「自分」だと歌っています。
「変わらない街並み」を確認したことで、変わっていくことへの焦りを感じているのです。
それは、自分自身であり、「あなた」の気持ちではないでしょうか。
変わらないものを繋ぎとめておきたいと焦っている気持ちが上手に表現されています。
きみは、ありのままでいいんだよ
「苦しい時は助けてあげる だから安心しなさい」
自由に舞う 声がする
それでいい それだけでいい
出典: 三国駅/作詞:AIKO 作曲:AIKO
そして、2番に入っていきます。
変わっていくことへの焦りを「あなた」は察してくれて優しい言葉を投げかけてくれます。
何も難しいことはありません。
ありのままでいるだけでいいんだよ。
そんなきみが大好きで、きみにずっとそうやっていて欲しいだけだから。
そんな愛に溢れたあなたの声が、まるでどこかから聴こえてくるようです。
あなたの隣で自信を持って笑えるあたしに
息を吸おうとする意志
真っ直ぐに あなたを見つめる為
出典: 三国駅/作詞:AIKO 作曲:AIKO
そうやって、正直に面と向かって優しく向き合ってくれる「あなた」に対して。
自分もしっかり向き合わなければいけないという気持ちを「息を吸おうとする意志」という言葉で表現しています。
優しく、けれど強い意志をもってあたしに声をかけてくれるあなた。
あたしにはもしかしたら、そんなあなたと胸を張って一緒にいられる自信がまだあまりないのかもしれません。
けれど、胸を張ってあなたと一緒にいられる人間になりたい。
あなたの隣で、笑い合いながら一緒に歩いていける人間になりたい。
そんな強い願いに似た思いは、確かに胸の内にもっているのでしょう。
あなたに相応しい、強くて美しい人間になりたい。
だからあたしは、強くなるね。そんな彼女の決意が、私たちにも強く伝わってくるようです。
過去の自分に胸を張れる自分になりたい
育ってく小さな心を見落とさないでね
少しならこぼしていいけど
スカート揺れる光の中の
あの日に決して恥じない様に
出典: 三国駅/作詞:AIKO 作曲:AIKO