阿部真央【愛してる】
アルバム「貴方を好きな私」収録曲
2019年、デビュー10周年を迎えたシンガーソングライターの阿部真央。
10周年を記念して同年にベストアルバム「阿部真央ベスト」をリリースしました。
タイトルリストには彼女の大ヒット作品が名を連ねます。
ティーンの頃から活躍し、その繊細な共感性の高い歌詞で若者の心を掴んできた彼女。
もちろんベストアルバムに収録されているのは「名曲」と呼ばれるのに相応しい作品ばかり。
しかし、実はそれ以外にも隠れた名曲がたくさん存在しているのです。
【愛してる】に対する阿部真央の想い
愛する事で誰かを許す
実は、今回ご紹介する【愛してる】に対して阿部真央は少し特別な想いを抱いていたそうです。
下記のリンクから飛べる、アルバム「貴方を好きな私」についてのインタビューをご覧ください。
そこで彼女は、初めて愛する事で誰かを許せるという感覚を持てて嬉しかったと語っています。
これまで「こんなに私は貴方の事が好きなのに」という一途な乙女心を描いてきた彼女。
しかし、それとは少し違い、大きな愛を持って誰かを愛する気持ちを歌っているのが【愛してる】です。
「恋」と「愛」の違い、そこに焦点をあてて歌詞をみていきましょう。
阿部真央 『貴方を好きな私』 - TOWER RECORDS ONLINE
阿部真央 『貴方を好きな私』 - タワーレコード
「幸せ」とは?
まずは1番のAメロ・Bメロ、そしてサビをご紹介しましょう。
ここでは、曲の主人公がしている恋が一体どんなものなのかについて語られています。
主人公にとっての「幸せ」に注目です。
この恋が教えてくれた
気まぐれに揺れないで 愛し合おう、触れていよう
見つめて その瞳で 僕を映して
手に入れる事だけが全てじゃない 君に出会って
初めて そう思えたから
出典: 愛してる/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央
まず最初に注目したいのは、3文目。
ここから、主人公が愛してるのは恋人ではなく片想いの相手だという事が分かります。
けれど普通の純粋な片想いではないのでしょう。
1文目に「気まぐれ」という言葉から、少し自由奔放な性格の相手だという事も想像できます。
主人公は片想いの相手にとって都合よく扱われる存在。
肌と肌で触れ合うことはできても心を通わせることはできません。
決して手に入れる事はできないのに、主人公は諦める事ができないのです。
それどころか片想いの相手と一緒にいられるだけでいいとすら思える恋。
主人公は独りよがりではない「愛」をこの恋に教えてもらったのです。
切ないけれど、どこか尊いものにも感じられます。
強い想い
離したくない この世界中の誰を敵に回しても
遠ざかる今日 振り返るその時に 笑う君に会いたい
出典: 愛してる/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央
Aメロでは冷静で穏やかな気持ちを見せていた主人公。
しかし、Bメロでは強くて熱い片想いの相手への気持ちが溢れ出ています。
もしかしたらその相手には、すでに本命の人がいるのではないでしょうか。
周囲の人には秘密の恋。
もし、バレてしまったら多くの人に責められてしまう恋でもあります。
それでももう後戻りはできません。
1日の終わりに見たいのは好きな人の笑顔…。
「ずっと一緒にいたい」という気持ちを、こんな風に表現できる阿部真央の力に感服します。
「幸せ」は自分で作る
幸せと言う言葉で 君を形どるから
いつまでもいつまでも 愛してる
出典: 愛してる/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央