今回のMVの舞台は学校の屋上。
何故か一瞬見切れる、光でぐるぐる巻きのマサムネさん(多分)が超怖い1本です。
蜘蛛の糸を表現しているかのような光の線は少し「こわい」と感じるかもしれません。
しかし「こわい」要素はそれだけではないのです。
暗い部屋で座っていたりメンバー全員が寝転んでいたりと「不気味」だと感じるシーンが多くあります。
【スパイダー】には、ミュージックビデオからも「こわい」というような雰囲気を感じられます。
歌詞
可愛い君が好きなもの ちょっと老いぼれてるピアノ
さびしい僕は地下室の すみっこでうずくまるスパイダー
洗いたてのブラウスが今 筋書き通りに汚されて行く
出典: スパイダー/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
さて、これ巷では「誘拐の歌」と言われているそう。
でも、その解釈じゃつまらないのでちょこっと無理矢理に別の解釈で言ってみましょう。
さて、まず「すみっこでうずくまるスパイダー」である僕なんですが、これ、いじめられっ子と想像できないでしょうか?
悪い友達に地下室に閉じ込められた彼は、偶然にも彼女もまた連れ込まれた現場に居合わせてしまいます。
彼女もまた、そんな悪いやつらの餌食になろうとしていたのです。
僕は彼女を知っていました。
音楽室でひとり、ピアノを弾いていた憧れのあの子です。
君を連れ去る
だからもっと遠くまで君を奪って逃げる
ラララ 千の夜を飛び越えて走り続ける
出典: スパイダー/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
そんな彼女が今、世界で一番憎たらしいやつらの餌食になろうとしている。
スパイダーは必死の勇気をふりしぼって、彼女を連れ去り逃げ出します。
弱くとも少し賢い彼です、上手いこと、悪いやつらのスキを突いたのかもしれません。
僕は彼女を怖がらせてしまう存在?
可愛い君をつかまえた とっておきの嘘ふりまいて
さびしい僕に火をつけてしらんぷり ハート型のライター
こがね色の坂道で加速したら二度と戻れないから
出典: スパイダー/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
とっておきの嘘とは、彼女を安心させるための嘘でしょうか。
彼女への思いは募るばかりですが、彼女はこんな状況に怯えてばかり。
しかしもう学校には戻れません。
そんな仕返しが待っているかわかったもんではないですから。
さて、ここでスパイダーと「筋書き通り」のネタ晴らしと行きましょう。
ご存知、「スパイダー」は巣を張って獲物を待ち構える獰猛な肉食の虫です。
そして「筋書き通り」。
いじめられっ子だと思っていた「僕」が実は、彼女の心を捕らえるために仕組んだ大芝居だったとしたら?
うーん、どうともとれる歌詞ですね。
つまり僕は彼女を怖がらせてしまうほど「独り占めしたい」と考えていたのだと読み取ることができます。
まとめ
最後に【ロビンソン】【楓】【スパイダー】についてまとめていきましょう。
優しい歌声とは異なる歌詞の内容に驚かれた方もいるのではないでしょうか。
この3つの楽曲に共通していることは「こわい」ということです。
心霊的な怖さや狂気的な怖さが感じられたと思います。
ロビンソン
【ロビンソン】は、僕が彼女の元へ行く様子を歌っているのではないかと考察いたしました。
事故と見せかけて「攫って行った」とも捉えられる内容なのだと感じられます。
それはまるで「神隠し」に遭ってしまったような「こわい」部分なのでしょう。
爽やかな曲調からは感じることができないものなので、じっくり読み込まなければたどり着かない結果です。
楓
その理由は、僕が好きな彼女はこの世にはいないからなのでしょう。
君の存在は僕にとって、とても大きなものではありますが、君はこの世に存在する人物ではないのです。
それが「こわい」と思われている要因であり、この楽曲のポイントでもあると考えられます。
スパイダー
【スパイダー】は、楽曲のタイトル通り「蜘蛛」をイメージさせる描写が多いです。
そして蜘蛛は、自分から出す糸で相手を縛ることができる「こわい」要素があります。
その要素と組み合わさり、楽曲の歌詞にも影響を与えているのでしょう。
そしてミュージックビデオにもその「蜘蛛の糸」を連想させる場面があります。
「奇妙な」印象や「不気味」と感じられる演出で、歌詞の意味を改めて読み込むと「こわい」楽曲なのだと感じるでしょう。