刹那の物語
雲と太陽に自分の想いを投影する
いつか雲は流れ 太陽に肩抱かれ
そして雨を抜けて行く
Live your life, be alright
出典: LIFE/作詞:Tohinobu Kubota 作曲:Toshinobu Kubota
ここでは、雲や太陽に自分の想いを投影します。
愛する特別な人と別れ、雲の流れのように太陽を浴びて生きていくのです。
心に雨の降るような心境の日もあるかもしれません。
ですが生きていくのです。
3行目の「Live your life, be alright」はこう言っています。
「自分の人生を生きよ、きっとうまくいく」です。
先ほどドラマの解説のところで、タイトル「LIFE」を「生命」と訳しました。
ドラマの趣旨に合わせてのことです。
しかしながら、本来のタイトルの意味は「人生」であることがわかります。
変わりゆく街で刹那の物語を見る
移ろう街のかたち 刹那の物語
くり返す新しい朝
Live your life, be alright
出典: LIFE/作詞:Tohinobu Kubota 作曲:Toshinobu Kubota
今度は一般的な人生への思いを語ります。
移ろう街とは、街の移り変わりへの感慨深い思いです。
長く生きていれば特に、街の様相が変わってしまうことを経験します。
新しい店ができてはなくなる、古いビルが取り壊されて高層ビルが建設されるなど。
古い言葉でいうと「諸行無常」のような気分になります。
そしてその街の中で、人は出逢いと別れをくり返すのです。
街に生きる全ての人に出逢いと別れがある。
それを「刹那の物語」といっています。
主人公は自分が愛する人と別れる運命にあったことを何とかして納得しなくてはなりません。
そんな思いからまわりの街並みに思いを巡らせることになります。
誰もがみんなそういう思いを抱えて生きているのだと思うのです。
切ないですが、そうやって次の朝、次の出逢いを待たなければなりません。
そして、朝の来ない夜はなく、人生は終りを迎えるまで続いていきます。
2番の歌詞を読み解いていきましょう
幸せと悲しみは裏表
悲しみを知らない 幸せなんてない
幸せ探せない いのちなんかない
出典: LIFE/作詞:Tohinobu Kubota 作曲:Toshinobu Kubota
2番の歌詞でも、人生に対する大人的考察がなされます。
2行目に歌われているように生きる人は誰でも幸せを探し求めていいのです。
それは理解できます。
しかし、1行目の意味とは?
非常に深いフレーズで、哲学的ともいえます。
悲しみの経験を知っているから、その逆である幸せが際立つように感じるのか?
自分に悲しみの感情があり飢えを感じているから、幸せを求めるようになるのかもしれません。
悲しみの感情をうちに秘めているから、他人に対して優しくなれたり幸せを願えたりするのか?
非常に多面的なフレーズで、逆説的であるからこそ想像が膨らみます。
久保田はそれをさらっと流すように歌っているのが驚くべきことです。
2人の人間の理想的な関係とは
時には寄りかかり いつでも肩を貸し
ただ真ん中で受け止めて
Live your life, be alright
出典: LIFE/作詞:Tohinobu Kubota 作曲:Toshinobu Kubota
印象的なフレーズとなっています。
2人の人間は、寄りかかったり肩を貸し合ったりするのが理想的です。
男女の場合にも、どちらかがどちらかに依存してはいけません。
例えば女性なら、メンヘラ的になってもお母さんになってしまってもいけないのです。
真ん中のところでバランスが取れているのがいいということでしょう。