とろとろとろとろとろけちゃう
あたしの1番 弱いとこ
もうどうにかなっちゃいそうよ cherry heart
出典: チェリボム/作詞:すぅ 作曲:クボナオキ
主人公の思いは届いているのでしょうか?
あまりにも無邪気に主人公の弱いところをついてくる「君」。
いや、もしかしたら「君」は主人公がもだえる様子を見て楽しんでいるのかもしれません。
だとしたら、なかなかイジワルな人物ですね。
そんな「君」の言葉に対して、まるで哀願するかのように心地よさを訴えている主人公。
「もっと話して、とろけさせて!」
頬は上気し、目がトロンとして、ろれつが回らなくなっているような姿を想像してしまいます。
もしくはもう女性はもう自分の世界に完全に入って他が見えていないことを想像させるフレーズでしょう。
「あたしの1番 弱いとこ」という言葉選びがまた絶妙で、この歌詞をどう解釈するかによってかなり意味合いが変わります。
恋人の男性は彼女の無防備な部分を引き出そうとするのですから、これはとろけてしまっても仕方ないのではないでしょうか。
ここまで来ると、主人公は完全なトランス状態、即ち「ゾーン」に入っていることになるのです。
耐えられない!
そわそわそわそわそわしちゃう
あなたのいちばん弱いとこ
どうにかしてあげるわ
キュンとしちゃうでしょ つつかれすぎて
もっと もっと 真っ赤になっちゃうの
弾けて もっと 熱く 熟して
絶対的にあたしを愛して
弾けて もっと 熱く 熟して ねぇ
ah chuku chuku
cherry cherry bomb!
出典: チェリボム/作詞:すぅ 作曲:クボナオキ
しかし、主人公も攻められてばかりではありません。
相手の弱いところ、胸キュンポイントを巧みにくすぐっていくのです。
そして、じゃれ合うように掛け合いながら互いに想いが昂ぶる「あなた」と「あたし」。
身体中が火照って赤く染まります。
下の2行は1番で登場したものとまったく同じ歌詞ですが、意味合いが少し異なると読めます。
- 1番の場合は、主人公自身が赤くなると恥ずかしそうに宣言している
- 2番の場合は、相手も赤くなっていると(イジワルそうに)告げて同意を求めている
「でしょ」という短い言葉ながら、どちらともとれる深い歌詞です。
つまり1番の段階では主人公は完全な受け身であり、あくまでも相手の出方を窺っています。
それを受けて2番では今度は相手の男性の弱点をどんどん攻めていき、攻守逆転によって物語を動かすのです。
ここで秀逸なのは主人公がきちんと「受ける」演技が出来ていることを分かりやすく示している所でしょう。
男性女性関係なく、主人公は基本的に「受ける」芝居というか相手とのキャッチボールが上手く出来ないといけません。
裏解釈の方向であったとしても、男女の関係は基本的に会話とフィジカルコンタクトのキャッチボールです。
一方的に攻められてばかりではキャッチボールが成立せず、常に双方向性を伴っての駆け引きが大事ではないでしょうか
コーダ
止まらない!
男の子も
(cherry bomb! cherry bomb!)
女の子も
(cherry bomb! cherry bomb!)
cherry!(bomb!)×4
いや だめ
No! No! No! Noooooo!!!!
出典: チェリボム/作詞:すぅ 作曲:クボナオキ
そして、こんなに激しい気持ちになること、妄想を膨らませることに男子女子は関係がありません。
はじける想いを表す言葉が「さくらんぼ爆弾」なのです。
拒否の台詞を言いながら、本当はもっと激しいコトを求めている…。
最後の2行は、恋する気持ちの興奮度に自分の体が悲鳴をあげているように読めます。
この段階に入ると、主人公も男性も完全に身も心も1つにしてしまっており、一気に絶頂へと導かれていきます。
これは特に好きな人との間に起こるものであり、恋の炎は本当に好きな人であればある程燃え上がるものです。
ラストの「No! No! No! Noooooo!!!!」は間違いなく絶頂に到達している女性の姿ではないでしょうか。
ここまで見ていくと、完全に初心な女性と男性の若さの滾りに身を任せた初体験と解釈してもおかしくありません。
ラストに持っていくまでは幾分ぼかしながら表現してきた2人の関係性をサビの部分で一気にクライマックスへ持っていくのです。
それでいて、決して悪い意味でのいやらしさを感じさせず、あっけらかんとしているのが素晴らしい所でしょう。
本当に好きな人ならば、その気持ちを隠す必要はどこにもなく、お互いが素直だからこそ出来るのです。
はじけちゃう!
弾けて もっと 甘く 熟して
どこまでもあたしを愛して
弾けて もっと 甘く 熟して ねぇ
ah chuku chuku
弾けて もっと 熱く 熟して
絶対的にあたしを愛して
弾けて もっと 熱く 熟して ねぇ
ah chuku chuku
cherry cherry bomb!
出典: チェリボム/作詞:すぅ 作曲:クボナオキ
最後は冒頭とサビで登場する歌詞のリフレインです。
もう、自分で止められないくらい感情が暴走していることを表しているのではないでしょうか。
「チュクチュク」というオノマトペは、じゃれあいながら行うスキンシップを意味しているようにも思います。
タイトルにある爆弾が炸裂したような、そんな爆発的な勢いを持ったまま、曲が終わるのでした。
ここでは冒頭で用いたフレーズを繰り返し用いながらも、意味上の差別化を図っています。
冒頭が初めて経験することへの盛り上がりだとするなら、ラストは経験後のゆったりとしたひとときを表わしているのです。
お互いに一線を超えて、より強くお互いへの思いが湧き上がり、まだまだこれから先へ愛が深まることを示しているのでしょう。
大人気のMV
キュートでポップ、そしてちょっと変?
こちらは、YouTubeの公式チャンネルで公開されているMVです。
アルバム「S」の初回限定生産版にも収録されていますよ。
「チェリボム」はSILENT SIRENのなかでも人気のMV。
冒頭でも書きましたが2019年12月現在、再生回数は1,200万回を超えています。
キュートなタイトルロゴ、カラフルな衣装、可愛らしい振り付け、そして何故かマッチョ。
筋肉ムキムキの男性は何を意味しているのか、ちょっと不思議な感じがします。
しかし、そんな謎の設定も楽しい雰囲気のなかでは「まあいいか」と思わせてしまいますね。