ジャパニーズR&Bのパイオニアでキングである久保田利伸

久保田利伸のアルバム『Beautiful People』!

久保田利伸【LIFE】歌詞の意味を徹底解釈!“特別だった出会い”とは?刹那の物語について紐解く!の画像

久保田利伸といえばいわずとしれたジャパニーズR&Bのパイオニアです。

アメリカのR&Bの影響を受けています。

それを日本人受けするメロディアスなR&Bに解釈しました。

しかも品のなさのようなものが全くありません。

したがって非常に女性受けします。

つまりキュンとなる歌詞が多いのが特徴です。

とはいえ、アメリカ・ニューヨークでデビューしたのは骨太の証でもあります。

その久保田利伸が2019年11月27日にニューアルバムを発売しました。

ジャケットにビックリ!

プリンスのLoveSexyを彷彿とさせました。

実は久保田はプリンスの大ファンです。

それはさておき、遊び心たっぷりのアルバムジャケットとなっています。

楽曲『LIFE』は本アルバムに収録されています。

ドラマの主題歌に採用された楽曲『LIFE』

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楽曲『LIFE』は、ドラマ「病院の治しかた~ドクター有原の挑戦~」の主題歌です。

ドラマの概要は倒産寸前の病院を再建するストーリーで実話をドラマ化しました。

楽曲『LIFE』は切ないラブソングですから、不釣り合いかもしれません。

ですが、「LIFE」(生命)というタイトルが病院を舞台としたドラマに合うとも考えられます。

また、優しい歌詞が本ドラマのストーリーにピッタリです。

別れた相手の幸せや自分の生きる意味を信じるというような歌詞となっています。

では、歌詞を深掘りしていきましょう!

さっそく歌詞を紐解いてみましょう

特別だった出会いと別れ

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特別だった出会い 叶わなかった願い
静かに鼓動に抱いて
Live your life, be alright

出典: LIFE/作詞:Tohinobu Kubota 作曲:Toshinobu Kubota

いきなりこの恋が叶わなかったという状況を彷彿とさせる歌い出しです。

「叶わなかった」けれど特別「だった」と歌っています。

なぜ特別だったのかが語られていません。

なぜ叶わなかったのか?

それも語られません。

したがって、聴く人が自分の状況に投影させて聴くことができます。

往々にして、久保田利伸の楽曲にはそういう曲が多いです。

状況を説明しないのです。

感情、心、気分を歌う歌詞が多いという印象があります。

それが逆に多くの人の想像をかき立て心をつかむのです。

さて、歌詞に戻ります。

片思いだったのか?

あるいはつき合ったけど結婚までは至らず別れたのかもしれません。

しかし主人公は想いを胸に抱いて相手の幸せを祈ります。

「想いを胸に抱く」ことが「鼓動に抱く」と表現されているのが心憎いです。

ドキドキと胸が高鳴る様子が表現されます。

美しい感情表現が上手な久保田ならではです。

後戻りできない関係

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失うのは怖くて 戻り道もなくて
歩き出す黄昏へと
Live your life, be alright

出典: LIFE/作詞:Tohinobu Kubota 作曲:Toshinobu Kubota

彼女との関係性を彷彿とさせるフレーズとなっています。

失うことが怖いくらい大事なのです。

しかし、元に戻ることができないくらいこじれてしまっています。

許されない関係なのでしょうか?

例えば家庭がある女性?

ここでも詳しくは説明されません。

困難な恋に悩む全ての人の感情に語りかけます。

そして黄昏の中を独り歩き出すのです。

黄昏とは?

独りでセピア色の黄昏の中を歩く様子が描かれます。

また相手の女性と別れて、あるいは諦めている様子が切ない色の表現です。

こういう詩的な表現が、特に女性の感情に訴えかけます。

これが女性ウケする秘密のひとつでもあります。

人生と出逢いとは

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さよならの来ない めぐり逢いはない
めぐり逢いのない 道も決してない

出典: LIFE/作詞:Tohinobu Kubota 作曲:Toshinobu Kubota

人とのめぐり逢いと人生についての語りです。

生きていれば人とめぐり逢うことは数多くあります。

しかしながら、めぐり逢っても別れることになるというのです。

「めぐり逢い」とは漢字の語感から、男女のめぐり逢いのように思えます。

つき合うことになっても、必ず別れを予感するものです。

別れを覚悟してつき合わないと相手に期待しすぎて依存してしまいます。

例え結婚したとしても同じです。

別れることは多々あるし、最終的には死別というものさえあります。

「人は皆ひとりである」というのは言い古された極論ですが、真理です。

大人的な心境でもあります。

こういう表現から、「久保田の歌詞は大人だな」と思うのです。

聴きやすく万人受けする歌詞なのに、根幹は大人でかつ深遠であるといえます。