錦戸亮と赤西仁が創り出すコロナ禍の音楽
「NO GOOD」は、錦戸亮と赤西仁が2020年4月に開始したYouTubeチャンネル「NO GOOD TV」のテーマソングです。
NO GOOD TVは「2020年のコロナ禍で自粛するファンに家でも楽しめるものを届けたい」という想いから始まりました。
その想いを受けて、NO GOODの歌詞はニューノーマルな世界の楽しみ方を説いています。
そんな曲中のサビで「笑う」というフレーズが繰り返されていますが、一体どういう意味なのでしょうか?
さっそく、ひとつひとつの歌詞を読み解いていきましょう。
洋楽を思わせるR&Bで誘い出される日曜日
着飾らずに休日をともに過ごそうよ
Sunday ライトにシャレた気分 join with me
キミとprivate time
(Let’s go, Let’s go)
出典: NO GOOD/作詞: JIN AKANISHI・Chevy Legato・ES-PLANT 作曲: JIN AKANISHI・Chevy Legato・ES-PLANT
曲名を直訳すると、「良くはない」という意味になります。
忙しい平日を終えれば、待ちに待った休日。
しかしこの楽曲が制作された2020年は、大勢で集まることも、好きな場所に赴くことも難しい状況。
せっかくの日曜日も良い休日とはいえません。
Aメロの歌詞は「そんな日曜日でも僕についておいで!行こうよ!」という誘い文句と捉えられるでしょう。
もちろん、誘い出す先は混雑した場所ではありません。
着飾る必要のないプライベートな2人だけの空間。
そこで素敵な日曜日を過ごさないか?と声をかけるのです。
きっと上手くいくから、イライラするなよ
Secretサインはsmileノーストレス no money too
No mad, Go good
(Let’s go, Let’s go)
出典: NO GOOD/作詞: JIN AKANISHI・Chevy Legato・ES-PLANT 作曲: JIN AKANI・Chevy Legato・ES-PLANT
シークレットサインとは、一見目には見えないけれども本物だけに存在する印を指します。
ここでいうシークレットサインは、休日を楽しもうよと誘い出した側と、誘われた側が持つ見えない印。
つまり共通点のことでしょう。
2人の共通点は「笑顔、ストレスを抱えていないこと、金欠」。
笑顔でいることやストレスがないことは良いですが、金欠は困ります。
でも「怒らないで、上手くいくからさ」と語りかけます。
引用した歌詞の2行目前半は「怒っていない」という意味だけではありません。
特定の住居を構えずに旅をしながら暮らす人を表す「Nomad(ノマド)」も意味すると解釈できます。
型にとらわれないで自由に生きても上手くいくから、こんな世の中だけどイライラしないで。
そう読み取れるでしょう。
ちなみに、錦戸亮が所属する自主レーベルは「NOMAD RECORDS」。
赤西仁が所属する自主レーベルは「Go Good Records」。
自主レーベル名というお互いが思い入れのあるワードを組み込むなんて、遊び心を感じますね。
たどり着いた先は心を揺さぶる場所
エッとチなベースにハートをノックしていくbeat
(We‘bout to hit the town, Come through and shut it down)
Don’t you worry そうノリで今 going out
(The music playing loud, Watch how it moves the crowd)
出典: NO GOOD/作詞: JIN AKANISHI・Chevy Legato・ES-PLANT 作曲: JIN AKANISHI・Chevy Legato・ES-PLANT
ハートをノックするような、心に響くビートとはどのようなものでしょうか?
最初のフレーズは、直接的な言葉を使わずに、あえて「と」という助詞を含んでいます。
これは、色っぽくもありつつ子供心をくすぐるユニークなベースの音色を思わせます。
最初のカッコ内の英詞は直訳で「街に行って通り抜け、シャットダウンする」という意味です。
2020年はコロナ禍のため、賑やかだった街並みもずいぶん閑散としていたことを表しています。
しかし、ここで終わるわけがありません。
「心配しないで、今こそノリで行こうよ」。
2番目のカッコ内の英詞は「音楽が大音量で流れ、群衆の動きが見えるよ」という意味です。
人気のない寂しい街も、ハートを揺さぶるビートにかかれば人々がリズムに乗り出す。
そんな明るいポジティブな表現が詰まったBメロです。
今日、そして明日を笑って生きられるように
Everybody
Move your body
Babyもっとso前倣え
You can try it
So everybody
明日今日を笑えるまで
Let’s make some money
出典: NO GOOD/作詞: JIN AKANISHI・Chevy Legato・ES-PLANT 作曲: JIN AKANISHI・Chevy Legato・ES-PLANT
引用部分の7行目の英語詞は、通常であれば「お金を儲ける」という意味になります。
しかし、ここでは「音楽と照明をチェックする」という意味で使われています。
「Move body」も「身体を動かす」という意味ではありません。
「リズムに乗る」と訳せば、どちらも音楽に関連する言葉であることが分かります。
「前へ倣え」で続くように、
みんなで揃って明日も今日も笑って過ごせるように、
音楽と照明に身体をあずけようよ。
そう歌っているのでしょう。
先の見えない未来に対して不安を抱え、笑顔を忘れてしまうこともあると思います。
そんなときも、せめて今日明日は笑っていられるように。
そのために音楽が、エンターテインメントが側にいるのだと歌いかけているように捉えられます。