舞台は夏ではなく春
TUBEをイメージする季節といえば、夏と回答する人が大半ではないでしょうか。
けれども本曲には卯月、皐月、といった明らかに春を表す語彙が出てきます。
そうなんと、TUBEが春を舞台にした曲をリリースしているのです!
暑い夏を前に芽生えた恋心。
夏のギラギラした太陽の下生まれる恋心とは、少し違った趣がありそうです。
果たしてどんな展開を見せるのか。
ボーカル前田亘輝が、大人の恋心を切なくしっとりと歌い上げています。
『めざましテレビ』とのタイアップソング
フジテレビ系列で1994年から毎朝放送されている朝の情報番組『めざましテレビ』。
そのテーマソングを2003年に担当したのがTUBEでした。
当時注目を浴びたのが、1年を通して春・夏・秋・冬の四季にあわせ、全てTUBEが楽曲を提供すること。
そのトップを飾る春をイメージし完成したのが、本曲【青いメロディー】です。
放送開始後すぐにTUBE39枚目のシングルとしリリースされ、同年6月まで番組のオープニング曲として放送されました。
また本曲に続く、夏・秋・冬をテーマにした曲のCDジャケットも話題に。
全て地球をモチーフに同じ構図で、四季に合わせストーリー性を持たせたデザインになっています。
見て、聴いて楽しめる4部作です。
初めて味わう感情
人生初の気持ち
君に出逢うまで 知らなかったこの気持ち
いま胸の奥で 消えない波の音が響くよ
出典: 青いメロディー/作詞:前田亘輝 作曲:春畑道哉
歌は、この歌の主人公である僕の感情を説明するところから始まります。
彼の人生の中で、これまで感じたことのない気持ちがどうやら渦巻き始めたようです。
人は経験によって学習する生き物なので、大抵初めてのことに警戒心を抱きます。
なので君によって引き起こされた感情に、かなり戸惑いを感じているに違いありません。
なぜか胸の奥がドキドキ、ザワザワして、海の青い波のように、寄せては返すの繰り返し。
その感情が収まることはないのです。
君との出会いが、彼の人生に大きな影響を与え始めた瞬間です。
なぜ祈るのか
何気ない会話もとぎれないように
なぜか祈ってばかり
出典: 青いメロディー/作詞:前田亘輝 作曲:春畑道哉
このフレーズを聴いて、大きく頷いている人も多いのではないでしょうか。
仕事や勉強など、話す目的や内容が決まっていれば、会話はスムーズに進みます。
しかし他愛のない会話を続けるのって案外難しいものです。
会話が途切れてしまうと、一緒にいることが何となく気まずくなってしまいます。
それどころか、じゃあまたねと、さよならを切り出されてしまう恐れも...。
今の彼はそれは絶対に嫌なのです。
1分1秒でも君と一緒にいたい。
そう思う彼は必死です、何としてでも会話を続けようとしています。
うまく話題が繋がってくれ、どんなことでもいいから話し続けてくれ、そう祈るしかありません。
恋する人にとって、共感度抜群のフレーズですね。
青いメロディーとは
痛みと甘さと切なさと
痛みにも似た 甘く切ない青いメロディー
出典: 青いメロディー/作詞:前田亘輝 作曲:春畑道哉
タイトルにもなっている青いメロディーとは、一体何を意味しているのでしょうか。
恐らく冒頭に出てきた、胸の奥で消えない波の音。
つまりドキドキ、ザワザワといった胸騒ぎに近い感情をメロディーとして表現したと考えられます。
君と出会って初めて芽生えたその感情は、彼を甘美の世界に誘い、同時に、もどかしさ、切なさをもたらしました。
胸が締め付けられるような痛みまで伴う、今まで経験したことが無い状況に彼は今直面しているようです。