6位は賛否両論を招いた問題作
作詞は御徒町凧のみ
6位 「生きてることが辛いなら」 2008年8月27日 シングル発売
アルバム「あらゆるものの真ん中で」収録
御徒町凧ひとりによる作詞。
色々と物議を醸した作品ですが、センセーショナルな歌い出しだけでは真価は分かりません。
最後まで真剣に向き合っていきたい歌詞です。
生きてることが辛いなら
悲しみをとくと見るがいい
悲しみはいつか一片の
お花みたいに咲くという
そっと伸ばした両の手で
摘み取るんじゃなく守るといい
出典: 生きてることが辛いなら/作詞:御徒町凧 作曲:森山直太朗
あまり語られることのない中盤のこのラインが素敵です。
人生が辛いときにこそ、その悲しみとしっかり向き合い正体を探れ。
悲しみには未来へつながる芽生えがある。
その芽生えを乱暴に扱うことなく、しっかりと受け止めることが大事と歌います。
人生を生きる上で最良の答えです。
御徒町凧はこの作詞が評価されて日本レコード大賞・作詞賞を受賞します。
5位は森山直太朗がステップアップを果たした名曲
人間の業を森羅万象の内で描く
5位 「生きとし生ける物へ」 2004年3月17日 シングル発売 アルバム「新たなる香辛料を求めて」収録
壮大なスケールの歌詞で森山直太朗が確実にステップアップした一曲です。
解釈が難しく一筋縄ではいきません。
それでも人間の生きざまを真摯に見据えています。
ドラマ「愛し君へ」のエンディング・テーマ。
嘘と真の化かし合い
それを眺める天邪鬼
何処も彼処も言うなれば極楽と
数の足りない七並べ
朝焼けは闇の向こう 真実は悲しいほど勝手なもんさ
生きとし生ける全ての物へ 注ぐ光と影
花は枯れ大地は罅割れる そこに雨は降るのだろう
出典: 生きとし生ける物へ/作詞:森山直太朗 御徒町凧 作曲:森山直太朗
人間の業が森羅万象と引き離せないという地球規模、宇宙規模での悟りのようなもの。
「生きとし生ける物へ」の歌詞はとにかくスケールが大きいです。
これまで内省的な歌詞のフォーク・ソング、ラブソングなどを得意としていた森山直太朗。
「生きとし生ける物へ」での飛躍はその後の彼のキャリアの幅を大きく広げるものとなりました。
この曲を生み出したことでギアチェンジを果たした森山直太朗・御徒町凧。
この作品の後も傑作を世に送り出し続けます。
記念碑的な作品です。