君を取り戻すために出来ることは時間を止めること。
止まった時間の中で過去に遡って、愛し合った2人に戻ることを願います。
時計の針を止めるだけでは時間が進むことは止められません。
分かっているけれど、君を取り戻すのに誰もが思いつく方法しか浮かばない。
僕にしかできない表し方で愛を伝えていたはずだったのに。それは勝手な思い込みでした。
愛の伝道巧者であるGACKTさんでも、月並みな言葉しか出てこないなんて。
混乱をしています。いつもの自分ではありません。
心の中にいる君は今も笑顔のままなのに…。
サビの歌詞は君へのより強い愛を訴えかけます。
収まり切れない悲しみを吐き出す切なく甘くサビを歌う声。
無意識のうちに引き込まれるGACKTさんのいつもの声ですね。
ただ一度だけの
忘れないから…
出典: 忘れないから/作詞:Gact.C 作曲:Gact.C
サビの後はこの1行だけ。
歌詞すべての中でタイトルがそのまま出てくるのはここだけです。
もちろん歌詞全体に、君を忘れないという思いは溢れています。
それでも『忘れないから』はここに1回しか出てきません。
君に届くようにGACKTさんが歌います。忘れないよりも忘れたくない君への思い。
1度だけの「僕は忘れない…」をささやく声はGACKTさんの愛で満たされています。
恋の色は変わらないのに…
君がいなくなってからも心は冷めていません。
熱に浮かされたような愛はいつまでもそのままです。
心には赤く残っている
原色のゆらめきは目の前に浮かんでは消える
瞳を閉じても今はあの場所にもう二度と還れない
出典: 忘れないから/作詞:Gact.C 作曲:Gact.C
「原色」は熱く燃える心の色。
自分の心なのに手を伸ばしてもするりと抜けていきます。
心の中は今でも赤く熱く燃えているのにもう形はありません。
消えた愛を取り戻そうと願うけれど、それはもう叶わないこと。
忘れてしまえばこの苦しさから逃れられるのに…。
それでも忘れたくないと、一途に思いながら揺れる心が歌詞になっていますね。
見失うことの無い愛が
このまま時が続けばいいと
ありふれた言葉に願いを込めた
今なら君に明かせるだろう
僕の中にある素直なこの想いを
色褪せはしないから…
出典: 忘れないから/作詞:Gact.C 作曲:Gact.C
再び歌うサビは先ほどとは逆の言葉が出てきます。
前のサビでは「時を止める」ことを望みました。このサビは「時が続く」ことを望みます。
僕の愛が続いていることを君に伝えているのでしょう。
あれこれと策を練った愛よりも、ワンワードで伝える愛です。
月並みで当たり前に見える言葉が心に届くことに気が付きました。
今なら「好き」の一言だけで愛が続くのでは…と切なく願います。
熱い心は冷めていません。「原色」で燃える心はそのままです。
続く愛への願いと燃える心の色。
歌詞にも差し色を効かせるGACKTさんのセンスに脱帽です。
記憶の中で交差する君と僕の視線
虚ろ気な眼差しでなぜ僕のことを見つめるの?
もうすぐ僕もゆくよ
そうすべてが今そこにあるから
出典: 忘れないから/作詞:Gact.C 作曲:Gact.C
歌詞には熱い心を抱えたままの僕がいます。
そして記憶の中で笑顔のままの君がいたはずです。
でも歌詞は君の姿に変化があったことを綴っています。
「虚ろ」という言葉に変わった君に何があったのでしょう。
虚ろにしか僕を見ることができない君。
その後にある「僕も行く」という表現も気になります。
もしかしてもう二度と会うことができない所に君はいるのでしょうか。
君がいる場所に行かないと取り戻せない2人の愛。
何もかも捨てて君の側に行けば僕の願いは叶います。
この後僕が選ぶ道は?続きは最後のサビで…。