奥華子さんの曲って……
自分でも、気付かないうちに
結構、彼女の曲聴いているんですよ、僕は。部屋の掃除している時とか、仕事を持ち帰って、パソコンを開いて打ったりしている時とか、もちろん通勤の車の中でも……。
でもそれは「とても耳ざわりの良い、日常のBGM」といった感じで、歌詞の意味を深く理解してみる、とか彼女の想いに触れてみるとか、そこまで堪能してはおりませんでした。
もちろん、涙するなんてこともなかったのです。
しかしですね、今回彼女の記事を書く機会を戴いて、彼女の『奥華子BEST-My Letters‐』をじっくりと、深く味わってみました。
その日も僕はちょっと仕事に追われておりましたので、云ってみれば「ながら勉強」状態。でも、それと気付かぬうちにパソコンを打つ指が次第に止まる自分が居たんです。
そのうち、キーボードの上に、ポトッ、と 何かが落ちました。
「あれ??なんだよ俺、泣いてるじゃん……」そう、本当に自分でも気が付かないうちに、僕は彼女の楽曲の「真の魔力」にほだされていたのです!
そして、「ああ……痛い」。その感覚はディスク1の14トラック目、この「最後の恋」で最高潮に達しました。
何故、彼女が「失恋ソングの女王」とか「涙腺破壊者」だと言われているか、初めてその意味をまざまざと、知らされることとなった訳です。
賑やかなストリートから、自分の小部屋に
奥華子さんの「最後の恋」、初めての収録は2009年7月リリースの4thアルバムの『Birthday』です。
ご存知の通り、彼女はストリートミュージシャンの経験を持っています。
最初のアルバム3枚に収録されている楽曲って、彼女がストリートやその時の現場で味わった体験が、特に弾き語り作品において、ダイレクトに表されていたような感覚を持ちました。
だけど、ここに来てそれは少し変わってきたのかな、と。
云わば、ストリートから自分の小部屋に帰って来て、その窓から外の世界を眺めて物思いに耽っている、あるいは思い出を慈しんでいる。そんな印象を持ちました。
「私」でも「あなた」でもなくて、少し第三者目線で時には熱い想いで、時には冷静に、その出来事を観察するような、そんな感じです。
もちろん、彼女の晴れ空のように澄んだ、そして時に青白い炎のように憂いをたたえた歌声は健在です。
涙腺を直撃するその詞の世界観は、相変わらず貴方のハンカチをぐじょぐじょにさせること間違いなし、でしょう。
ちょっと意外だった、アルバムジャケット
ちょっと意外に思ったのが、そのアルバムジャケット。最初にCDショップでこのアルバムを手にした時、僕にはその彼女の佇まいが女性コマンドーに見えてしまいました(笑)。
彼女が小脇に抱えたエレクトリック・ピアノは、まるでアサルトライフル!それは彼女の唯一無二の武器であり、そしてかけがえのない友人、さらに、ある時は身体の一部なのでしょう。
そしてちょっと神妙なその表情は、何か新たなる決意を表しているのでは、と。やはりこの作品は彼女の最初のターニング・ポイントなのかな、と思いました。
このシーンで、次なる戦いを始めるぞ!なんて……。
そしてこれから先も、恋愛、そして生きることの楽しさを褒め称え、苦しさを和らげてくれる処方箋を届けてもらえれば、と思います。
「最後の恋」の歌詞解釈、男の目線で……
では、その切ない、憂いを帯びた女性の「最後の恋」を男の観点から解釈させていただきます。
あ、もう涙はこぼしませんよ。僕は男ですからね。「男は泣かない!」が僕の信条。
F A♯ C C♯dim Dm A♯ C
これが最後の恋だ と お互い思ってたから
F A♯C C♯dim Dm A♯ C
友達に戻ろう な んて 冗談だと思ってた
F A♯ C C♯dim Dm A♯ C F Fsus4
あれから もうすぐ 1 年だ ね 少しは大人になったよ
F A♯ C C♯dim Dm A♯ C F
だけどココに出来 た 隙間は まだ埋められないまま
出典: 最後の恋/作詞:奥花子 作曲:奥華子
「最後の恋」と思えるくらい、二人は熱くその心が燃え上がったのでしょう。壊れてしまったら、1年くらいではその傷は癒えないでしょう。
本当の恋って、人生のうちにそう何回もあるものではないと思っています。多くても3回という説を聴いたことがあります。僕は……あれれれ!?
F A♯C Dm F A♯ C Csus4 C
ずっと考えてるよ どうしてだろう…
出典: 最後の恋/作詞:奥華子 作曲:奥華子
うんうん、判りますよ、その気持ち。何処に行っても、いくら場面が変わっても気がつけば頭から相手のことが離れないんですよね。
僕がよく味わされるのが、相手の名前をフルネームで頭の中で繰り返させられることです。気が付けばウェブの検索で相手の名前を入力してるなんてことがありました。
A♯ F Gm C F
あなたを忘れようとすればするほど ずっと
A♯ F Gm C C♯dim
あなたの全てを 強く思い出してるよ
A♯ F Gm C♯dim Dm
初めて手を繋いだ日 最後に手を 離した日
A♯ C♯dim Dm
会いたいよ もう 一 度
A♯ F C♯dim Dm F A♯ C F
あの時の私に この言葉が言えたなら 今を変えられたかな
出典: 最後の恋/作詞:奥華子 作曲:奥華子
「あなたを忘れようとすればするほど……思い出しているよ」そうですね。想いがどんどん高まって来てしまいます。本当に、忘れたいと願っているのに。
「あの時の私に……言えたなら」後悔……しますね。でも言えないんですよ。二人一緒の時は、それが当たり前、って気持ちになっていますから。
F A♯ C C♯dim Dm A♯ C F Fsus4
二人で撮った写真 も あなたがくれたTシャツも
F A♯C C♯dim Dm A♯ C F Fsus4
たった1年くらいじゃ 色褪せてくれない
F A♯ C Dm A♯ C F Fsus4
寂しさと向き合えなくて 他の人に寄りかかっても
F A♯ F C C♯dim Dm A♯ C F
あなたじゃないという 理由 だけで 余計 虚しくなってた
出典: 最後の恋/作詞:奥華子 作曲:奥華子