また今度
それじゃ、今日はここでおしまい
だからまた声聞かせて
もし、消えたくなったら
誰より先に
僕に知らせてくれ
出典: YUBIKIRI/作詞:シノダ 作曲:ゆーまお
サビの後半部分の歌詞です。
主人公の元には誰かが相談にきていたのかもしれません。
その相談を今日はもう切りあげてしまって、また今度話すことを提案しています。
それは一見すると冷たく突き放しているように感じるかもしれません。
しかしもし辛くなったら自分へ真っ先に連絡するようにと伝えています。
それは誰よりも相手のことを気にかけているからこその言葉でしょう。
「悲しい」も当たり前の感情
風邪を引くかのように
巡り会ってしまうんだもんな
悲しい顔のひとつも
あっちゃいけないなんてないさ
出典: YUBIKIRI/作詞:シノダ 作曲:ゆーまお
ここからは2番の歌詞です。
人が風邪を引くときには、数日前から何かしら不調を覚えることでしょう。
そうした何かの予感めいたものを感じて、主人公は何か気分の落ち込むことがあったのかもしれません。
風邪を引くと普段は感じない心細さを感じてしまうものです。
何かのきっかけがあって、主人公もそれに近い感情を抱いたのでしょう。
そうした普段と違う感情を前に、主人公が戸惑っているようにも感じられます。
抱いた感情のままに落ち込んでいれば、きっと誰かが心配してくれるでしょう。
しかしそれは悲しんでいることが良くないことである、という意味にも捉えられます。
本来であれば「悲しい」という感情は人が当たり前に抱く感情の1つです。
それを誰かが慰めてその感情をなくそうとすることへの違和感を覚えているように読み取れます。
人の目は気にしないで
他人に興味のない他人
渋谷の空中は白々しいキャンバスだ
何描いたっていいよ
誰も見ちゃいないから
出典: YUBIKIRI/作詞:シノダ 作曲:ゆーまお
渋谷には多くのものや人が溢れかえっています。
しかし人同士の繋がりはどこか希薄で、他人に興味のない人も多いことでしょう。
主人公と同じように自分の身近なものだけで十分であり、それ以外に目を向けていないのです。
そうした中で、他人同士の間には白々しい空気が漂います。
人の目を気にしてしまって好きなことができない、という人もいるかもしれません。
しかし実際にはそこまで誰も注目していない、ということにも気付かせてくれる歌詞です。
主人公の見たいもの
くだらなさ過ぎてちょっと
笑っちゃうくらいのやつ、見せてよ
出典: YUBIKIRI/作詞:シノダ 作曲:ゆーまお
誰もが他人に注目していない中で、主人公は何かをしようとしている人に注目しているようです。
それは高尚なことではなく、世間的にみればくだらないことかもしれません。
他人が一度みればそれ以降見向きもしないということもあり得るでしょう。
それでも主人公は行動することを促しています。
人を気にして行動できない人の背中を押しているように感じられる歌詞です。
我慢する日々
水溜りにうつり歪んだ
みたいな顔で笑う毎日は
とても当たり前過ぎるようで
合わない靴を履いてるみたいで
足りないものの影、形を想う
出典: YUBIKIRI/作詞:シノダ 作曲:ゆーまお
自分のしたいことを我慢して生きていれば、自分の素直な感情を出さない日々になってしまいます。
誰かに合わせて生活することで、自分の感情を常に押し殺している人もいるかもしれません。
しかしそれでは心から笑うこともなくなってしまうでしょう。
水たまりには浮かんだ顔は波紋に合わせて歪んでしまい、笑顔とはいえないものです。
そうした顔を浮かべながら日々を当たり前だと思って過ごしているかもしれません。
しかし感情を押し殺すことの違和感を常に抱えることになってしまいます。
足に合わない靴は歩きづらく、足を痛める原因にもなるものです。
それと同じように抱えた違和感は日々を重ねるごとに大きくなり、生きづらさや心の中の傷を増やしていきます。
それが当たり前になっているとどうすれば状況を変えられるのか分からなくなってしまうでしょう。
状況を変えるために必要な何かを求めていると読み取れます。