ホテルで死んだという解釈
もうひとつの解釈は、二人がホテルで心中したという解釈です。
うるさいテレビのプラグは二人には必要のないものだった…。
ただ気持ちを確かめることが出来ればよかったのでしょう。
部屋のドアが金属でつくられていることが、もう部屋を出ることが出来ないと感じさせます。
ベットの中で魚になったあと
出典: リバーサイドホテル/作詞:井上陽水 作曲:井上陽水
この歌詞をベッドの上で心中した、と解釈することも出来ます。
もう出ることはない部屋で、心を通わせながら死んだのではないでしょうか。
魂となった二人は自由を得て、川をプール代わりにして泳いだのでしょう。
もう死んでしまったので、昼(生者の世界)は戻ってきません。
永遠に夜の世界なのです。
三途の川を渡る前に、このホテルで二人きりの時間を楽しんでいるのではないでしょうか。
ちなみに三途の川は死後7日目に渡るものとされています。
サビの歌詞
同じフレーズ
ホテルはリバーサイド
川沿いリバーサイド
食事もリバーサイド
Oh リバーサイド
ホテルはリバーサイド
水辺のリバーサイド
レジャーもリバーサイド
Oh リバーサイド
出典: リバーサイドホテル/作詞:井上陽水 作曲:井上陽水
サビの部分の歌詞は、1番からラストの大サビまで、ほぼ同じフレーズの繰り返しです。
寂謬感に溢れていたAメロやBメロとは打って変わって、宣伝文句のような繰り返しと、ホテル名を連呼する歌詞が続き、まるでCMソングのようにも感じられます。
歌詞を眺めていると、頭の中を歌がぐるぐると回り出しそうです。
三途の川を渡る前の数日間の様子
上記したように、サビの部分は繰り返しによる恐怖を感じる箇所です。
そしてこの様子は、三途の川を渡る前の二人を描いているのではないでしょうか。
二人は生者の世界へは戻ることが出来ません。
全ての生活は三途の川の側なのでしょう。
または、二人が死んだ場所とも解釈出来ます。
地縛霊という言葉があるように、二人は自分達が死んだホテルに留まっているのかもしれません。
不思議な歌詞は井上陽水の手腕
本曲を聴くと、幾つかの矛盾点に気がつく人がいるのではないでしょうか。
それは二重表現が多用されている点です。
夜明けが明けた時
金属のメタルで
川沿いリバーサイド
出典: リバーサイドホテル/作詞:井上陽水 作曲:井上陽水
上記は全て言葉の意味が重複しているのです。
しかしこれは、わかっていてわざと使用しているのでしょう。
彼の言葉遊びともとれますが、本曲に関しては聴く者に違和感を覚えさせる為ではないでしょうか。
本曲で歌われている場所は、死と生の狭間です。
どこか不気味で違和感を感じる場所なので、同じように歌詞の中にも違和感を覚えさせる場所が多数あります。
川に浮かんだプール
出典: リバーサイドホテル/作詞:井上陽水 作曲:井上陽水
どんなプールなのか全く想像できませんが、この違和感こそ彼の求めるものなのではないでしょうか。