切ない和風の世界観
切なさと寂しさを和風の世界観で表現した羽生まゐごの『ハレハレヤ』。
雪の降る寒い夜、偶然出会った優しさは温もりに満ちていました。
凍てついた心を溶かしてくれた小さな体温。
それはまるで自分の居場所を教えてくれているようで……。
しかし外の寒さは依然として厳しく、ようやく見つけた居場所さえも奪っていきます。
置いていかないで。
そんな悲痛な叫びに胸が張り裂けそうになる。
切ないほどに美しい『ハレハレヤ』の世界に浸ってみませんか?
MVのイラストに心を奪われる
MVのイラストに描かれているのは、積み上げられた本や洗濯物の山。
そんな雑多な部屋の中で、1人の男性が窓の外を眺めています。
男性は1人暮らしで、胸の中に孤独な想いを抱えているのではないでしょうか?
人肌が恋しくなるような寒い夜、自分と同じ孤独を抱えている存在を見つけた。
男性はその存在に目を奪われ、衝動的に家の中へ迎え入れたのかもしれません。
この1枚のイラストから、いくらでも物語を想像できそうですね。
生活感に溢れながら、どこか現実離れしているこのイラストに、心を奪われた人も多いのでは?
温もりの正体は何?
男性と猫の物語
夜の街迷いし穢れの乱歩
何処から来たのよ見窄らしいね
ねぇうちにおいで温めてあげるよ
出典: ハレハレヤ/作詞:羽生まゐご 作曲:羽生まゐご
見つけた温もりは、迷子のように覚束ない足取りで夜の街を歩いていたようです。
「見窄らしい(みすぼらしい)」や「うちにおいでよ」という言葉から、ある動物がイメージされませんか?
恐らく多くの人は”猫”をイメージしたはずです。
野良と思われる1匹の猫が、寒空のしたをフラフラと彷徨っていた。
男性はそれを見つけ、自分の家に入れてあげたのでしょう。
独り者同士、何か相通ずるものがあったのかもしれません。
ここから1人と1匹の切ない物語が始まります。
孤独が重なり合う
今までよく頑張ったよね
ここらで休んでみませんか
ゆっくり話をしませんか
出典: ハレハレヤ/作詞:羽生まゐご 作曲:羽生まゐご
ここの歌詞はなんだか泣けてきますね。
寒い夜を彷徨い続けていた猫に、男性は共感を覚えたのかもしれません。
自分もこの猫と同じように、1人で凍えながら夜を彷徨っている。
誰かに見つけてほしくて、温めてほしくて……。
猫の瞳に自分と同じ孤独が宿っているような気がして、男性は放っておけなくなったのでしょう。
頑張るのはここまででいい。
少し話でもしながら休憩しようよ。
男性はそれを猫と自分自身に向けて言っているのだと思います。
孤独が温もりに変わる夜
男性と猫が過ごす夜は静寂と優しさに満ちていました。
孤独で繋がった1人と1匹。
彼らは互いに友情のような絆を感じていたのかもしれません。