どんなに辛く、悲しいことがあっても。僕たち2人の行方を闇が覆い隠しても。
それでも僕は、ずっと君に寄り添うよ。そのような意味のメッセージとして取れるでしょう。
あなたと一緒なら、きっと暗闇もいつか晴れるはず。
僕はそんな風に、2人一緒の明るい未来を心から信じているのです。
こんなに愛情たっぷりの優しいパートナーがいたらいいのに…という理想像かもしれません。
孤独を抱え涙に暮れる状況を、自然や天気にたとえるという美しい描写。
さらに時間を表す言葉を「未来・季節・時計」と置き換えることで詩的な情景が目に浮かびます。
わかりやすい言葉で、とてつもなく広大な空間と時間が描かれています。
「時間が止まったかのように落ち込むことがあっても僕と一緒なら大丈夫!」といったところ。
時空を超えるほどの包容力で「一緒に過ごしていこう」と語りかけられているみたいですね。
音楽的な解釈
この恋人の甘いささやきのような歌詞を、音楽的に解釈してみましょう。
激しいロックにとまどったかもしれないけれど、この歌モノ曲で一息ついて、続きも聴いて!
このアルバムにはまだまだ続きがあるんだ。
ここまでとはまた違った俺たちの顔を、この後は見せていくつもりだから。
そのようなKing Gnuからのメッセージが、もしかしたら込められているのかもしれません。
「ドント・ストップ」には、アルバム「シンパ」の中盤における箸休め的な意味がありそうです。
リスナーがいてくれたら、時間を止めずに先へ進めることができる…といったところでしょう。
聖なる夢
どんな未来が待ち受けていても、君とならきっと大丈夫だと思う。
いつか明るい未来が来るって、僕は心から信じていられるだろう。
孤独を感じても大丈夫!2人で一緒に夢を見よう!
そう愛する人に呼びかけた男性。彼が一緒に見ようと誘う夢とは何なのでしょうか。
夢は忘れがち?
Holy Holy Holy
君の夢を見たのさ
その中身はほとんど
忘れちゃったけれど
出典: Don't Stop the Clocks/作詞:Daiki Tsuneta 作曲:Daiki Tsuneta
ひとくちに夢といっても、将来への願望を表す夢。
そして実際に夜眠っているときに見る夢との2つの意味が考えられますね。
これまでの夢は前者で、今回は後者。
実際の夢に君が出てきたけれど内容はあまり覚えていない…という話です。
唐突なおとぼけにとまどいますが、音楽的な話、ヌーの物語としても解釈してみましょう。
ヌーの音楽を聴いてくれるリスナーの姿が、見えるような見えないような曖昧な状態。
たくさんのリスナーにヌーの音楽を届ける夢を一緒に叶えたいけれど…といった感じでしょうか。
どこかまだ彼らとしても、その発言を断定的にできないような部分があるようですね。
四季折々ともに…
春の風 夏の匂い 木々の色めき
そして今年もまた雪が舞う
そんな日々を好きになれる
あなたとなら季節が巡り始める
時計の針を進めて
出典: Don't Stop the Clocks/作詞:Daiki Tsuneta 作曲:Daiki Tsuneta
これまでのおとぼけは前フリ。
実際に見た夢の記憶、思い描く未来像…そのどちらとも受け取れる美しい光景が広がります。
ヌーとリスナーの物語としてどっぷり感情移入しますと…。
四季折々、ヌーの音楽とともに生きる人生がキラキラと輝き始めます。
もちろん歌物語であることはわかりつつ、個と個の距離感がグイッと縮まるところがヌーの魅力。
ヌー初心者の方も…。
そろそろヌーと同時代に生きるという夢みたいな奇跡を実感し始めたのではないでしょうか。
一躍メジャーアーティストとして、多くの人々の注目を集め始めたKing Gnu。
しかしこの活躍は、彼らにとってはまだまだ物語の序章に過ぎません。
彼らはまだ、新しい世界を切り開き始めたばかりなのです。
これからきっと彼らは、自分達の音楽によって新しい世界を作り始めていくのでしょう。
アーティストによって、新しい世界が、時代が作られていく瞬間。
それは今後私たちが生きていく中で、そうやすやすと何度も見られる光景ではないと思います。
言うなれば我々は、時代の目撃者となるのです。
それってとってもわくわくすることだと思いませんか?
歴史に残る名盤「Sympa」への誘い
さて、最後に再び孤独なあなたへの呼びかけが再度繰り返されます。
その最後の最後がもう鳥肌モノです。
King Gnuはどのような形で、私たちに繰り返し呼びかけてくるのでしょうか?