常に愛を伝え続けてきたマカロニえんぴつ
テレビアニメ「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」のエンディングテーマに起用された「mother」。
他にもテレビCM等で耳にするなど、マカロニえんぴつの楽曲が世に広まり続けています。
その多くが、なかなか言葉にできない「愛」や「恋」、そして「友情」をテーマにしたもの。
聞き手の心にすんなりと入ってくるような言葉選びに、作詞を担当するはっとりさんのセンスが光ります。
そもそもマカロニえんぴつは、メンバー全員が音楽大学卒と経験が豊富なのも特徴です。
それぞれの個性やセンスを最大限に活かし、唯一無二の楽曲を作り続けているのですね。
僕は魔法が使えない
自分の取り得が分からなくなっている僕
優しさは優しい人が使える魔法
じゃあ僕はただの人でいるしかないの?
どうだろう
出典: mother/作詞:はっとり 作曲:はっとり
曲の出だしから、「魔法」という言葉をチョイスしたはっとりさん。
優しい人は世の中にたくさんいて、それは別に珍しいことではありません。
しかし、自分が心の底から優しくなれないからこそ、優しい人を特別な存在だと定義しているのです。
なかなか優しくなれない僕は、ただの「人間」。
そして優しさを持っている人は、優れた「魔法使い」……。
両者の差は些細なものに見えて、当人たちにとってはかなり大きなものなのです。
そんなただの人で終わりたくはないけれど、本当に僕には取り得がないのか……。
そんな疑問を、自分に投げかけてみたくなる1節です。
変わらない「守りたい人」とは
帰る場所はね 変わってゆくけど
なあ母さん、僕は守る人を変えたりしない
出典: mother/作詞:はっとり 作曲:はっとり
ある日大切だと思った「誰か」も、いつの日か心変わりして避けるべき存在になってしまうかもしれません。
相手との間にトラブルがあったり、自分を取り巻く環境が変わったりと、そのきっかけはきっと些細なもの。
歩く方向が変わると、人は今までと同じように考えることが難しくなることがあるのです。
しかし、「僕」はそれでも、守りたいと思った人を生涯守り抜く、と母に誓っています。
自分のことを1番よくわかっているだろう母に向けた「誓い」は、生半可なものではありません。
「あなた」に分かってほしい、本当の自分
あなたは何て言うかな
ときより弱気で ちっぽけで
迷うことにも迷う僕に、何て言うかな
探していた今日と違って
落ち込んでしまう僕を笑うのだろう
出典: mother/作詞:はっとり 作曲:はっとり
これまで母に産み育ててもらい、ようやく自分の足で立つことができた僕。
初めて守りたいと強く思えた人も現れ、大人に向けて足を進めていきます。
しかし、誰かと一緒にいるということは、お互いを深く知り合うということです。
決断が苦手で、強い決意もない僕を、さらけ出さなくてはいけません。
嫌われるかもしれない、馬鹿にされるかもしれない、そんな不安を抱えながら……。
マイナス思考の主人公は葛藤に葛藤を重ねますが、「あなた」はそんなに嫌な人ではありません。
思い通りに行かない主人公を見捨てることなく、にこやかに笑いながら一緒に歩いてくれる人です。
それに気がついたとき、「僕」も初めて自分の心の内をさらけ出せるようになるのです。
色々なことがありながらも、幸せ
魔法が使えるようになった自分
愛しさも憎たらしさも学んだようです
気分により魔法は使えるようですね
相変わらず仲間たちは不仲でして
それにつけてもワタクシ幸せもんです
出典: mother/作詞:はっとり 作曲:はっとり